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地中電線路の施工とは?引入れの向き・滑落防止・管路の材料を整理

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地中電線路の施工って、似た肢が毎年並ぶよね。

屈曲部は近い方から引くの?遠い方から引くの?

この記事の要点

地中電線路の施工とは、管路や洞道にケーブルを引き入れ、熱伸縮や滑落から守る一連の作業のことです。

1級で7年度出ていますが、並ぶ肢は5つしかありません。

裏返されるのは、そのうち2つだけです。

地中電線路の施工は、同じ肢を毎年使い回して1つだけ裏返す形で出ています。

平成26年度から令和8年度までの7年度を並べると、肢の顔ぶれは5つに絞られます。まず全体を見ます。

並ぶ肢は5つで、裏返るのは2つだけ

論点 正しい形 裏返された形
引入れの向き 屈曲部に近い方のマンホールから引き入れる 遠い方から引き入れた
傾斜地の滑落防止 上端側の管路口にスプリング方式のストッパ 上端側管路口にプーリングアイ
熱伸縮(マンホール) マンホール内にオフセットを設ける (無い)
熱伸縮(洞道) スネーク布設の変曲点で拘束する (無い)
引入れ時の保護 引入れ側の管路口にケーブルガイドを取り付ける (無い)

下の3つは一度も裏返されていません。オフセット・スネーク・ケーブルガイドの肢は読み飛ばして構いません。

読むのは上の2つだけ 引入れの向き 傾斜地の滑落防止 裏返される(答えになる) 近い方 ⇔ 遠い方 ストッパ ⇔ プーリングアイ マンホール内のオフセット スネーク布設の変曲点で拘束 引入れ側にケーブルガイド 7年度とも正しい側のまま 別枠:管路の材料は「単心ケーブル」の語で分かれる 単心ケーブルを引入れる管路に鋼管 → 平成28年度・令和4年度で答え
平成26年度から令和8年度までの7年度に並んだ肢を、論点ごとに分けたものです。

裏返される2つ

まず引入れの向きです。5年度に出ています。

  • 遠い方と書いて答えにされた:平成26年度 選択肢1/平成29年度 選択肢4
  • 近い方で正しい側に置かれた:令和2年度 選択肢3/令和5年度 選択肢3/令和8年度 選択肢4

どの年度も「管路の途中に水平屈曲部があったので、引入張力を小さくするため」という前置きは同じです。変わるのは近い方か遠い方かだけでした。遠い方と書いてあれば、そこが答えです。

もう1つは傾斜地の滑落防止で、器具を入れ替えて出されます。

  • スプリング方式のストッパで正しい側:平成26年度 選択肢3/平成29年度 選択肢2
  • プーリングアイと書いて答えにされた:令和2年度 選択肢4/令和5年度 選択肢4/令和8年度 選択肢3

目的の文はどの年度も「熱伸縮による滑落を防止するため」で同じです。取り付ける器具だけが差し替えられます。

プーリングアイは、ケーブルを引くための金具です。公共建築工事標準仕様書にも、止める器具ではなく方式の名前として出てきます。

公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)令和7年版 2.10.4.8 垂直ケーブル配線

(1) 配線室等において、ケーブル頂部を構造体に固定し、垂直につり下げて配線する垂直ケーブルは、次によるほか、標準図第2編「電力設備工事」による。

(ア) つり方式は、プーリングアイ方式又はワイヤグリップ方式とする。

(イ) ケーブル及びその支持部分の安全率は、4以上とする。

(ウ) 各階ごとに振止め支持を施す。

(エ) ワイヤグリップ方式の支持間隔は、6m以下とする。

光ファイバの施工を問う令和7年度1級No.75の選択肢3にも、「管路内への光ファイバケーブルの通線は、ケーブルの先端にプーリングアイを用いて施工した」が正しい側で出ています。先端に付けて引くのがプーリングアイ、上端で止めるのがストッパです。

例えば、傾斜地の管路では、引き入れたケーブルが自重で下へずれていきます。上端側にストッパを付けると、その動きを止められます。

言い換えると、「引くための金具と、止めるための器具は役割が違う」ということです。

管路の材料は「単心ケーブル」の語で分かれる

管路そのものを問う形が2年度あります。どちらも鋼管が答えになりました。

平成28年度 1級 No.67 選択肢1(答え)/令和4年度 1級 第一次 No.79 選択肢2(答え)

平成28年度 単心ケーブルを引入れる管路に、亜鉛メッキ鋼管(GP)を使用した。

令和4年度 単心ケーブルを引入れる管路に、配管用炭素鋼鋼管(SGP)を使用した。

材料の名前は違いますが、どちらも「単心ケーブルを引入れる管路に鋼管」という組合せです。同じ問題の別の肢では、ライニングなどの防食処理を施した厚鋼電線管が正しい側に置かれています。厚鋼電線管も鋼管ですが、こちらには単心ケーブルという語が付いていません。

管路の材料を問う肢を見たときは、単心ケーブルという語が付いていないかを先に確かめます。

地中に埋めたあとの扱いは、架空とは別の話になります。

一度も裏返されない3つ

残る3つは、7年度を通して正しい側のままです。

平成26年度 選択肢4/平成29年度 選択肢3/令和2年度 選択肢2/令和4年度 選択肢3/令和8年度 選択肢2(5年度とも正しい側)

