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金属管配線とは?施工で確認する項目と接地工事の種別を整理

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金属管配線って、何を確認すればいいの?

接地工事も、管と隔壁でC種とD種のどっち?

この記事の要点

金属管配線とは、絶縁電線を金属製の電線管に収めて施設する低圧屋内配線のことです。

電線を金属で囲うので、外傷から守れて、内部で漏電しても管が電気を受け止めます。その代わり、管そのものを接地しないと管が危険になります。

確認する項目は電線の種類・こう長・曲げ半径・接続・端口・接地工事の6つです。

金属管配線の確認項目は、電線を守るためのものと、管を安全にするためのものに分かれます。

接地工事の種別も、この分け方から決まります。

金属管配線とはどんな工事か

金属管配線は、絶縁電線を鋼製の電線管に通し、管をボックスでつなぎながら建物の中を配る工事です。

電線をむき出しにせず金属で囲うので、外からぶつけられても電線が傷みません。コンクリートに埋め込むこともできます。

ただし、金属で囲うことには裏返しがあります。管の中で電線の被覆が傷んで漏電すると、金属管そのものに電気が流れます。

人が触れる位置にある管が充電されると危険です。だから管には接地工事を施し、漏れた電流を大地へ逃がします。金属管工事の規定が接地の話に集まるのは、このためです。

施工で確認する項目

確認する項目と、その根拠がどこにあるのかを並べると、次のようになります。

確認する項目 どうするか 根拠
電線の種類 絶縁電線を使う。屋外用ビニル絶縁電線(OW)は除かれる。水気のある場所でも絶縁電線でよい 電技解釈
こう長 30mを超えないよう、途中にプルボックスを設ける 内線規程
曲げ半径 管の内側の曲げ半径は管内径の6倍以上 内線規程
屈曲の数 アウトレットボックス間に直角の屈曲を設けすぎた肢が誤りとされている 内線規程
接続 管相互・管とボックスは、ねじ接続その他同等以上の方法で、堅ろうかつ電気的に完全に接続する 電技解釈
管の端口 電線の被覆を損傷しないよう、適当な構造のブッシングを使う 電技解釈
湿気・水気 防湿装置を施す 電技解釈

曲げ半径とこう長は内線規程、電線と接続は電技解釈、という分かれ方です。

言い換えると、「管の太さが同じでも、曲げ半径が6倍を下回れば誤りになる」ということです。

例えば、太さ31mmの管について、内側の曲げ半径を管内径の4倍とした肢は誤りとされています(令和8年度2級前期No.48・公表正答3)。

どこで何を確認するか(模式図) ボックス プル ボックス ボックス 金属管 端口=ブッシング こう長が長くなればプルボックス 曲げは大きく 管には接地工事
金属管配線の各部と確認する場所をイメージでつかむための模式図です。形・寸法・間隔は実物どおりではありません。正しいのは、管がボックスとボックスの間を結び、端口にブッシングを入れ、管に接地線をつなぐという関係だけです。

管の接地工事は電圧で分かれる

管に施す接地工事は、電技解釈に条文があります。

電気設備の技術基準の解釈 第159条第3項第四号・第五号(金属管工事)

四 低圧屋内配線の使用電圧が300V以下の場合は、管には、D種接地工事を施すこと。ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。

イ 管の長さ…が4m以下のものを乾燥した場所に施設する場合

ロ 屋内配線の使用電圧が直流300V又は交流対地電圧150V以下の場合において、その電線を収める管の長さが8m以下のものに簡易接触防護措置…を施すとき又は乾燥した場所に施設するとき

五 低圧屋内配線の使用電圧が300Vを超える場合は、管には、C種接地工事を施すこと。ただし、接触防護措置…を施す場合は、D種接地工事によることができる。

電線と接続の条文も同じ条にあります。

同 第159条第1項第一号/第3項第一号・第二号・第三号

一 絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線を除く。)であること。

一 管相互及び管とボックスその他の附属品とは、ねじ接続その他これと同等以上の効力のある方法により、堅ろうに、かつ、電気的に完全に接続すること。

二 管の端口には、電線の被覆を損傷しないように適当な構造のブッシングを使用すること。

三 湿気の多い場所又は水気のある場所に施設する場合は、防湿装置を施すこと。

300V以下がD種、300V超がC種です。ただし300V超でも、接触防護措置を施す場合はD種によることができます。

電圧が高いほど厳しい種別になる、という向きです。

隔壁の接地工事はC種

接地工事の種別は、もう1か所出てきます。

強電流回路の電線と弱電流回路の電線を同じボックスに収めるとき、間に金属製の隔壁を入れます。強い電気の側から弱い電気の側へ、誘導や接触の影響が及ばないようにするためです。

