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4つの機器が並ぶだけの問って、迷うと決められないんだよね。
答えになる肢って、だいたい決まってるの?
この記事の要点
短絡容量とは、系統が短絡したときに流れる電流の大きさを容量で表したもののことです。
減らす手は2つだけです。電流を流れにくくするか、つながりを断つか。
正しい肢は全部このどちらかに入ります。どちらにも入らない機器が並んだら、そこが答えです。
短絡容量の軽減対策は、1級に4年度分あります。問の題は年度によって軽減対策と抑制対策で変わりますが、並ぶ肢はほぼ同じです。
機器名を覚えるより、対策の型で読むほうが早く決まります。まず、その型を押さえます。
流れにくくする側は、変圧器を高インピーダンスのものにするか、限流リアクトルを直列に入れます。つながりを断つ側は、母線を分割するか、系統そのものを分けます。
短絡容量は、その地点で短絡が起きたときに流れ込める電力の大きさです。これを減らしたいのは、遮断器に求める遮断容量を抑えるためです。
流れ込む量を減らすなら、やれることは2つです。
出題に並ぶ正しい肢は、全部このどちらかに入ります。
| 型 | 出題に並んだ対策 | 扱い |
|---|---|---|
| 電流を流れにくくする | 高インピーダンスの変圧器を採用する/限流リアクトルを設置する | 正しい |
| つながりを断つ | 変電所の母線を分割する(分離する)/上位電圧の系統を導入し既設系統を分割する/直流連系により交流系統を分割する | 正しい |
| どちらでもない | 電力用コンデンサを設置する | 答え |
| 向きが逆 | 低インピーダンスの変圧器を採用する | 答え |
電力用コンデンサは、系統の無効電力を調整する機器です。電流を流れにくくする働きも、系統を分ける働きもありません。だからこの2つの型のどちらにも入らず、並べば答えになります。
短絡容量は、事故が起きたときに流れる電流の大きさを表します。この値が大きいほど、主遮断装置には大きな遮断容量が要ります。
減らす手当ては、次の2つの向きに分かれます。
4年度分の出題で答えになった肢は、2つしかありません。
| 年度・級・問 | 答えになった肢 | 肢の位置 |
|---|---|---|
| 平成26年度 1級 No.12 | 電力用コンデンサを設置する | 選択肢2 |
| 平成29年度 1級 No.12 | 送電線に電力用コンデンサを設置する | 選択肢2 |
| 令和3年度 1級 No.11 | 電力用コンデンサを設置する | 選択肢4 |
| 令和6年度 1級 No.9 | 低インピーダンスの変圧器を採用する | 選択肢4 |
平成29年度に「送電線に」が付くほかは、同じ文です。コンデンサが並んでいたら、そこが答えです。
令和6年度だけコンデンサの肢がなく、代わりに変圧器の修飾語が裏返されました。他の3年度では選択肢1に「高インピーダンスの変圧器を採用する」が置かれ、いずれも正しい側です。高と低を入れ替えるだけで、答えになります。
例えば、肢に「電力用コンデンサを設置する」とあれば、そこで切れます。電力用コンデンサは無効電力を調整して電圧を保つ機器で、短絡容量を減らす向きの手当てではありません。
言い換えると、「流れにくくするか、つながりを断つか。この2つの型に当てはまらなければ答え」ということです。機器の名前を覚えるより、その機器が何をしているかで分けます。
なぜ高いほうが軽減対策になるのか。それは別の年度の問に書かれています。
令和8年度 1級 No.17 選択肢1(誤りの側)
系統のインピーダンスが小さくなることにより、短絡容量が減少し遮断器の遮断器容量が低減できる。
この肢が誤りなので、インピーダンスが小さくなると短絡容量は増える側だと確定します。だからインピーダンスを高くすれば短絡容量は減ります。変圧器の肢は、高いか低いかだけで判断できます。
限流リアクトルも、名前のとおり電流を制限するものです。インピーダンスを足して流れにくくするという点で、高インピーダンスの変圧器と同じ型に入ります。だから4年度すべてに並んで、一度も誤りにされていません。
系統を分ける側も理屈は同じです。短絡した点へ電力を送り込める経路が減れば、流れ込む量も減ります。母線を分けるか、系統そのものを分けるかの違いだけで、どちらも正しい側でした。母線の分け方は母線結線方式で扱っています。
同じ「大きな系統から受電する」でも、電圧フリッカの対策としては正しい側に置かれます。フリッカは電源が強いほど起きにくいからです。高調波の抑制でも同じ向きになります。
短絡容量は、別の主題では逆向きで出てきます。
電圧フリッカの側は、1級No.27で3年度出ています。平成27年度は選択肢1の「変動負荷を短絡容量の小さい電源系統に接続する」が答えでした。平成30年度の選択肢4「発生源への供給を短絡容量の大きい電源系統から行う」と、令和5年度の選択肢1「発生源への電力供給を短絡容量の大きな電源系統に変更する」は、どちらも正しい側です。小さいと書けば誤り、大きいと書けば正しい側という向きが3年度で揃っています。
同じ語でも、主題によって望ましい向きが反対になります。短絡容量が大きい系統はインピーダンスが小さく、電圧が動きにくい。だから高調波にもフリッカにも強い。いっぽう短絡電流も大きくなるので、遮断器の側からは減らしたい。問の題を先に読めば決まります。向きの理屈は配電系統の高調波と電圧フリッカにまとめました。
この系統の肢は、次の順に見ます。
混同しやすい語
限流リアクトルと電力用コンデンサ:リアクトルは電流を流れにくくする側、コンデンサは無効電力を調整する側です。短絡容量の軽減に効くのはリアクトルだけです。
高インピーダンスと低インピーダンス:短絡容量を減らしたいなら高いほうです。低と書いてあれば答えです。
母線の分割と系統の分割:分ける場所が違うだけで、どちらも正しい側です。
軽減対策と抑制対策:問の題は年度で変わりますが、並ぶ肢はほぼ同じです。
短絡容量を減らす手は何通りあるか?
2つです。電流を流れにくくする(高インピーダンスの変圧器・限流リアクトル)か、つながりを断つ(母線の分割・系統の分割)か。正しい肢は全部このどちらかに入ります。
なぜ電力用コンデンサが答えになるのか?
無効電力を調整する機器だからです。電流を流れにくくする働きも、系統を分ける働きもありません。2つの型のどちらにも入らないので、並べば答えになります。3年度とも答えでした。
変圧器はどちらの向きが正しい側か?
高インピーダンスの変圧器です。3年度とも選択肢1に置かれています。
4年度すべてに出て正しい側だった機器は何か?
限流リアクトルです。平成26年度から令和3年度までは選択肢3で固定でした。
高調波の対策では短絡容量をどうする側が正しいか?
大きな系統から受電する側です。この記事の主題とは向きが反対になります。
この用語が問われた過去問
参考資料
※ この記事の出題の確認日:2026年8月
まちがえやすいポイント
正しい対策は2つの型しかありません。
電流を流れにくくするか、つながりを断つか。高インピーダンスの変圧器・限流リアクトル・母線の分割・系統の分割は、全部このどちらかです。電力用コンデンサは無効電力を調整する機器なので、どちらにも入りません。この型で読めば、機器名を覚えていなくても決まります。