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キュービクルの問題で、CB形とPF・S形がよく出てくるよね。
名前は覚えたけど、どっちを選ぶの?
この記事の要点
主遮断装置とは、キュービクルの受電用遮断装置として、過負荷電流や短絡電流が生じたときに自動的に電路を遮断する能力をもつもののことです。この装置に何を使うかで形式の名前が変わります。
CB形は遮断器を使う形式、PF・S形は限流ヒューズと高圧交流負荷開閉器を組み合わせる形式です。
使い分けの決め手は受電設備容量の限度で、CB形が4000kV・A以下、PF・S形が300kV・A以下です。
キュービクルの規定は、ほとんどが数値の限度で書かれています。
だから覚えるべきは装置の見た目ではなく、どの数値がどこに掛かるかです。
まず装置そのものの定義です。
JIS C 4620:2018 キュービクル式高圧受電設備 3.6(主遮断装置)
キュービクルの受電用遮断装置として用いるもので、電路に過負荷電流、短絡電流などが生じたとき、自動的に電路を遮断する能力をもつもの。
言い換えると、「異常な電流が来たら自分で切る、受電の入口の装置」ということです。
その中身の違いで、形式が2つに分かれます。
JIS C 4620:2018 3.7(CB形)/3.8(PF・S形)
CB形 主遮断装置として遮断器(CB)を用いる形式のもの。
PF・S形 主遮断装置として高圧限流ヒューズ(PF)(以下、限流ヒューズという。)と高圧交流負荷開閉器(LBS)とを組み合わせて用いる形式のもの。
PF・S形は「ヒューズ+開閉器」の2つで1つの役目を果たします。名前の並びがそのまま構成です。
形式ごとに上限が決まっています。
| 主遮断装置の形式 | 受電設備容量の限度 | 構成 |
|---|---|---|
| CB形 | 4000kV・A以下 | 遮断器(CB) |
| PF・S形 | 300kV・A以下 | 限流ヒューズ(PF)+高圧交流負荷開閉器(LBS) |
例えば、受電設備容量が1000kV・Aの需要家であれば、PF・S形の限度を超えるのでCB形になります。
この300という数字は、別の場所にも出てきます。
JIS C 4620:2018 7.3.7 c)(変圧器の一次側の開閉装置)
変圧器の一次側に開閉装置を設ける場合は、遮断器、高圧交流負荷開閉器又はこれらと同等以上の開閉性能をもつものを用いる。ただし、変圧器容量が300 kVA以下の場合は、高圧カットアウトを使用することができる。
こちらは変圧器1台ごとの容量です。受電設備全体の容量と混ざりやすいので、どちらの300かを区別します。
主遮断装置の周りには、決まった顔ぶれの機器が並びます。
継電器がどの量を見るかは保護継電方式で分かれます。CB形は継電器が見つけて遮断器が切る組み合わせですが、PF・S形は限流ヒューズ自体が大電流で溶けて切るので、短絡の保護に継電器を必要としません。
キュービクルの問題は、この種の限度をずらして出してきます。
| 何の限度か | 数値 | JISの項 |
|---|---|---|
| 受電設備容量(CB形) | 4000kV・A以下 | 表1 |
| 受電設備容量(PF・S形) | 300kV・A以下 | 表1 |
| 高圧カットアウトを使える変圧器容量 | 300kV・A以下 | 7.3.7 c) |
| 一つの開閉装置に接続する進相コンデンサ | 300kvar以下(自動力率調整は200kvar以下) | 7.3.8 c) |
| 引込口・引出口のすき間をふさぐプレート | 金属製は1.6mm以上/不燃性・難燃性の材料は3mm以上 | 7.2 g) |
断路器の省略にも条件が付いています。
JIS C 4620:2018 7.3.11 a)(引出口)
引出口には、断路器及び遮断器、又は限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器を設ける。ただし、引出し形遮断器を使用する場合は、断路器を省略することができる。
混同しやすい語
受電設備容量と変圧器容量:どちらにも300という数値が出ます。受電設備容量300kV・A以下はPF・S形の限度、変圧器容量300kV・A以下は高圧カットアウトを使える条件です。
300kvarと200kvar:一つの開閉装置に接続する進相コンデンサは300kvar以下ですが、自動力率調整を行う開閉装置では200kvar以下になります。
1.6mmと3mm:引込口をふさぐプレートは、金属製なら1.6mm以上、不燃性又は難燃性の材料なら3mm以上です。材質とセットの数値です。
1級では、この規格から数値を1つずらす形が繰り返されています。引っかけは大きく3つです。
| 年度・級・問 | 問われ方 | 誤りとされた記述 |
|---|---|---|
| 令和8年度 1級 第一次検定 No.30 | JIS上、誤っているものはどれか | 引込口・引出口のすき間を厚さ2mmの合成樹脂製のプレートでふさぐ ←① |
| 令和5年度 1級 第一次検定 No.33 | JIS上、不適当なものはどれか | 変圧器容量500kV・Aで一次側に高圧カットアウトを使用する ←② |
令和8年度で正しくは、合成樹脂は金属ではないので3mm以上が要ります。2mmでは足りません。
令和5年度で正しくは、高圧カットアウトを使えるのは変圧器容量300kV・A以下までです。500kV・Aでは使えません。
なお令和5年度の同じ問では、CB形の主遮断装置を遮断器と過電流継電器の組合せとする記述と、引出し形遮断器で断路器を省略する記述は、どちらも正しい肢に置かれていました。
③の型は令和4年度 1級 第一次検定 No.32で出ました。「主遮断装置の形式がCB形の場合、受電設備容量は5000kV・A以下である」が誤りで、公表正答は選択肢2です。同じ問の選択肢1「PF・S形の場合、受電設備容量は300kV・A以下である」は正しい側でした。
受電設備容量の2つの数値をまとめて聞いた年度もあります。平成27年度 1級 学科試験 No.32は「主遮断装置の形式(CB形、PF・S形)に適用される受電設備容量として、JIS上、定められているもの」を選ばせる形で、公表正答は選択肢3の「CB形 4000kV・A以下/PF・S形 300kV・A以下」です。この記事の2つの数値が、そのまま答えとして公表されています。
そのほか平成30年度 1級 学科試験 No.32(選択肢1・2)と令和6年度 2級 第一次検定(後期)No.22(選択肢2・4)でも、4000kV・A以下と300kV・A以下が正しい側に置かれました。4年度で同じ2つの数値が繰り返し確かめられています。
300という数字が3か所に出ます。受電設備容量・変圧器容量・進相コンデンサのどれかを毎回確かめます。
キュービクルの肢を読むときは、次の順に見ます。
CB形とPF・S形は、主遮断装置に何を用いる形式か?
CB形は遮断器(CB)を用いる形式です。PF・S形は高圧限流ヒューズ(PF)と高圧交流負荷開閉器(LBS)とを組み合わせて用いる形式です。
受電設備容量の限度は、それぞれいくつか?
CB形が4000kV・A以下、PF・S形が300kV・A以下です。
変圧器の一次側に高圧カットアウトを使えるのは、変圧器容量がいくつまでか?
300kV・A以下です。それを超える場合は、遮断器や高圧交流負荷開閉器などを用います。
参考資料
※ この記事の規格・出題の確認日:2026年8月
まちがえやすいポイント
PF・S形を「小さい設備向けの簡易な形式」とだけ覚えると、数値を聞かれたときに答えられません。
限度は受電設備容量300kV・A以下という具体的な数字で決まっています。CB形の4000kV・A以下とセットで押さえます。