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単結晶と多結晶って、どっちが効率いいの?
温度が上がるとどうなるのかも、毎回あやふや…。
シリコン太陽電池は、1級の4年度すべてで同じ問番号(No.14)に置かれています。並ぶ肢もほぼ固定で、狂わせてくる論点は2つだけです。
まず、光が当たったときに何が起きているかを押さえます。
太陽電池を実際に据える手順は太陽光発電設備の施工で、接続箱の部品や耐雷トランスの位置が問われます。
シリコン太陽電池は、p形半導体とn形半導体を接合した構造です。その接合部に光が当たると電気が起きます。これを光起電力効果といいます。
平成27年度 1級 学科 No.14 選択肢1・選択肢2/平成30年度 1級 学科 No.14 選択肢1・選択肢2(いずれも正しい側)
選択肢1(2年度とも同じ) シリコン太陽電池は、p形半導体とn形半導体を接合した構造となっている。
選択肢2(平成27年度) シリコン太陽電池は、pn接合部に光が入射したときに起こる光起電力効果を利用している。
選択肢2(平成30年度) シリコン太陽電池は、半導体の接合部に光が入射したときに起こる光起電力効果を利用している。
光が入ると電子はn形半導体に集まります(令和4年度1級No.14 選択肢1、正しい側)。電流は電子の流れと逆向きなので、n形から外へ出て、負荷を通ってp形へ戻ります。
平成28年度1級No.14の選択肢2は、この向きを逆にして答えになりました。
平成28年度 1級 学科 No.14 選択肢2(誤りの側。公表正答は選択肢2)
太陽電池の電流は、p形半導体→n形半導体→負荷の順に流れる。
構造も光起電力効果も、一度も誤りにされていません。試験が向きを裏返してくるのは、変換効率と温度特性の2つだけです。どちらも「AはBに比べて」という比べ方の形で出るので、比べる相手と向きを組にして覚えます。
| 論点 | 正しい向き | 誤りの向き |
|---|---|---|
| 変換効率 | 単結晶のほうが多結晶より高い | 多結晶のほうが高い |
| 温度特性 | 表面温度が高くなると最大出力が低下する | 最大出力が増大する |
| 電流の向き | 電子はn形に集まる(電流はn形→負荷→p形) | p形→n形→負荷の順に流れる |
| 構造・原理 | p形とn形の接合。光起電力効果 | (誤りにされたことがありません) |
変換効率の肢は、主語だけが入れ替わります。「多結晶シリコン太陽電池は、単結晶シリコン太陽電池に比べて変換効率が高い」が2年度とも答えで、令和4年度は主語を単結晶に戻して正しい側に置きました。先に来るのが多結晶なら、そこが答えです。
例えば、肢に「多結晶シリコン太陽電池は、単結晶シリコン太陽電池に比べて変換効率が高い」とあれば、そこで切れます。結晶の並びが揃っている単結晶のほうが効率は高くなります。
言い換えると、「先に来る語が単結晶なら正しい側、多結晶なら答え」ということです。比較の文は主語の側から読みます。
| 年度・級・問 | 答えになった肢 |
|---|---|
| 平成27年度 1級 学科 No.14 (公表正答は選択肢4) |
多結晶シリコン太陽電池は、単結晶シリコン太陽電池に比べて変換効率が高い(選択肢4) |
| 平成28年度 1級 学科 No.14 (公表正答は選択肢2) |
太陽電池の電流は、p形半導体→n形半導体→負荷の順に流れる(選択肢2) |
| 平成30年度 1級 学科 No.14 (公表正答は選択肢4) |
平成27年度と同じ文(選択肢4)。ただし選択肢2の文言だけ異なる |
| 令和4年度 1級 第一次 No.14 (公表正答は選択肢3) |
表面温度が高くなると最大出力が増大する温度特性を有している(選択肢3) |
平成27年度と平成30年度は、並び順も答えの位置(どちらも選択肢4)も同じです。ただし選択肢2だけ文言が違い、平成27年度は「pn接合部」、平成30年度は「半導体の接合部」と書かれます。指すものは同じで、扱いも変わりません。
令和4年度はこの2つを組み替えています。変換効率は主語を単結晶に戻して正しい側へ、温度特性は「低下」を「増大」に変えて答えへ。1問の中で、正しい側と答えを入れ替えました。
発電した直流は、パワーコンディショナで交流に変えて系統へ流します。系統側との取り合いでは単独運転の検出が要り、事故時には解列します。検出する異常の種類は略記号で表されます。
太陽電池が出せるのは直流なので、そのままでは系統に流せません。出力を貯める場合は蓄電池と組み、系統へ流す場合はパワーコンディショナで交流に変えます。
発電量は日射でその都度変わるため、需要に合わせて出せる電源とは性格が違います。系統全体でどの電源に何を受け持たせるかは発電の運用で決まります。
電池そのものを見るときは、次の3つを分けて読みます。
太陽電池には、結晶を使うものと使わないものがあります。温度への反応がここで分かれます。
平成28年度 1級 学科 No.14 選択肢3・選択肢4(どちらも正しい側。公表正答は選択肢2)
アモルファス太陽電池は、結晶系太陽電池に比べて温度上昇による変換効率の低下が小さい。
太陽電池の開放電圧は、温度が一定ならば、入射光が極端に弱くならない限り一定である。
選択肢3は、結晶系が温度上昇で効率を落とすことを前提にした書き方です。温度特性の向きが、ここでも裏づけられています。実際に屋根へ載せるときの決まりは太陽光発電システムの施工、系統につなぐ側は分散型電源の用語の定義と系統連系の略号で扱っています。
この系統の肢は、次の順に見ます。
混同しやすい語
単結晶と多結晶:変換効率は単結晶のほうが高い側です。どちらも結晶系なので、温度上昇では効率が落ちます。
結晶系とアモルファス:温度上昇による変換効率の低下が小さいのがアモルファスです。
電子の向きと電流の向き:電子はn形に集まり、電流はその逆向きに回ります。
最大出力と開放電圧:最大出力は温度で下がり、開放電圧は温度が一定なら光の強さにあまりよりません。
単結晶と多結晶で変換効率が高いのはどちらか?
単結晶です。多結晶のほうが高いとした肢が、平成27年度と平成30年度の2年度とも答えでした。
表面温度が高くなると最大出力はどうなるか?
低下します。増大するとした肢が令和4年度の答えでした。
アモルファス太陽電池は結晶系と比べてどうか?
温度上昇による変換効率の低下が小さいです。平成28年度の選択肢3に正しい側として置かれています。
シリコン太陽電池はどんな効果を利用しているか?
光起電力効果です。p形半導体とn形半導体を接合した構造で、その接合部に光が入射したときに起こります。
電流はどの向きに流れるか?
光が入ると電子はn形半導体に集まります。電流は電子の流れと逆向きなので、n形から外へ出て負荷を通り、p形へ戻ります。「p形→n形→負荷」と書いた肢は平成28年度の答えでした。
この用語が問われた過去問
参考資料
※ この記事の出題の確認日:2026年8月
まちがえやすいポイント
変換効率は、先に来る語で決まります。
「AはBに比べて変換効率が高い」という形で出ます。Aが多結晶なら答え、Aが単結晶なら正しい側。比べる中身は同じで、主語の順だけが入れ替わります。温度特性のほうは「低下」が正しい側、「増大」が答えです。