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感知器の名前が似ていて、どれがどれか覚えられない。
差動式と定温式って、何がどう違うの?
この記事の要点
差動式スポット型感知器とは、周囲の温度の上昇率が一定の率以上になったときに火災信号を発信する感知器のことです。
定義文は前半で何を検知するか、後半でどう作動するかを書き分けています。
種別を決めるのは後半です。名前が似ている2つは、前半がまったく同じです。
感知器の定義を問う形は、2級に5年度出ています。示される文は2種類しかなく、一字一句同じものが使い回されます。
まず、定義文がどう組み立てられているかを押さえます。どこに取り付けるかは煙感知器の設置、区域の切り方は警戒区域で扱っています。
温度の何を見るかで、大きく2つに分かれます。
規格省令 第2条第二号・第三号
差動式スポット型感知器 周囲の温度の上昇率が一定の率以上になつたときに火災信号を発信するもので、一局所の熱効果により作動するものをいう。
差動式分布型感知器 周囲の温度の上昇率が一定の率以上になつたときに火災信号を発信するもので、広範囲の熱効果の累積により作動するものをいう。
前半はまったく同じで、一局所か広範囲かだけが違います。
定温式のほうは、上昇率ではなく到達した温度を見ます。
規格省令 第2条第四号・第五号
定温式感知線型感知器 一局所の周囲の温度が一定の温度以上になつたときに火災信号を発信するもので、外観が電線状のものをいう。
定温式スポット型感知器 一局所の周囲の温度が一定の温度以上になつたときに火災信号を発信するもので、外観が電線状以外のものをいう。
ここも前半が同じで、外観が電線状かどうかだけで分かれます。言い換えると、「上昇率なら差動式、一定の温度なら定温式」ということです。
煙の側も同じ作りになっています。
規格省令 第2条第八号・第九号・第十号
イオン化式スポット型感知器 周囲の空気が一定の濃度以上の煙を含むに至つたときに火災信号を発信するもので、一局所の煙によるイオン電流の変化により作動するものをいう。
光電式スポット型感知器 周囲の空気が一定の濃度以上の煙を含むに至つたときに火災信号を発信するもので、一局所の煙による光電素子の受光量の変化により作動するものをいう。
光電式分離型感知器 周囲の空気が一定の濃度以上の煙を含むに至つたときに火災信号を発信するもので、広範囲の煙の累積による光電素子の受光量の変化により作動するものをいう。
煙の側も、前半は3つとも同一です。熱の側と同じで、後半の語だけが違います。
受光量の2つは、一局所か広範囲かで分かれます。
定義文を対にして並べると、違う語は1か所だけです。
| 前半(同じ) | 後半で分かれる種別 |
|---|---|
| 温度の上昇率 | 一局所の熱効果=差動式スポット型/広範囲の熱効果の累積=差動式分布型 |
| 一定の温度以上 | 外観が電線状以外=定温式スポット型/外観が電線状=定温式感知線型 |
| 一定の濃度以上の煙 | イオン電流の変化=イオン化式スポット型/光電素子の受光量の変化=光電式スポット型 |
| 光電素子の受光量 | 一局所=光電式スポット型/広範囲の煙の累積=光電式分離型 |
スポット型は一局所、分布型と分離型は広範囲です。例えば、この対応さえ押さえれば名前から中身が出てきます。
ここで分けた種別ごとに、設置の数値が別々に決まっています。差動式スポット型の下端や、はりの突出の扱いは差動式スポット型の設置にまとめました。
この形は2級に5年度出ています。示される文は2種類しかありません。
| 年度・級・問 | 示された文 | 位置 |
|---|---|---|
| 平成27年度 2級 No.28 | 周囲の温度の上昇率が一定の率以上になったときに火災信号を発信するもの → 差動式スポット型 | 選択肢3 |
| 平成30年度 2級前期 No.28 | (同じ文) | 選択肢2 |
| 令和元年度 2級前期 No.28 | 一局所の周囲の温度が一定の温度以上になったときに火災信号を発信するもので、外観が電線状以外のもの → 定温式スポット型 | 選択肢2 |
| 令和2年度 2級後期 No.28 | (平成27年度と同じ文) | 選択肢4 |
| 令和5年度 2級後期 No.27 | (令和元年度と同じ文) | 選択肢4 |
差動式が3年度、定温式が2年度です。文は一字一句同じで、動くのは肢の並び順だけ。選択肢3・選択肢2・選択肢2・選択肢4・選択肢4と移るので、位置で覚えると外します。
前半だけを示す年度では、対になる分布型や感知線型が選択肢に置かれていません。だから前半だけでも答えが1つに決まります。
受信機や発信機の側はP型2級受信機とP型発信機、設備全体の数値は自動火災報知設備の数値にまとめました。
混同しやすい語
上昇率と一定の温度:上がり方を見るのが差動式、到達点を見るのが定温式です。
スポット型と分布型:一局所か広範囲の累積かで分かれます。
スポット型と感知線型:外観が電線状以外か電線状かで分かれます。
イオン化式と光電式:イオン電流の変化か、光電素子の受光量の変化かです。
補償式と熱複合式:差動式と定温式の性能を併せもち、火災信号が一つなら補償式、二以上なら熱複合式です。
この論点は、次の順に確かめます。
選択肢に対になる型が無ければ、前半だけで答えが決まります。
この系統の文は、次の順に見ます。
周囲の温度の上昇率が一定の率以上になったときに火災信号を発信するのはどの感知器か?
差動式です。一局所の熱効果ならスポット型、広範囲の熱効果の累積なら分布型になります。
定温式スポット型と定温式感知線型は何で分かれるか?
外観です。電線状以外がスポット型、電線状が感知線型です。
イオン化式スポット型と光電式スポット型は何で分かれるか?
作動のしかたです。イオン電流の変化か、光電素子の受光量の変化かで分かれます。
補償式スポット型感知器はどういうものか?
差動式スポット型と定温式スポット型の性能を併せもち、一つの火災信号を発信するものです。
この用語が問われた過去問
参考資料
※ この記事の出題の確認日:2026年8月
まちがえやすいポイント
前半だけでは種別が1つに決まりません。
「温度の上昇率が一定の率以上」に当てはまるのは差動式スポット型と差動式分布型の両方です。5年度とも、対になるほうの種別は選択肢に入っていませんでした。
令和5年度は「外観が電線状以外」まで示されているので、定温式感知線型と区別できます。後半まで書いてある年度は、そこが答えを決める場所です。