ケーブルの熱伸縮による金属シースの疲労を防止するため、マンホール内にオフセットを設けた。(令和4年度は「熱伸縮対策として」と短く書きます)

5年度すべてに並び、いずれも正しい側でした。ここでいうオフセットはケーブルをたるませて逃がすことで、交通信号のオフセットや架空送電線の電線相互のオフセットとは別の意味です。

洞道内の熱伸縮対策も同じで、平成29年度・令和2年度・令和5年度・令和8年度の4年度とも正しい側でした。「洞道内のケーブルは、熱伸縮の影響を少なくするため、スネーク布設の変曲点で拘束した」という形です(平成29年度だけ「スネークの変曲点でクリートで拘束した」と書きます)。

引入れ時の保護も、平成26年度 選択肢2と令和5年度 選択肢2で「引入れ側の管路口にケーブルガイドを取り付けた」が正しい側に置かれています。この3つが並んでいる肢は、読まずに飛ばして構いません。

まちがえやすいポイント

器具の役割を取り違えないようにします。

プーリングアイはケーブルを引っ張るための金具で、傾斜地の滑落を止める器具として書かれると答えになります。正しい側に置かれたのはスプリング方式のストッパでした。

プーリングアイは公共建築工事標準仕様書に出てきますが、そこでの用途は垂直ケーブルのつり方式です。令和7年度1級No.75では、管路内の通線でケーブルの先端に用いる形が正しい側に置かれました。引く側の金具であって、止める器具ではありません。

混同しやすい語

近い方と遠い方:引入張力を小さくするには屈曲部に近い方から引き入れます。

ストッパとプーリングアイ:傾斜地の滑落防止はストッパの側です。

オフセット:ここではケーブルの熱伸縮を逃がす形のことです。交通信号や架空送電線では別の意味で使われます。

厚鋼電線管と配管用炭素鋼鋼管:管路に使うと書かれて正しい側になったのは、防食処理を施した厚鋼電線管です。

過去問でどう問われたか

地中電線路の施工は3年度分です。

年度・級・問 答えになった肢 肢の位置
平成26年度 1級 学科 No.67 屈曲部に遠い方のマンホールから引き入れた 選択肢1
平成28年度 1級 学科 No.67 単心ケーブルの管路に亜鉛メッキ鋼管を使用した 選択肢1
平成29年度 1級 学科 No.67 屈曲部に遠い方のマンホールから引き入れた 選択肢4
令和2年度 1級 学科 No.67 上端側管路口部にプーリングアイを取り付けた 選択肢4
令和4年度 1級 第一次 No.79 単心ケーブルの管路に配管用炭素鋼鋼管を使用した 選択肢2
令和5年度 1級 第一次 No.79 上端側管路口にプーリングアイを取り付けた 選択肢4
令和8年度 1級 第一次 No.76 上端側管路口にプーリングアイを取り付けた 選択肢3

平成26年度と平成29年度は屈曲部、令和2年度から令和8年度までの3年度はプーリングアイが答えです。古い年度は引入れの向き、新しい年度は傾斜地の器具に寄っています。

肢は次の順に見ます。まず屈曲部の向きを読み、遠い方と書いてあればそこが答えです。次に傾斜地の器具を読み、プーリングアイならそこが答えです。管路の材料が出てきたら単心ケーブルという語が付いていないかを確かめます。オフセット・スネーク・ケーブルガイドの肢は飛ばして構いません。

地中電線路そのものの方式(管路式・暗きょ式・直接埋設式)は地中電線路の3つの方式、管路工事の接続は地中管路の工事で扱っています。

理解度チェック

Q.

引入張力を小さくするにはどちらから引き入れるか?

屈曲部に近い方のマンホールからです。遠い方と書いた肢が2年度で答えになりました。

Q.

傾斜地の滑落防止には何を取り付けるか?

スプリング方式のストッパです。プーリングアイと書いた肢が3年度で答えになりました。

Q.

マンホール内のオフセットは何のために設けるか?

ケーブルの熱伸縮による金属シースの疲労を防止するためです。5年度とも正しい側でした。

Q.

洞道内のケーブルはどこで拘束するか?

スネーク布設の変曲点です。熱伸縮の影響を少なくするために行います。

まとめ

  • 7年度に並ぶ肢は5つ。裏返るのは引入れの向きと傾斜地の器具の2つだけ。
  • 引入れは屈曲部に近い方から。遠い方と書いた肢が平成26年度と平成29年度の答え。
  • 傾斜地の滑落防止はスプリング方式のストッパ。プーリングアイと書いた肢が令和2年度・令和5年度・令和8年度の答え。
  • プーリングアイは引くための金具。標準仕様書では垂直ケーブルのつり方式、令和7年度の出題では通線でケーブルの先端に使う形が正しい側。
  • 管路の材料は「単心ケーブル」の語で分かれる。単心ケーブルの管路に鋼管とした肢が平成28年度と令和4年度の答え。
  • オフセット(5年度)・スネークの拘束(4年度)・ケーブルガイド(2年度)は一度も裏返されていない。

参考資料

  • 一般財団法人 建設業振興基金 試験研修本部「電気工事施工管理技術検定 問題・正答肢」(公式サイト)平成26年度1級・平成28年度1級・平成29年度1級・令和2年度1級・令和4年度1級・令和5年度1級・令和7年度1級・令和8年度1級
  • 国土交通省 大臣官房官庁営繕部「公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)令和7年版」2.10.4.8 垂直ケーブル配線(PDF
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