令和6年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.68は、太陽光発電設備の施工に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、ストリングの電圧が最も高くなるのはいつかを分かっているかを問うものです。電流を取り出していないときの開放電圧が最大になります。
最大出力動作電圧を基準にすると足りません。
正解:選択肢1(最大入力電圧を最大出力動作電圧とした)
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| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 最大入力電圧=最大出力動作電圧 | 開放電圧を基準にする。不適当 |
| 2 | 高圧連系のため受変電設備にOVGRを設置 | 地絡過電圧継電器。適当 |
| 3 | 多入力PCSに電圧が異なるストリングを接続 | 回路ごとに制御できる。適当 |
| 4 | 人が立ち入るおそれがないので柵を省略 | 解釈の例外。適当 |
不適当なのは選択肢1です。
引っかけの核心は、「最大」出力動作電圧という名前に「最大」が付いているので、これが一番高い電圧に見えるところです。この「最大」は出力(電力)が最大になる動作点という意味で、電圧そのものの最大ではありません。
| 電圧 | そのときの状態 | 大小 |
|---|---|---|
| 開放電圧 | 電流を取り出していない | 最も高い |
| 最大出力動作電圧 | 電力が最大になる点 | 開放電圧より低い |
太陽電池は、電流を流すほど電圧が下がる性質があります。何もつながずに測ったときが最も高く、これが開放電圧です。運転中は電力が最大になる点で動かすので、それより低い電圧になります。
パワーコンディショナの最大入力電圧は、入ってくる可能性のある最も高い電圧に耐えられるかという値です。だから開放電圧を基準に選びます。最大出力動作電圧で選ぶと、朝の起動前や停止中に開放電圧がかかったとき、装置の定格を超えてしまいます。
さらに気温が低いほど開放電圧は高くなるので、その地域の最低気温での値を見込みます。冬の朝がいちばん危ない条件です。
選択肢2のOVGRは地絡過電圧継電器です。高圧配電線に連系するとき、配電線側で地絡が起きたことを零相電圧で検出します。地絡があれば太陽光発電設備を系統から切り離します。
選択肢3の多入力パワーコンディショナは、複数のストリングをそれぞれ別の回路で受けるものです。回路ごとに最大電力点を追いかけられるので、屋根の向きや傾きが違って電圧が揃わないストリングでもつなげます。1入力のものだと、電圧の低いストリングに引きずられて全体の出力が落ちます。
選択肢4は柵の省略です。直流側が高圧になる設備は、原則として人が触れないよう柵やへいを設けます。ただし土地の状況により人が立ち入るおそれがない場所なら省略できるという規定があります。
パワーコンディショナの最大入力電圧は何を基準に決めるか。
ストリングの開放電圧です。電流を取り出していないときが最も電圧が高くなるためです。
多入力パワーコンディショナの利点は何か。
回路ごとに最大電力点を追えることです。屋根の向きが違って電圧が揃わないストリングでもつなげます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月