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分岐回路の電線の太さは何で決まるのか?過電流遮断器の定格電流ごとの最小サイズ

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電線の太さの表が覚えられない…。

数字がどの段のものか、いつも迷うんだよね。

この記事の要点

低圧分岐回路の電線の太さとは、その分岐回路を保護する過電流遮断器の定格電流ごとに、149-1表で最小の値が決められている太さのことです。負荷の大きさではなく遮断器で決まります。

段は6つで、40Aを超え50A以下なら軟銅線は断面積14mm2です。

15Aを超え20A以下の段は、配線用遮断器かどうかで行が分かれます。

この表は、遮断器の定格電流を入口にして電線の最小の太さを引く形になっています。

だから覚え方も、段の境目の数字と、その段に対応する太さをセットにします。

何が電線の太さを決めているか

条文はまず、遮断器の定格電流に上限を置いています。

電気設備の技術基準の解釈 第149条第2項第一号イ・ロ(低圧分岐回路等の施設)

イ 第1項第一号の規定により施設する過電流遮断器の定格電流は、50A以下であること。

ロ 電線は、太さが149-1表の中欄に規定する値の軟銅線若しくはこれと同等以上の許容電流のあるもの又は太さが同表の右欄に規定する値以上のMIケーブルであること。

言い換えると、「遮断器の定格電流を先に決めて、その段に見合う太さ以上の電線を選ぶ」ということです。

  • 入口分岐回路を保護する過電流遮断器の定格電流
  • 出口:軟銅線の太さ、又はMIケーブルの太さ
  • 表の性格:これ以上という最小の値

表の値は下限なので、太い電線を使うことは条件に反しません。足りない場合だけが誤りになります。

149-1表の6つの段

表の中身です。

分岐回路を保護する過電流遮断器の種類 軟銅線の太さ MIケーブルの太さ
定格電流が15A以下のもの 直径1.6mm 断面積1mm2
定格電流が15Aを超え20A以下の配線用遮断器 直径1.6mm 断面積1mm2
定格電流が15Aを超え20A以下のもの(配線用遮断器を除く 直径2mm 断面積1.5mm2
定格電流が20Aを超え30A以下のもの 直径2.6mm 断面積2.5mm2
定格電流が30Aを超え40A以下のもの 断面積8mm2 断面積6mm2
定格電流が40Aを超え50A以下のもの 断面積14mm2 断面積10mm2

例えば、50Aの配線用遮断器で保護する分岐回路なら、軟銅線は断面積14mm2以上が要ります。

段の並びを頭に入れる順序はこうです。

  • 直径で書かれる段:15A以下、20A以下、30A以下の3つ
  • 断面積で書かれる段:40A以下、50A以下の2つ
  • 切り替わる場所:30Aを超えたところで、直径から断面積の表記に変わる

30Aと40Aの間で書き方が変わります。ここが段を数え間違えやすい場所です。

6つの段と、30Aで変わる書き方 入口=分岐回路を保護する過電流遮断器の定格電流 直径で書く段 断面積で書く段 15A以下 1.6mm 20A以下(配線用) 1.6mm 20A以下(その他) 2mm 20A超30A以下 2.6mm 30A超40A以下 8mm2 40A超50A以下 14mm2 30Aが境目 1段目と2段目は、どちらも直径1.6mm(配線用遮断器かどうかで行が分かれる)
出典=電気設備の技術基準の解釈 149-1表(軟銅線の太さ)

細い電線を使える場合はあるか

分岐点からの距離が短ければ、別の表が使えます。

電気設備の技術基準の解釈 第149条第2項第一号ハ(イ)

(1) 1のねじ込み接続器、1のソケット又は1のコンセントからその分岐点に至る部分であって、当該部分の電線の長さが、3m以下であること。

(2) 太さが149-2表の中欄に規定する値の軟銅線若しくはこれと同等以上の許容電流のあるもの又は太さが同表の右欄に規定する値以上のMIケーブルであること。

  • 条件:コンセント等からその分岐点までの電線の長さが3m以下
  • そのとき使う表:149-1表ではなく149-2表

設問に電線の長さが書かれていたら、この3mに当てはまるかどうかを見ます。

混同しやすい語

8mm2と14mm2:8mm2は30Aを超え40A以下の段、14mm2は40Aを超え50A以下の段です。1つ下の段の値を持ってくる形で出題されます。

配線用遮断器かどうか:15Aを超え20A以下は、配線用遮断器なら直径1.6mm、配線用遮断器を除くものは直径2mmです。同じ電流範囲でも行が違います。

149-1表と149-2表:149-2表は、コンセント等から分岐点までが3m以下の場合に使う表です。条件を満たさないのに149-2表の値を当てはめると足りなくなります。

