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消防用設備等の工事着手届とは?対象となる14の設備と期限を整理

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4つとも消防用設備等だよね。どれが届出の対象なの?

全部が対象ってわけじゃないの?

この記事の要点

工事着手の届出とは、甲種消防設備士が工事に着手しようとする日の10日前までに、消防長又は消防署長へ出す届出のことです。

対象は消防法施行令第36条の2第1項が挙げる14の設備だけです。

誘導灯・非常警報設備・非常コンセント設備は、この14に入っていません。

消防用設備等のすべてに届出が要るわけではありません。条文が号で列挙していて、そこに載っているかどうかだけで決まります。

まず、どの条文から来ている決まりなのかを押さえます。

根拠は3つの条文がつながっている

「工事着手の届出」を定めているのは、消防法の本体です。そこから政令へ渡され、政令で設備の名前が並びます。

消防法 第17条の14

甲種消防設備士は、第十七条の五の規定に基づく政令で定める工事をしようとするときは、その工事に着手しようとする日の十日前までに、総務省令で定めるところにより、工事整備対象設備等の種類、工事の場所その他必要な事項を消防長又は消防署長に届け出なければならない。

届出の対象は、政令の列挙で決まる 消防法 第17条の14 着手の10日前までに 届け出る 消防法 第17条の5 政令で定める工事 令 第36条の2第1項 14の設備を列挙 出題は「この14に名前があるか」だけを聞いてくる 消防用設備等であることと、届出が要ることは別
根拠のつながりを示した模式図です。条文の位置関係を図にしたもので、手続の流れを表したものではありません。

この政令が消防法施行令第36条の2第1項です。見出しは「消防設備士でなければ行つてはならない工事又は整備」で、工事着手の届出も、消防設備士の独占工事も、同じ14の設備で決まります。

消防法施行令 第36条の2第1項(設置に係る工事)

一 屋内消火栓設備/二 スプリンクラー設備/三 水噴霧消火設備/四 泡消火設備/五 不活性ガス消火設備/六 ハロゲン化物消火設備/七 粉末消火設備/八 屋外消火栓設備/九 自動火災報知設備/九の二 ガス漏れ火災警報設備/十 消防機関へ通報する火災報知設備/十一 金属製避難はしご(固定式のものに限る。)/十二 救助袋/十三 緩降機

14の内訳は消火8・警報3・避難3

区分 設備
消火設備 一〜八 屋内消火栓/スプリンクラー/水噴霧/泡/不活性ガス/ハロゲン化物/粉末/屋外消火栓
警報設備 九・九の二・十 自動火災報知設備/ガス漏れ火災警報設備/消防機関へ通報する火災報知設備
避難器具 十一〜十三 金属製避難はしご(固定式のものに限る)/救助袋/緩降機
名前が無い 誘導灯/非常警報設備/非常コンセント設備/漏電火災警報器

電気工事の側から出るのは警報設備の3つです。名前に「警報」や「報知」が付いていても、非常警報設備だけは入っていません。

電気工事で関わるのは、14のうち警報設備の3つです。

消火設備8つと避難器具3つは、電気工事の出題では名前を覚えるだけで足ります。

出題は「名前が載っているか」だけを聞く

1級は「定められているもの」、2級は「定められていないもの」を選ばせます。問いの向きが逆なだけで、見るところは同じです。

年度・級・問 問いの向き 答え
平成27年度 1級 No.70 定められているもの 自動火災報知設備
令和元年度 1級 No.69 定められているもの ガス漏れ火災警報設備
平成27年度 2級 No.60 定められていないもの 非常警報設備
平成29年度 2級 No.60 定められていないもの 非常警報設備
平成30年度 2級(後期)No.60 定められていないもの 非常警報設備
令和元年度 2級(後期)No.60 定められていないもの 非常警報設備

2級は4年度とも答えが非常警報設備です。1級で誤りの側に置かれるのも、2年度とも選択肢1の誘導灯でした。名前が挙がっていない設備の顔ぶれは、ほとんど動きません。

例えば、肢に「誘導灯の工事は着手の10日前までに届け出る」とあれば、そこで切れます。誘導灯は令第36条の2第1項に名前がありません。届出が要るのは、そこに挙がっている14の設備だけです。

言い換えると、「条文に名前があるかどうかだけで決まる」ということです。設備の重要さや規模とは関係ありません。

工事と整備で対象が変わる

第36条の2には第2項があり、こちらは整備の規定です。

消防法施行令 第36条の2第2項(整備)

