電気工事施工管理技士 独学ガイド|資格のT

  1. HOME
  2. 電気設備
  3. > 系統連系用保護装置の略記号

特別高圧連系の保護リレーとは?略記号と検出する異常の対応を整理

T

T

OVGRとOCGRって1文字違いで、訳も似てるよね。

過電圧なの?過電流なの?

この記事の要点

系統連系用保護装置の略記号とは、分散型電源を電力系統につなぐときに置く保護リレーを、アルファベットで表したもののことです。

どのリレーで何を検出するかは、電気設備の技術基準の解釈 第231条が231-1表・231-2表で定めています。系統側の地絡事故を検出するのは地絡過電圧リレーです。

出題は、この対応のうち略記号のV(Voltage=電圧)とC(Current=電流)を入れ替えて誤りを作ります。

特別高圧連系時の系統連系用保護装置の略記号は、1級で3年度に出ています。

4つの組合せが並び、うち3つは毎回まったく同じ文です。狙われるのは最後の1つだけです。

特別高圧連系の保護リレーとは何か

分散型電源を特別高圧の系統につなぐとき、異常があれば自動で切り離す装置が要ります。その根拠が解釈第231条です。

電気設備の技術基準の解釈 第231条第1項【特別高圧連系時の系統連系用保護装置】(抜粋)

特別高圧の電力系統に分散型電源を連系する場合(スポットネットワーク受電方式で連系する場合を除く。)は、次の各号により、異常時に分散型電源を自動的に解列するための装置を施設すること。

一 次に掲げる異常を保護リレー等により検出し、分散型電源を自動的に解列すること。

 イ 分散型電源の異常又は故障

 ロ 連系している電力系統の短絡事故又は地絡事故。ただし、電力系統側の再閉路の方式等により、分散型電源を解列する必要がない場合を除く。

三 保護リレー等は、次によること。

 イ 231-1表に規定する保護リレーを受電点その他故障の検出が可能な場所に設置すること。

231-1表が、検出する異常とリレーの種類を対応づけています。出題の4つの組合せは、この表と231-2表に出てくるリレーで作られています。

検出する異常 保護リレーの種類 略記号 解釈のどこに載っているか
系統側短絡事故 短絡方向リレー DSR 231-1表
単独運転 逆電力リレー RPR 231-2表(設置相数2)
周波数の低下 周波数低下リレー UFR 231-2表(設置相数1)
系統側地絡事故 地絡過電圧リレー OVGR 231-1表

231-1表に地絡過電流リレーは載っていません。特別高圧連系で系統側の地絡事故を受け持つのは、地絡過電圧リレーのほうです。

入れ替えられるのは略記号のVとC

出題は3年度とも、選択肢1から選択肢3までを同じ文にしています。位置まで変えていません。

  • 選択肢1 DSR = 短絡方向
  • 選択肢2 RPR = 逆電力
  • 選択肢3 UFR = 周波数低下

答えになるのは、いつも選択肢4です。そこだけを見れば済みます。

令和元年度 1級 No.34/令和3年度 1級 No.34/令和8年度 1級 No.31(いずれも選択肢4)

令和元年度と令和8年度は「OVGR = 地絡過電流」。一字一句同じです。

令和3年度は「OCGR = 地絡過電圧」。略記号のほうをOCGRに変え、訳を地絡過電圧に入れ替えました。

どちらの向きでも、やっていることは同じです。略記号のVとCが、訳の「電圧」「電流」と食い違うように組んであります。

言い換えると、「選択肢1から選択肢3は読まなくてよく、選択肢4のVとCだけを訳と突き合わせればよい」ということです。

略記号の1文字と、訳の1語を突き合わせる O V G R V = Voltage = 電圧 O C G R C = Current = 電流 地絡過電圧 地絡過電流 この2本のように交差させた肢が、その年度の答え
略記号と訳の対応をつかむための模式図です。リレーの動作原理を表したものではありません。正しいのは、VとVoltage、CとCurrentが素直につながっているという点です。

OVGRの訳は別の問題に実在する

OVGRが何を指すかは、太陽光発電設備の施工を問う年度に、正しい側の肢として置かれています。

令和6年度 1級 No.68 選択肢2(正しい側)

太陽光発電設備を高圧配電線に連系するため、受変電設備に地絡過電圧継電器(OVGR)を設置した。

OVGRは地絡過電圧継電器です。この年度の答えは別の肢だったので、この組合せは正しい側のまま残りました。

例えば、令和元年度1級No.34では同じOVGRに地絡過電流が当てられており、その組合せだけが解釈と食い違います。同じ略記号が、年度によって正しい側にも誤りの側にも置かれるということです。

