令和4年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.14は、シリコン結晶系太陽電池に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、太陽電池の温度特性の向きを分かっているかを問うものです。表面温度が高くなると最大出力は下がります。
日射が強い夏でも、暑さで効率は落ちます。
正解:選択肢3(温度が高くなると最大出力が増大するとした記述)
> この論点をやさしく解説:シリコン太陽電池とは?結晶系とアモルファスの変換効率・温度特性の違い
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | pn接合の構造。電子はn形に集まる | 適当 |
| 2 | 直列接続されたモジュール群がストリング | 適当 |
| 3 | 温度が高くなると最大出力が増大 | 不適当。低下する |
| 4 | 単結晶は多結晶より変換効率が高い | 適当 |
最も不適当なのは選択肢3です。
引っかけの核心は、太陽電池は日射で発電するので、暑いほどよく働くという感覚と合ってしまうところです。発電量を決めるのは日射量で、温度は上がるほど足を引っ張ります。
温度が上がると開放電圧が下がるためです。短絡電流はわずかに増えますが、電圧の下がり方のほうが大きく、掛け算である最大出力は下がります。
| 温度が上がると | 向き | 効き方 |
|---|---|---|
| 開放電圧 | 下がる | 大きい |
| 短絡電流 | わずかに上がる | 小さい |
| 最大出力 | 下がる | 電圧の下がり方が勝つ |
この特性は正しい肢として過去問に置かれています。平成27年度 1級 No.14と平成30年度 1級 No.14の選択肢3が、いずれも「表面温度が高くなると最大出力が低下する温度特性を有している」でした。
その2年度の公表正答はどちらも4で、誤りとされたのは「多結晶シリコン太陽電池は、単結晶シリコン太陽電池に比べて変換効率が高い」のほうです。
| 出題 | 温度特性の書かれ方 | 変換効率の書かれ方 |
|---|---|---|
| 平成27年度 1級 No.14 (公表正答4) |
低下する(正しい肢) | 多結晶>単結晶(誤りの肢) |
| 平成30年度 1級 No.14 (公表正答4) |
低下する(正しい肢) | 多結晶>単結晶(誤りの肢) |
| 令和4年度 1級 No.14 (公表正答3) |
増大する(誤りの肢) | 単結晶>多結晶(正しい肢) |
3年度を並べると温度が上がれば出力は低下、変換効率は単結晶のほうが高いが動かない事実で、年度によってどちらを壊すかが入れ替わっているだけだと分かります。
実務でもこの特性が効きます。勾配屋根と太陽電池アレイの間に通気層を設けるのは、モジュールの温度上昇を抑えて出力の落ち込みを減らすためです。
選択肢2のストリングは、モジュールを直列につないだひとまとまりです。直列なので電圧が足し合わされ、パワーコンディショナが扱える電圧に合わせて枚数を決めます。
選択肢1のp形とn形の接合部では、光が当たると電子と正孔の対ができます。電子はn形側へ、正孔はp形側へ移動し、その分かれが電圧になります。
太陽電池の表面温度が上がると最大出力はどうなるか。
下がります。開放電圧の低下が短絡電流のわずかな増加を上回るためです。
単結晶と多結晶のシリコン太陽電池では、どちらの変換効率が高いか。
単結晶のほうが高いです。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月