一 前項各号に掲げる消防用設備等/二 消火器/三 漏電火災警報器

消火器と漏電火災警報器は、第2項にだけ名前があります。令和元年度1級No.69の選択肢2は漏電火災警報器で、工事の側の列挙には入っていません。

  • 第1項(工事):14の設備。着工届の対象はここです
  • 第2項(整備):第1項の14に消火器と漏電火災警報器を足したもの。ただし屋内消火栓設備の表示灯の交換など、軽微な整備は除かれます
  • 読み分け:消火器か漏電火災警報器が出てきたら、それは整備の側です

除外される部分も号で違います。第一号から第三号までと第八号は電源・水源・配管を除き、第四号から第七号までと第九号から第十号までは電源を除きます。水源と配管が要る設備だけ、除外の範囲が広くなります。除かれる電源の側は非常電源の容量、届出の対象になる自動火災報知設備そのものは自動火災報知設備の数値で扱っています。

この系統の肢は、次の順に見ます。

  • 設備の名前で引く:名前があるかだけを見ます
  • 警報設備は3つ:自動火災報知・ガス漏れ火災警報・消防機関へ通報する火災報知設備
  • 避難器具は3つ:金属製避難はしご(固定式)・救助袋・緩降機
  • 整備と混ぜない:消火器と漏電火災警報器は整備の側です
  • 問の向きを読む:定められているものか、定められていないものかで答えが反転します

まちがえやすいポイント

4つの肢がすべて消防用設備等です。

誘導灯も非常警報設備も非常コンセント設備も、消防法に定めのある設備です。そこは正しいので、条文の列挙に載っているかだけで分けます。「消防用設備等かどうか」と「届出が要るかどうか」は別の話です。

混同しやすい語

自動火災報知設備と非常警報設備:前者は第九号にあり、後者は列挙にありません。名前が似ていますが扱いが逆です。

ガス漏れ火災警報設備と漏電火災警報器:前者は第1項第九号の二(工事)、後者は第2項第三号(整備)です。

工事と整備:第1項が工事で14の設備、第2項が整備で14+消火器+漏電火災警報器です。

着工届と設置届:着工届は工事に着手しようとする日の10日前まで、設置届は工事が完了した日から4日以内です。

理解度チェック

Q.

工事着手の届出が要る警報設備は何か?

自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、消防機関へ通報する火災報知設備の3つです。

Q.

漏電火災警報器は工事と整備のどちらの側か?

整備の側です。消防法施行令第36条の2第2項第三号に挙がっています。消火器も同じく整備の側です。

Q.

第九号から第十号までの設備で、除かれるのはどの部分か?

電源の部分です。第一号から第三号までと第八号は、電源に加えて水源と配管も除かれます。

Q.

工事着手の届出の対象になる避難器具は何か?

金属製避難はしご(固定式のものに限る)、救助袋、緩降機の3つです。

Q.

届出の義務は、どの条文から来ているか?

消防法第17条の14です。「第十七条の五の規定に基づく政令で定める工事」をしようとするとき、着手の10日前までに届け出るとされ、その政令が消防法施行令第36条の2第1項です。

Q.

2級で4年度とも答えになった設備は何か?

非常警報設備です。2級は「定められていないもの」を選ばせる向きなので、列挙に名前が無いものが答えになります。

まとめ

  • 根拠は法第17条の14 → 法第17条の5 → 令第36条の2第1項とつながる。着手の10日前まで。
  • 対象は令第36条の2第1項の14の設備。内訳は消火設備8・警報設備3・避難器具3
  • 電気工事で出るのは警報設備の3つ。自動火災報知設備・ガス漏れ火災警報設備・消防機関へ通報する火災報知設備。
  • 誘導灯・非常警報設備・非常コンセント設備は列挙にない。2級は4年度とも非常警報設備が答え。
  • 消火器と漏電火災警報器は整備の側(第2項)。工事の列挙には入っていない。
  • 1級は「定められているもの」、2級は「定められていないもの」。問いの向きで答えが反転する。

参考資料

  • 消防法(昭和23年法律第186号)第17条の14(e-Gov法令検索
  • 消防法施行令(昭和36年政令第37号)第36条の2第1項・第2項(e-Gov法令検索
  • 一般財団法人 建設業振興基金 試験研修本部「電気工事施工管理技術検定 問題・正答肢」(公式サイト)1級 平成27年度No.70・令和元年度No.69/2級 平成27年度No.60・平成29年度No.60・平成30年度(後期)No.60・令和元年度(後期)No.60
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