OVGRは、次の2つの文脈で出てきます。

  • 略記号と訳の組合せを問う形:令和元年度・令和3年度・令和8年度の1級。訳が入れ替えられる
  • 施工の可否を問う形:令和6年度1級No.68。太陽電池の記事で扱う太陽光発電設備を、高圧配電線へ連系する場面

まちがえやすいポイント

OCGRという略記号は、出題の中では誤りの側にしか出てきません。

令和3年度でOCGRに地絡過電圧を当てた肢が答えになりました。解釈の231-1表を見ると、特別高圧連系で系統側地絡事故を受け持つのは地絡過電圧リレーで、地絡過電流リレーは表に載っていません。

つまり、OCGRが出てきた時点で、その肢は表の外にあるということです。訳が合っているかを考える前に、そこで切れます。

混同しやすい語

OVGRとOCGR:1文字違いです。VはVoltageで電圧、CはCurrentで電流を指します。

DSRとDGR:DSRは短絡方向、DGRは地絡方向継電器です。DGRの訳を短絡方向継電器と書いた肢も別の系統で答えになっています。JEMの文字記号の記事にまとめました。

地絡過電圧リレーと地絡方向継電器:どちらも地絡を見ますが、地絡方向継電器は零相電圧と零相電流の位相差で向きを判定します。地絡方向継電器の記事で扱っています。

UFRとOFR:UFRは周波数低下(Under Frequency)です。3年度とも選択肢3で正しい側でした。

特別高圧連系とスポットネットワーク:解釈第231条は、スポットネットワーク受電方式を第1項から除いて第2項で別に定めています。スポットネットワークの記事にまとめました。

解列の事由:どんなときに切り離すかは解列と保護リレーの記事で扱っています。

過去問でどう問われたか

答えになった組合せを、年度ごとに並べます。

年度・級・問 選択肢4の組合せ 何を入れ替えたか
令和元年度 1級 学科試験 No.34 OVGR = 地絡過電流 訳のほうを電流に
令和3年度 1級 第一次 No.34 OCGR = 地絡過電圧 略記号のほうをCに
令和8年度 1級 第一次 No.31 OVGR = 地絡過電流 訳のほうを電流に

3年度に共通しているのは、次の3つです。

  • 問われ方は「略記号とリレー保護内容の組合せとして不適当なものはどれか」
  • 選択肢1から選択肢3は同じ文・同じ位置で動かない
  • 答えは選択肢4で、地絡を見るリレーが置かれる

理解度チェック

Q.

特別高圧連系で、系統側の地絡事故を検出するリレーは?

地絡過電圧リレーです。解釈第231条の231-1表に定められています。

Q.

OVGRの正しい訳は?

地絡過電圧継電器です。令和6年度1級No.68の選択肢2に「地絡過電圧継電器(OVGR)」と正しい側で置かれています。

Q.

3年度とも動かない肢はどれか?

選択肢1のDSR(短絡方向)、選択肢2のRPR(逆電力)、選択肢3のUFR(周波数低下)です。位置まで同じです。

Q.

OCGRが出てきた肢を、どう扱えばよいか?

231-1表に地絡過電流リレーが無いので、訳を読む前にその肢を疑います。令和3年度はこの形で答えになりました。

まとめ

  • 系統側の地絡事故を検出するのは地絡過電圧リレー。解釈第231条の231-1表。
  • OVGRは地絡過電圧継電器。VはVoltageで電圧。
  • DSRは短絡方向、RPRは逆電力、UFRは周波数低下。3年度とも選択肢1から選択肢3は同じ文で、位置も動かない
  • 答えはいつも選択肢4(令和3年度・令和8年度の公表正答はどちらも選択肢4)。
  • 入れ替えられるのは略記号のVとC。訳を電流にするか、略記号をOCGRにするかの2通り。
  • 231-1表に地絡過電流リレーは載っていない。OCGRが出た時点で表の外。

参考資料

  • 電気設備の技術基準の解釈 第231条第1項(柱書・第一号・第三号イ)/231-1表・231-2表 経済産業省(dengikaishaku.pdf
  • 一般財団法人 建設業振興基金 試験研修本部「1級電気工事施工管理技術検定 問題・正答肢」(公式サイト)令和元年度(学科試験)・令和3年度・令和6年度・令和8年度(第一次検定)
T

無料・独学でまなぶ資格のT

T|運営・編集

試験機関が公開している問題と正答肢、日本産業規格や法令などの一次資料をもとに、出題された論点を整理しています。

Topへ >>