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面積の数値が、年度で違って見えるんだけど。
令と規則の、どっちを見ればいいの?
この記事の要点
非常コンセント設備とは、消防隊が消火活動で使う電源を供給する設備のことです。
地下街は延べ面積1,000平方メートル以上で設置が要ります。
500平方メートルと書いた肢が、3年度とも答えでした。
非常コンセント設備は、消火活動上必要な施設の1つです。
設置の条件と数値が、令と規則に分かれて置かれています。
この「消火活動上必要な施設に当たるか」は、2級で3年度続けて問われました。
平成28年度・令和元年度・令和3年度 2級 No.60
消防用設備等のうち、消火活動上必要な施設に当たらないものを選ばせる出題です。3年度とも非常コンセント設備が肢に並びました。
3年度とも非常コンセント設備が肢に並びましたが、答えになったのは平成28年度が自動火災報知設備、令和元年度と令和3年度が非常警報設備でした。非常コンセント設備が消火活動上必要な施設であること自体は、外させる側に使われていません。狂わせてくるのは数値のほうです。
対象になる建物は2つです。
消防法施行令 第29条の2第1項
一 別表第一に掲げる建築物で、地階を除く階数が十一以上のもの
二 別表第一(十六の二)項に掲げる防火対象物で、延べ面積が千平方メートル以上のもの
第二号の(十六の二)項が地下街です。
この面積は、3年度とも半分にして出されました。消防用設備等のうち何が消火活動上必要な施設に当たるかは工事着手届の対象とも重なるので、設備の名前ごと覚えておくと両方で効きます。
平成28年度・令和元年度・令和3年度 1級(答え)
延べ面積500m²以上の地下街に設置が必要である。
| 年度・級・問 | 答えになった記述 |
|---|---|
| 平成28年度 1級 No.41 | 延べ面積500m²以上の地下街 |
| 令和元年度 1級 No.41 | 延べ面積500m²以上の地下街 |
| 令和3年度 1級 No.40 | 延べ面積500m²以上の地下街 |
| 令和6年度 1級 No.37 | 延べ面積1 000m²以上の地下街(正しい側) |
4年度目は、この肢を正しい値に直しています。言い換えると、「3年度で慣れたところに、正しい値を置いてくる」ということです。
消防法施行令 第29条の2第2項第一号
非常コンセントは、次に掲げる防火対象物の階ごとに、その階の各部分から一の非常コンセントまでの水平距離がそれぞれに定める距離以下となるように、かつ、階段室、非常用エレベーターの乗降ロビーその他これらに類する場所で消防隊が有効に消火活動を行うことができる位置に設けること。
イ 前項第一号に掲げる建築物の十一階以上の階 五十メートル
ロ 前項第二号に掲げる防火対象物の地階 五十メートル
どちらの対象物でも同じ50メートルです。
電源の値も同じ第2項にあります。
消防法施行令 第29条の2第2項第二号・第三号
二 非常コンセント設備は、単相交流百ボルトで十五アンペア以上の電気を供給できるものとすること。
三 非常コンセント設備には、非常電源を附置すること。
電源の値は令の側に置かれています。
ここから先は規則の側です。
消防法施行規則 第31条の2
一 非常コンセントは、床面又は階段の踏面からの高さが一メートル以上一・五メートル以下の位置に設けること。
二 非常コンセントは、埋込式の保護箱内に設けること。
三 非常コンセントは、日本産業規格C八三〇三の接地形二極コンセントのうち定格が十五アンペア百二十五ボルトのものに適合するものであること。
四 非常コンセントの刃受の接地極には、電気工作物に係る法令の規定による接地工事を施すこと。
五 電源は、第二十四条第三号の規定の例により設けること。
七 前号の回路に設ける非常コンセントの数は、十以下とすること。
九イ 非常コンセントの保護箱には、その表面に「非常コンセント」と表示すること。
九ロ 非常コンセントの保護箱の上部に、赤色の灯火を設けること。
令和6年度 1級 第一次 No.37 選択肢4(答え)
床面又は階段の踏面からの高さが0.5m以上1.5m以下の位置に設ける。
下限が違います。例えば、1.5メートルという上限が合っているので、下限だけを読み落とすと外します。