表の入口にある過電流遮断器そのものにも、別の決まりがあります。

過去問でどう問われたか

1級では、遮断器の定格電流と電線の太さの組合せを並べて誤りを選ばせる形が3年度出ています。設問文の呼び方は「一般事務室に設けるコンセント専用の分岐回路」「コンセント専用の低圧分岐回路」「コンセント専用の回路」と年度で動きますが、聞いていることは同じです。引っかけは大きく2つです。

  • ①1つ下の段の値を当てる:50Aの段に、40A以下の段の数値を持ってきます。
  • ②足りている肢を混ぜる:表の値より太い電線を使った肢は、条件を満たすので誤りになりません。
年度・級・問 問われ方 誤りとされた記述
令和8年度 1級 第一次検定 No.26 コンセント専用の回路について、解釈上、誤っているもの(配線は長さ10mのIV、コンセント1個) 定格電流50Aの配線用遮断器に対し、配線の軟銅線の太さを断面積8mm2とした ←①

正しくは、40Aを超え50A以下の段なので断面積14mm2が要ります。

同じ問に並んだ15Aで直径1.6mm、20Aの配線用遮断器で直径2.0mm、30Aで断面積5.5mm2という肢は、いずれも表の値を満たすので正しい肢でした。設問の配線の長さが10mなので、3m以下を条件とする149-2表は使えません。

前の2年度は、狙う段が違うだけで同じ①の型でした。平成29年度 1級 学科試験 No.29令和4年度 1級 第一次検定 No.29は、どちらも「定格電流30Aの遮断器に、配線の太さを直径2.0mmとする」を誤りにしています(公表正答はどちらも選択肢3)。20Aを超え30A以下の段は直径2.6mmなので、2.0mmでは1つ下の段の値です。

この2年度は、正しい側にも表の値がそのまま並びました。平成29年度は「20Aの配線用遮断器に直径1.6mm」(選択肢1)と「30Aの過電流遮断器に直径2.6mm」(選択肢4)、令和4年度は「30Aの配線用遮断器に30Aのコンセントを接続し直径2.6mm」(選択肢4)が置かれています。誤りにされた段の正しい値が、同じ問の別の選択肢に出ている形です。

50Aは14平方ミリメートル。8平方ミリメートルは1つ下の段です。

電線を通す側の決まりは、低圧屋側電線路D種接地工事の省略にまとめました。

どこを確認すれば読み分けられるか

太さの肢は、次の順に見ます。

  • 遮断器の定格電流を見る:段が決まれば太さが決まります。負荷の電流ではありません。
  • 配線用遮断器かどうかを見る:15Aを超え20A以下だけ、行が2つに分かれています。
  • 長さを見る:3m以下という条件が書かれていなければ、149-1表で判定します。
  • 足りているかを見る:表の値は最小なので、太い分には誤りになりません。

まちがえやすいポイント

この表は、上の2行が同じ太さを共有する形で書かれています。

15A以下と、15Aを超え20A以下の配線用遮断器が、どちらも直径1.6mmです。行の数と数値の数が一致しないので、上から順に数えていくとずれます。

理解度チェック

Q.

分岐回路の電線の太さは、何を入口にして決まるか?

その分岐回路を保護する過電流遮断器の定格電流です。149-1表で段ごとに最小の太さが決まっています。

Q.

定格電流50Aの過電流遮断器で保護する場合、軟銅線の太さはいくつ以上か?

断面積14mm2です。8mm2は30Aを超え40A以下の段の値です。

Q.

15Aを超え20A以下の段で、行が2つに分かれているのはなぜか?

配線用遮断器かどうかで太さが違うためです。配線用遮断器は直径1.6mm、配線用遮断器を除くものは直径2mmです。

まとめ

  • 分岐回路を保護する過電流遮断器の定格電流は50A以下
  • 電線の太さは149-1表の値以上。表の値は最小で、太い分には問題ない。
  • 15A以下と15A超20A以下の配線用遮断器は直径1.6mm。配線用遮断器を除くものは直径2mm。
  • 20A超30A以下は直径2.6mm、30A超40A以下は断面積8mm2、40A超50A以下は断面積14mm2
  • コンセント等から分岐点までが3m以下なら、149-2表の細い値を使える。

参考資料

  • 電気設備の技術基準の解釈 第149条第2項第一号(イ・ロ・ハ)及び149-1表・149-2表 経済産業省(dengikaishaku.pdf
  • 一般財団法人 建設業振興基金 試験研修本部「平成29年度 1級電気工事施工管理技術検定 学科試験/令和4年度・令和8年度 1級 第一次検定 問題・正答肢」(公式サイト
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