構造設計の話

最終更新日: 2019.09.29

基礎から学ぶ、隣の音が聞こえないマンションの特徴と遮音等級について

ども、tyazukeです。

マンションの壁が薄くて悩んでいませんか?

お隣の部屋から物音がしょっちゅう聞こえたり、家族と話すとき自分の声が外に漏れていないか不安です。

あるいは生まれたばかりの子供の泣き声。結構な音量ですよね。子供の夜泣きで「迷惑かなぁ」なんて毎日思っちゃいます。

 

そこで次引っ越すとき、又はマンションを買うとき、壁が厚いマンションや音が漏れない部屋が良い、と分かっていても一体どう見分ければよいのでしょう。

ということ今回は、隣の音が聞こえないマンションの特徴と遮音等級について。

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音の基礎知識

音は、振動の一種です。空気が揺れることで音が伝搬します。そんな音に関する基礎知識を学びましょう。

 

音の強さについて

音には、下記の性質があります。

  • 音の強さは距離の2乗に反比例して減衰する。

ということ。これが重要なポイントの1つで、マンション選びのコツでもあります。数値はともかく、同じマンションでも100m違うだけで、その2乗も音のエネルギーは小さくなるわけです。

 

遮音について

皆さんが知りたいのは、この性質ですよね。「遮音」。物体により音が遮られる現象です。遮音には3つの性質があります。それは、

  1. 材料の密度が大きいほど
  2. 材料の厚さが厚いほど
  3. 音の周波数が大きいほど

音は遮音されやすい、ということです。

1,2をざっくばらんに言えば、「音は薄い壁より、厚い壁の方が音を遮る」と言えます。3はイメージが難しいかもしれませんが、「高音なほど音は遮られやすい」ということ。

 

以上、音の基礎知識を学びました。この性質から、ごく当たり前の事実が2つ浮き上がったと思います。隣の音が聞こえない(静かな)マンションとは、

  1. 周辺が閑静で、静かであること。
  2. なるべく壁が厚いマンションを選ぶこと。

です。「当たり前だろ!」なんて言わないで下さいね。一応、音の基礎知識と照らし合わせて確認したので。

次からは選び方について説明します。

 

遮音等級を確認すること

前述した遮音の問題は、住む人皆が気にします。そのため不動産屋によっては、あらかじめ「遮音等級」を定めて物件を売り出すことも。

遮音等級が分かっていれば、静かなマンション選びが、こんな簡単なことはありません。

 

壁の遮音性能を示すDr値

遮音性能には2種類あります。その1つが、Dr値。例えばDr-50、Dr-45という表現で示します。値が大きければ大きいほど、遮音性能が高いことを意味します。

なぜ値が大きいほど遮音性能が高いのか。それはDr値が、隣の部屋の音が壁を伝達して、自分の部屋に届いた音との差分を表すからです。

 

つまり、隣の部屋で大音量の音楽を流しても、あなた住む部屋に音が届いていないのなら、ほとんどが壁に遮音された、ということですね?

その場合Dr値が大きいんです。より多くの音が、壁によって遮られた、ということ。Dr値は4つの適用等級があって、下記のように示します(下記の例は、集合住宅の場合)。

  • 等級 Dr-55
  • 1級 Dr-50
  • 2級 Dr-45
  • 3級 Dr-40

等級が3に近づくほど、遮音性が低いということですね。これをRC造の壁厚で示すと、

  • 壁厚=120mm Dr-45
  • 壁厚=150mm Dr-50
  • 壁厚=200mm Dr-55

程度になります。

ところで僕は賃貸マンションに住んでいます。壁厚は150mmなのでDr-50。実感としては、窓を閉め切っていれば、お隣さんの声や物音はほとんど聞こえない、といった感じです。

 

床の遮音性能を示すLr値

次に床の遮音性能を示すLr値について説明します。Lr値は、Dr値とは逆に値が小さければ小さいほど遮音性能が良いことを意味します。

床の音は、普通は上階から伝わります。足音や物を落とした音などです。これらの音は、そのまま床を伝達して自分の部屋に伝わるので、差分ではなく部屋に残った音の大きさで判断するわけ。

下記にLr値の等級を示します。

  • 等級 Lr-45
  • 1級 Lr-50
  • 2級 Lr-55
  • 3級 Lr-60

等級が3に近づくほど、遮音性が低いことはDr値と変わりません。これをRC造の床厚で示すと、

  • 床厚=120mm Lr-55
  • 床厚=150mm Lr-50
  • 床厚=200mm Lr-45

となります。

僕が住むマンションは、床厚=150mm。子供が走り回る足音は聞こえます。それ以外の音は聞こえません。壁よりも伝わる音は少ない、という感じ。

 

以上、遮音等級について説明しました。予め明示している不動産屋さんもありますし、明記無い場合もあります。

そんなときは「壁厚は、床厚は何センチくらい?」と聞きましょう。個人的に、我慢できるレベルが壁厚150mmです。何度も言いますが、僕はそのマンションに住んでいます。

お子さんを持つ家庭が沢山住んでいますが、「声がうるさくて大変」ということはありません。

 

まとめ

静かに暮らす、現代社会では当たり前に手に入らない生活ですよね。ポイントは2つ。1つは、閑静な地区に住むこと。

本当に静かな場所に暮らしたかったら、公園や学校が近くはNG。休みの日になると子供の声がかなり響きます。かといって歓楽街はもちろんダメ。中々難しいですが、根気よく探してください。

 

2つめのポイントは遮音等級あるいは壁厚の確認。前述したように、壁厚150mmは最低ラインです。少しの物音も嫌なら壁厚180mmは必要です。

部屋で歌いたい!とか、映画を大音量で!という願望があるなら壁厚200mmは必要になるか、追加で日本特殊塗料 防音一番オトナシート(5枚入り)を貼るなど工夫が必要。

 

以上、長くなりましたが参考になれば幸いです。

 

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