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UVRは不足電圧か過電圧か?略号の訳を1つだけ差し替える出題

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略号と訳が4組並ぶと、どれも合ってるように見える。

UVRとかDGRって、頭文字だけで分かるものなの?

この記事の要点

JEMの文字記号とは、配電盤・制御盤・制御装置や遮断器を、日本電機工業会規格に沿ってアルファベットで表したもののことです。

出題は4組を並べ、そのうち1組だけ訳を差し替えて誤りを作ります。

差し替えられた訳は、ほとんどが別の略号の訳です。同じ問題や別の年度に、本来の組合せがそのまま置かれています。

JEMの文字記号は、1級・2級を通じて繰り返し出ています。

問われ方は「文字記号と用語の組合せとして誤っているものはどれか」が中心です。並ぶ4組のうち、誤りは1組だけです。ただし「不適当なものはどれか」と聞く年度(令和7年度2級前期)と、1つの略号について正しい訳を選ばせる年度(令和4年度2級前期)もあります。

訳が入れ替えられる略号

これまでに誤りにされた略号と、正しい側で置かれた訳を並べます。

略号 正しい側に置かれた訳 誤りにされたときの訳
UVR 不足電圧継電器 過電圧継電器
DGR 地絡方向継電器 短絡方向継電器
ZCT 零相変流器 零相計器用変圧器
GCB ガス遮断器 磁気遮断器
PGS (正しい訳を置いた選択肢は出ていない) 柱上真空開閉器ガス遮断器

MCCBもここに入ります。令和7年度2級前期No.36の選択肢3で、配線用遮断器ではなく磁気遮断器と当てられて誤りになりました(公表正答は選択肢3)。磁気遮断器はMCCBではありません。

一方、次の組合せは正しい側でしか出ていません。読み飛ばして構いません。

  • RPR 逆電力継電器
  • OCR 過電流継電器
  • MS 電磁開閉器
  • ELCB 漏電遮断器/VCB 真空遮断器

差し替えられた訳は、別の略号のもの

誤りの選択肢に置かれた訳は、でたらめな言葉ではありません。ほとんどが、同じ分野の別の略号に付く訳です。

平成28年度 1級 No.57 選択肢4(正答肢)/令和6年度 1級 第一次 No.53 選択肢1(正答肢)

UVR 過電圧継電器(平成28年度)

DGR 短絡方向継電器(令和6年度)

UVRの正しい訳は不足電圧継電器で、令和元年度・令和4年度・令和6年度の3年度で正しい側に置かれています。DGRの地絡方向継電器も、平成28年度・令和元年度で正しい側でした。

言い換えると、「誤りの訳も、どこかの年度では正しい側に出ている」ということです。略号と訳を1対1で覚えるより、入れ替えの相手を知るほうが早く決まります。

例えば、令和6年度1級No.53を見ます。並んだのはDGR・RPR・OCR・UVRの4組で、このうちDGRに短絡方向継電器が当てられていました。残る3組はすべて正しい訳で、UVRも不足電圧継電器のままです。

同じ4組が平成28年度1級No.57にも並びました。このときはRPR・DGR・OCRが正しく、UVRだけが過電圧継電器に差し替えられています。同じ顔ぶれの中で、差し替える先だけを年度ごとに変えているということです。

PGSに当てられた訳は、どちらも他の略号のもの

PGSは2年度に出て、いずれも誤りにされました。

平成30年度 2級後期 No.39 選択肢2(正答肢)/令和4年度 1級 第一次 No.56 選択肢3(正答肢)

PGS 柱上真空開閉器(平成30年度)

PGS ガス遮断器(令和4年度)

この2つの訳には、それぞれ本来の略号があります。

  • ガス遮断器はGCB。令和元年度1級No.57の選択肢4で正しい側に置かれています
  • 真空が付く遮断器はVCB。平成27年度2級No.39の選択肢1で「VCB 真空遮断器」が正しい側です

つまりPGSに当てられた訳は、どちらも他の略号のものです。PGSそのものの訳を覚えていなくても、並んだ訳が別の略号に付くと分かれば決まります。

当てられた訳の行き先を探す PGS 柱上真空開閉器(平成30年度) ガス遮断器(令和4年度) 真空 → VCB ガス遮断器 → GCB
訳の行き先をつかむための模式図です。機器の構造や用途を表したものではありません。正しいのは、PGSに当てられた2つの訳がそれぞれVCB・GCBに付くという点です。

