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発信機までの歩行距離は50mか25mか?25mは別の装置の数値

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25mと50mが両方出てくるけど、発信機はどっち?

25mのほうは、何の数値なの?

この記事の要点

発信機とは、火災信号を受信機に手動により発信するもののことです。

発信機までは歩行距離50メートル以下です。

25メートルは地区音響装置の数値です。

発信機は、火災に気づいた人が押して知らせる装置です。

感知器が自動で検知するのに対し、こちらは人の操作が前提になります。

発信機は手動で火災信号を発信する

規格省令に定義が置かれています。

火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令 第2条第二十号・第二十一号

発信機 火災信号を受信機に手動により発信するものをいう。

P型発信機 各発信機に共通又は固有の火災信号を受信機に手動により発信するもので、発信と同時に通話することができないものをいう。

条文の要は手動という一語です

歩行距離は50メートル以下

設置の規定は5つに分かれます。

消防法施行規則 第24条第八号の二

イ 各階ごとに、その階の各部分から一の発信機までの歩行距離が五十メートル以下となるように設けること。

ロ 床面からの高さが〇・八メートル以上一・五メートル以下の箇所に設けること。

ハ 発信機の直近の箇所に表示灯を設けること。

ニ 表示灯は、赤色の灯火で、取付け面と十五度以上の角度となる方向に沿つて十メートル離れたところから点灯していることが容易に識別できるものであること。

ホ P型一級受信機、GP型一級受信機、R型受信機及びGR型受信機に接続するものはP型一級発信機とし、P型二級受信機及びGP型二級受信機に接続するものはP型二級発信機とすること。

受信機の級に合わせて発信機の級も決まります。言い換えると、「一級には一級、二級には二級をつなぐ」ということです。

25メートルは地区音響装置の数値

平成30年度は、この50メートルを25メートルにしています。

平成30年度 2級 学科試験(後期)No.28 選択肢2(公表正答2)

各階ごとに、その階の各部分から一の発信機までの歩行距離が25メートル以下となるように設けること。

装置 距離 距離の種類
発信機 50メートル以下 歩行距離
地区音響装置 25メートル以下 水平距離

距離の種類まで違います。例えば、25メートルという数字を見たら地区音響装置の規定かどうかを確かめます。

その地区音響装置の25メートルも、別の年度で狂わされています。

平成27年度 1級 学科試験No.64 選択肢3(公表正答3)

一の地区音響装置までの水平距離は、その階の各部分から最大で30メートルとなるように設置した。

正しくは水平距離25メートル以下です。同じ25メートルが、平成29年度2級学科試験No.29では正しい側に置かれました(公表正答4は配線の種類の肢)。

発信機の50メートルと地区音響装置の25メートルは、互いの数値を借りて誤りが作られます。どちらの装置の話かを先に読みます。

表示灯の15度と10メートルは2年度とも正しい側

条文のニに置かれた表示灯の規定は、狂わされずにそのまま出ています。

  • 平成27年度 1級 学科試験No.64 選択肢2(公表正答3) 発信機の表示灯は、取付け面と15度以上の角度となる方向に沿って10メートル離れたところから点灯していることが容易に識別できるように設置した
  • 令和7年度 1級 第一次検定No.73 選択肢2(公表正答3) 発信機の直近に設ける表示灯は、取付け面と15度以上の角度となる方向に沿って10メートル離れたところから、点灯していることが容易に識別できるところに設置した

2年度とも同じ問の別の肢が答えでした。平成27年度は地区音響装置の30メートル、令和7年度はP型受信機の感知器回路の抵抗です。

平成25年度1級学科試験No.40では、P型一級発信機の「受信機との間で相互に電話連絡をすることができる装置を有すること」も正しい側に置かれています(公表正答3は配線の地絡の肢)。

令和4年度は役割を書き換える

2年度目は、発信機の役割そのものを狂わせています。

令和4年度 2級 第一次検定(後期)No.27 選択肢4(公表正答4)

火災信号を受け、受信機に自動的に発信することができること。

条文は「火災信号を受信機に手動により発信する」なので、受けるのでも自動でもありません。この年度の選択肢1は歩行距離50メートル以下で、正しい側でした。

2年度で歩行距離が入れ替わる

同じ論点が、年度によって答えと正しい側に分かれます。

論点 平成30年度 2級(後期)No.28 令和4年度 2級(後期)No.27
歩行距離 25メートル(答え) 50メートル以下(正しい側)
床面からの高さ 0.8m以上1.5m以下(正しい側) 0.8m以上1.5m以下(正しい側)
電話連絡 正しい側 正しい側
発信のしかた 直近に赤色の表示灯(正しい側) 受けて自動的に発信(答え)

