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令和2年度 公衆衛生概論 問1 を解説(凝集剤と結びつけたら誤り)

令和2年度 学科試験1 問1は、化学物質の飲料水への汚染原因と影響に関する問題です。4つの記述から、不適当なものを1つ選びます。

この問題のポイント

誤りは選択肢1です。トリハロメタン類を凝集剤と結びつけています。

後半の「発がん性物質として疑われる」も、「浄水処理や給配水の過程で生成する」も、そのまま書かれています。入れ替えられているのは反応する相手だけです。

※ このページに問題文そのものは載せていません。公益財団法人 給水工事技術振興財団の過去5年間の試験問題には、2026年8月時点で令和3年度以降が掲載されています。

正解:選択肢1

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ×(誤り) 令和6年の出題では、トリハロメタンは「消毒副生成物」と書かれています。凝集剤と反応して生成するとした点が誤りです
2 ○(正しい) ヒ素は地質、鉱山排水、工場排水等に由来し、海外では汚染された地下水・河川水による慢性中毒症が報告されています
3 ○(正しい) 鉛はpH値やアルカリ度が低い水に溶出しやすく、体内への蓄積により毒性を示します
4 ○(正しい) 硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素は窒素肥料、家庭排水、下水等に由来し、乳幼児ではメトヘモグロビン血症によるチアノーゼを引き起こします

選択肢1のポイント(ここが誤り)

同じ肢が、平成27年にも同じ形で出ています。

誤りとして出た形 出題年度
水道原水中の有機物質が浄水場で注入される凝集剤と反応してトリハロメタン類が生成される平成27年 問3
水道原水中の有機物と浄水場で注入される凝集剤とが反応してトリハロメタン類が生成する令和2年 問1

2年度とも、この肢が正解(誤り)でした。

反対に、トリハロメタンの位置づけを正しく書いた出題もあります。

令和6年 問52(浄水器)の正しい語

浄水器には、トリハロメタン等の消毒副生成物や鉛、臭気等を減少させる性能を持つ製品がある。

消毒副生成物という語が、そのまま答えになっています。消毒の側で生じるものであって、凝集剤の側ではありません。

凝集剤が出てくるのは、ろ過の話のほうです。

「急速ろ過法とは、一般に原水に凝集剤を加えて沈でん処理をしたのち、砂ろ過を行う浄水方法である」は、平成27年 問2に正しい肢として出ています。凝集剤は沈でんのための薬品です。

選択肢3の鉛は、2つの条件で出る

鉛が溶け出しやすい水の条件は、年度によって書き方が変わります。

書かれ方 出題年度と正誤
pH値やアルカリ度が低い水に溶出しやすい令和2年 問1(正しい)
pH値の低い水や遊離炭酸の多い水に溶出しやすい平成27年 問3(正しい)
遊離炭酸の少ない水に溶出しやすい平成30年 問1(誤り)

遊離炭酸は「多い」ほうが溶けます。同じ論点の正しい形と誤りの形が、別の年度に分かれて置かれています。

覚え方

  • トリハロメタンを凝集剤と反応させた肢は誤り。平成27年問3と令和2年問1の2年度で正解になっている
  • ★令和6年問52では「トリハロメタン等の消毒副生成物」が正しい語。消毒の側で生じるもの
  • 凝集剤は沈でんのための薬品(急速ろ過法で原水に加える/平成27年問2に正しい肢)
  • ★鉛はpH値・アルカリ度が低い水遊離炭酸が多い水に溶出しやすい。「少ない」とした肢は平成30年に誤り
  • 硝酸態窒素・亜硝酸態窒素=乳幼児のメトヘモグロビン血症によるチアノーゼ(窒素肥料・家庭排水・下水由来)

理解度チェック

Q.

トリハロメタン類は何と結びつけると誤りになるか。

凝集剤です。平成27年問3と令和2年問1の2年度で、凝集剤と反応するとした肢が正解(誤り)になっています。

Q.

試験でトリハロメタンはどう位置づけられているか。

令和6年問52で「トリハロメタン等の消毒副生成物」が正しい語として出ています。

Q.

鉛が溶け出しやすいのはどんな水か。

pH値やアルカリ度が低い水、遊離炭酸の多い水です。遊離炭酸が少ない水とした肢は平成30年に誤りでした。

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法令・基準は改正されることがあります。最新の内容は国土交通省およびe-Gov法令検索でご確認ください。給水装置の設置条件や施工方法は水道事業者ごとの基準によります。

参考資料

  • 公益財団法人 給水工事技術振興財団「令和2年度 給水装置工事主任技術者試験 学科試験1 問題」および同財団が公表した正答番号。本記事の正誤の判定は同正答番号(問1=(1))によります。設問文が「不適当なものはどれか」であることを確認したうえで各肢を判定しました。問題文・選択肢は掲載していません。
  • 公益財団法人 給水工事技術振興財団「平成27年度 学科試験1 問題」問2・問3、「平成30年度 学科試験1 問題」問1、「令和6年度 学科試験2 問題」問52。年度をまたぐ比較は各年度の問題と正答番号によります。
  • トリハロメタン類が何と反応して生じるかについては、令和6年 問52の「消毒副生成物」という語までを根拠としています。反応の機構そのものには踏み込んでいません。
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給水装置工事主任技術者の用語・過去問を、国土交通省の給水装置標準計画・施工方法など一次資料にあたって整理しています。

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