まちがえやすいポイント

4組のうち3組は、毎回そのまま正しい側です。

RPR・OCR・MS・ELCB・VCBは、どの年度でも訳を差し替えられていません。並んでいたら読み飛ばせます。

見るのはUVR・DGR・ZCT・GCB・PGS・MCCBの6つです。このどれかが出てきた組を先に読みます。

混同しやすい語

UVRとOVR:UVRのUはUnderで不足電圧、過電圧のほうはOVRです。過電圧継電器と書いた選択肢は誤りにされました。

DGRとDSR:DGRは地絡方向継電器、DSRは短絡方向です。系統連系の側での並び方は系統連系用保護装置の略記号の記事にまとめました。

ZCTとZPD:ZCTは零相変流器で電流を取ります。零相電圧を取るほうは別の機器です。計器用変成器の記事で扱っています。

GCBとVCBとMBB:ガス遮断器がGCB、真空遮断器がVCB、磁気遮断器はまた別の略号です。主遮断装置の組み方は主遮断装置の記事にあります。

地絡方向継電器の中身:零相電圧と零相電流の位相差を見るしくみは地絡方向継電器の記事で扱っています。

解列と保護リレー:分散型電源を切り離す事由は解列と保護リレーの記事にまとめました。

過去問でどう問われたか

年度ごとに、誤りにされた組を並べます。

年度・級・問 誤りにされた組 正答肢
平成27年度 2級 No.39 GCB 磁気遮断器 選択肢2
平成28年度 1級 学科 No.57 UVR 過電圧継電器 選択肢4
平成30年度 2級後期 No.39 PGS 柱上真空開閉器 選択肢2
令和元年度 1級 学科 No.57 ZCT 零相計器用変圧器 選択肢2
令和4年度 1級 第一次 No.56 PGS ガス遮断器 選択肢3
令和6年度 1級 第一次 No.53 DGR 短絡方向継電器 選択肢1

令和7年度2級前期No.36は「不適当なものはどれか」と聞く形で、遮断器の4組(VCB・GCB・MCCB・ELCB)が並びました。誤りはMCCB 磁気遮断器で、公表正答は選択肢3です。

令和4年度2級前期No.38だけは形が違います。4組を並べるのではなく、ELCBという1つの文字記号について、正しい用語を4つの中から選ばせます。並んだのは配線用遮断器・磁気遮断器・漏電遮断器・電磁接触器で、公表正答は選択肢3の漏電遮断器です。訳を差し替える形ではないので、この年度だけ誤りの組がありません。

上の6年度に共通するのは、次の3つです。

  • 誤りは1組だけで、残る3組は正しい
  • 正答肢の位置は1・2・3・4と動く
  • 1級は継電器・制御装置、2級は遮断器を題材にすることが多い

理解度チェック

Q.

UVRの正しい訳は?

不足電圧継電器です。令和元年度・令和4年度・令和6年度の3年度で正しい側に置かれています。過電圧継電器と書いた平成28年度の選択肢が誤りでした。

Q.

PGSに「ガス遮断器」と当てた選択肢が誤りになるのはなぜか?

ガス遮断器はGCBだからです。令和元年度1級No.57の選択肢4で「GCB ガス遮断器」が正しい側に置かれています。

Q.

ZCTはどちらか。零相変流器か、零相計器用変圧器か。

零相変流器です。CTはCurrent Transformerで電流を取ります。令和元年度は零相計器用変圧器と当てられて誤りになりました。

Q.

毎回そのまま正しい側で出る組合せは?

RPR(逆電力継電器)、OCR(過電流継電器)、MS(電磁開閉器)、ELCB(漏電遮断器)、VCB(真空遮断器)です。MCCBは令和7年度2級前期で磁気遮断器と当てられて誤りになったので、この仲間には入りません。

まとめ

  • 出題は4組のうち1組だけ訳を差し替える。残る3組は正しい。
  • 差し替えられた訳は、別の略号に付く訳であることが多い。
  • UVRは不足電圧継電器、DGRは地絡方向継電器、ZCTは零相変流器、GCBはガス遮断器。
  • PGSに当てられた2つの訳は、真空がVCB、ガス遮断器がGCBに付く。
  • 見るのはUVR・DGR・ZCT・GCB・PGS・MCCBの6つ。ほかは読み飛ばせる。
  • 正答肢の位置は動く。中身で探す。

参考資料

  • 一般財団法人 建設業振興基金 試験研修本部「電気工事施工管理技術検定 問題・正答肢」(公式サイト)平成27年度2級・平成28年度1級・平成30年度2級(後期)・令和元年度1級・令和4年度1級・令和4年度2級(前期)・令和6年度1級・令和7年度2級(前期)
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