この隔壁に施すのはC種接地工事です。D種と書いた肢は、令和元年度と令和7年度の2年度とも誤りとされています。

管は電圧で分かれ、隔壁はC種です。どちらの話をしているのかを先に読み分けます。

過去問でどう問われたか

1級で1年度、2級で4年度に出ています。引っかけは大きく2つです。

  • ①数字を小さくする:曲げ半径の倍数を6から4に、屈曲の数を増やします。
  • ②接地工事の種別を入れ替える:隔壁のC種をD種に書き換えます。
年度・級・問 誤りとされた記述
平成26年度 1級 学科試験 No.63 管の曲げ半径(内側半径)と、ボックス間の直角の屈曲の数を同じ肢にまとめた形 ←①
令和元年度 2級 学科(前期)No.42 金属製の隔壁にD種接地工事を施した ←②
令和4年度 2級 第一次(前期)No.50 アウトレットボックス間の金属管に、直角の屈曲を規定を超える数設けた ←①
令和7年度 2級 第一次(前期)No.48 金属製の隔壁を施設し、その隔壁にD種接地工事を施した ←②
令和8年度 2級 第一次(前期)No.48 31mmの管の内側の曲げ半径を、管内径の4倍とした ←①

平成26年度1級No.63は、1級で唯一この主題を正面から問った年度です。答えの選択肢4は、曲げ半径と屈曲の数を1つの肢にまとめた形でした。同じ問の選択肢3「乾燥した場所に使用電圧100Vの配線を施設し、管の長さが8m以下であったのでD種接地工事を省略した」は接地工事の省略のロに当たるので正しい側、選択肢2「管相互及びボックスその他の付属品とは、ねじ接続で堅ろうに、かつ、電気的に完全に接続した」も条文どおりです。選択肢1は水気のある場所にビニル電線(IV)を使った肢で、こちらも正しい側でした。

表の令和8年度2級前期No.48では、300Vを超える場合の金属管及びその附属品にC種接地工事を施したという肢が正しい側に置かれています。これは電技解釈第159条第3項第五号のとおりです。この問には「金属管配線には、接触防護措置が施されていないものとする」という前置きが付いています。第五号のただし書き(接触防護措置を施す場合はD種によることができる)が使えないので、C種が正しい形になります。

曲げ半径は6倍。隔壁はC種の側が正しい肢です。

まちがえやすいポイント

接地工事の種別が2か所に出てきます。管そのものボックス内の隔壁です。

管は電圧で分かれ、300V以下がD種、300V超がC種です。隔壁のほうは、出題ではC種と書いた肢が正しい側に置かれています。どちらの話かを先に読みます。

混同しやすい語

曲げ半径と屈曲箇所:曲げ半径は管内径の6倍。屈曲の数は、アウトレットボックス間に直角の屈曲を設けすぎた肢が誤りとされています。

管の接地と隔壁の接地:管は電技解釈第159条、隔壁は内線規程を根拠にした出題です。

絶縁電線と屋外用ビニル絶縁電線:条文が除いているのは後者です。

理解度チェック

Q.

金属管の内側の曲げ半径は、管内径の何倍か?

6倍です。4倍とした肢は誤りとされています。

Q.

使用電圧が300Vを超える低圧屋内配線の金属管には、何種の接地工事を施すか?

C種接地工事です。接触防護措置を施す場合はD種によることができます。

Q.

強電流回路と弱電流回路を同一ボックスに収めるときの金属製隔壁は、出題でどう扱われているか?

C種接地工事とした肢が正しい側、D種とした肢が2年度とも誤りとされています。

まとめ

  • 金属管の内側の曲げ半径=管内径の6倍。4倍は誤り。
  • アウトレットボックス間に直角の屈曲を設けすぎた肢は誤り(令和4年度2級前期No.50・公表正答1/平成26年度1級No.63・公表正答4)。
  • 隔壁の接地工事=出題ではC種の側が正しい肢。D種は2年度とも誤り。
  • 管そのものは、300V以下がD種、300V超がC種(電技解釈第159条第3項四号・五号)。
  • 電線は絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線を除く)。水気のある場所では防湿装置を施す。

参考資料

  • 経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」第159条第1項第一号・第3項第一号から第五号
  • 一般財団法人 建設業振興基金 試験研修本部「2級電気工事施工管理技術検定 問題・正答肢」(公式サイト)平成26年度1級No.63・令和元年度2級(前期)No.42・令和4年度2級(前期)No.50・令和7年度2級(前期)No.48・令和8年度2級(前期)No.48
  • 一般社団法人 日本電気協会「内線規程」(JEAC 8001)
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