床面からの高さと電話連絡は、2年度とも正しい側に置かれています

まちがえやすいポイント

0.8メートル以上1.5メートル以下は受信機の操作スイッチと同じ範囲です。

発信機は第24条第八号の二ロ、受信機の操作スイッチは同条第二号ロに書かれています。条文の場所は違いますが値は同じです。

また、表示灯の15度以上と10メートルは、屋内消火栓箱の赤色の灯火にも同じ形の規定があります。数値が同じでも設備が違えば別の条文です。

混同しやすい数値

50メートルと25メートル:発信機は歩行距離50メートル、地区音響装置は水平距離25メートルです。

歩行距離と水平距離:歩行距離は実際に歩く道のり、水平距離は直線の距離です。

15度と10メートル:表示灯を識別できる角度と距離で、セットの規定です。

一級と二級:P型一級受信機にはP型一級発信機、P型二級受信機にはP型二級発信機をつなぎます。

過去問でどう問われたか

発信機を正面から問う形は2級で2年度、条文の規定が別の設問の肢として出た形は1級で3年度あります。

  • 歩行距離50メートル:平成30年度2級(後期)で25メートルに狂わされ、令和4年度2級(後期)では正しい側
  • 手動により発信:令和4年度2級(後期)で「受けて自動的に発信」に書き換えられた
  • 表示灯の15度・10メートル:平成27年度1級・令和7年度1級とも正しい側
  • 電話連絡の装置:平成25年度1級で正しい側
  • 地区音響装置の25メートル:平成27年度1級で30メートルに狂わされ、平成29年度2級では正しい側

この論点は、次の順に確かめます。

  • 1つ目 距離が出たら、発信機なら歩行距離50メートル以下です。
  • 2つ目 役割の記述なら、手動により発信するかを見ます。
  • 3つ目 高さ0.8メートル以上1.5メートル以下と電話連絡は正しい側です。

数値と役割のどちらを狂わせているかで、見る場所が変わります。

どこを確認すれば読み分けられるか

この系統の肢は、次の順に見ます。

  • 装置の名前を先に読む:発信機か地区音響装置かで距離が変わります。
  • 距離の種類を見る:歩行距離か水平距離かも違います。
  • 手動という語を探す:自動と書いてあれば感知器の役割です。
  • 高さの肢は飛ばす:0.8メートル以上1.5メートル以下は正しい側です。
  • 級の対応を見る:一級受信機には一級発信機です。

理解度チェック

Q.

各階の各部分から一の発信機までの距離はいくつ以下か?

歩行距離50メートル以下です。地区音響装置の水平距離25メートル以下とは別の規定です。

Q.

発信機はどのように火災信号を発信するか?

手動により発信します。火災信号を受けて自動的に発信するのは発信機の役割ではありません。

Q.

発信機の表示灯はどのような条件を満たすか?

赤色の灯火で、取付け面と15度以上の角度となる方向に沿って10メートル離れたところから識別できることです。

Q.

P型一級受信機には、どの級の発信機を接続するか?

P型一級発信機です。P型二級受信機にはP型二級発信機を接続します。

まとめ

  • 発信機までは歩行距離50メートル以下で、25メートルは地区音響装置の水平距離。
  • 発信機は火災信号を受信機に手動により発信するもの。
  • 床面からの高さは0.8メートル以上1.5メートル以下で、受信機の操作スイッチと同じ範囲。
  • 表示灯は赤色で15度以上・10メートル離れたところから識別できること。

参考資料

  • 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第24条第八号の二イからホまで/第二号ロ/第五号ニ(e-Gov法令検索
  • 火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令(昭和56年自治省令第17号)第2条第二十号・第二十一号(e-Gov法令検索
  • 一般財団法人 建設業振興基金 試験研修本部「1級電気工事施工管理技術検定 問題・正答肢」(公式サイト)平成25年度・平成27年度・令和7年度
  • 同「2級電気工事施工管理技術検定 問題・正答肢」平成29年度・平成30年度(後期)・令和4年度(後期)
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