| 項目 | 条文の値 |
|---|---|
| 高さの下限 | 1メートル以上 |
| 高さの上限 | 1.5メートル以下 |
| 保護箱 | 埋込式のものの内部に設ける |
| コンセントの定格 | 15アンペア125ボルトの接地形二極コンセント |
非常電源の容量も規則の側です。ただし規則は数値を直接は書かず、屋内消火栓設備の規定を借りています。
消防法施行規則 第31条の2第八号 / 第12条第1項第四号ロ(イ)
八 非常電源は、第十二条第一項第四号の規定に準じて設けること。
ロ(イ) 容量は、屋内消火栓設備を有効に三十分間以上作動できるものであること。
この準用で、非常コンセント設備の非常電源も30分間以上になります。第12条第1項第四号は非常電源専用受電設備・自家発電設備・蓄電池設備・燃料電池設備の4つを挙げており、容量はそのどれを選んでも変わりません。
平成28年度 1級 No.41 選択肢4(正しい側)/令和4年度 1級 No.40 選択肢2(答え)
非常電源として附置する自家発電設備は、30分間以上電源供給できるものとする。(平成28年度・正しい側)
非常コンセント設備の非常電源の最小の容量は20分間。(令和4年度・誤り)
令和4年度は、同じ問題で自動火災報知設備を10分間、屋内消火栓設備を30分間と並べ、どちらも正しい側にしています。設備ごとに容量が違うので、非常コンセント設備の値だけを覚えても足りません。
この「20分間」は、令和6年度にも出ています。そちらは排煙設備を20分間以上として、やはり答えになりました。言い換えると、20分間という数字は2年度とも外れた側に置かれています。
第四号は接地工事の種別を書かず、電気工作物の法令に投げています。単相交流100Vなので、ここはD種接地工事です。種別ごとの上限は接地抵抗値の判定で分かれます。
第五号が引く第二十四条第三号は、自動火災報知設備の配線で使われる条文と同じものです。第八号の「準じて」も、P型2級受信機で出てくる準用と同じ読み方をします。
回路は各階で2つ以上が原則です。
消防法施行規則 第31条の2第六号
非常コンセントに電気を供給する電源からの回路は、各階において、二以上となるように設けること。ただし、階ごとの非常コンセントの数が一個のときは、一回路とすることができる。
令和元年度と令和3年度は、この次の第七号の「10以下」を正しい側に置いています。
混同しやすい数値
500と1,000:地下街は1,000平方メートル以上です。500と書いた肢が3年度とも答えでした。
0.5と1:高さの下限は1メートルです。上限の1.5メートルは合っています。
2以上と10以下:回路は各階で2以上、1回路のコンセントは10以下です。
11以上と50メートル:階数は地階を除いて11以上、水平距離は50メートル以下です。
1級で4年度に出ています。
この論点は、次の順に確かめます。
狂わせる場所は面積と高さの2か所だけです。
肢を読む順は、次のとおりです。
地下街に非常コンセント設備が要るのは何平方メートル以上からか?
延べ面積1,000平方メートル以上です。500平方メートルと書いた肢が3年度とも答えになっています。
非常コンセントを設ける高さはいくつか?
床面又は階段の踏面からの高さが1メートル以上1.5メートル以下です。下限を0.5メートルとした肢は誤りです。
非常コンセント設備が供給する電気はどのような値か?
単相交流100Vで15A以上です。コンセント自体は定格15アンペア125ボルトの接地形二極コンセントです。
1つの回路に設ける非常コンセントの数はいくつ以下か?
10以下です。回路そのものは各階において2以上となるように設けます。
この用語が問われた過去問
参考資料
※ この記事の出題の確認日:2026年8月
まちがえやすいポイント
数値が令と規則に分かれています。
令の側は階数11以上・地下街1,000平方メートル以上・水平距離50メートル・単相交流100Vで15A以上。規則の側は高さ1メートル以上1.5メートル以下・回路2以上・コンセント10以下です。
15という数字が2か所に出ます。刃受の接地工事にも種別があるので、数値の出どころを分けて読みます。令は「15アンペア以上」、規則は「15アンペア125ボルト」のコンセントの定格です。