令和6年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.69は、主遮断装置が遮断器(CB)であるキュービクル式高圧受電設備に関する記述として、「高圧受電設備規程」上、誤っているものを選ぶ問題です。
この問題は、ただし書きの短絡電流12.5kAを使ったかを問うものです。母線の太さは、短絡したときの電流に耐えられるかで決まります。
12.5kAに対して14mm²では足りません。
正解:選択肢2(高圧母線に14mm²のKIPを使用した)
> この論点をやさしく解説:直列リアクトルは何のために入れるのか?進相コンデンサと放電コイルの役割の違い
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 高圧配電盤の計器面の照度を300ルクス | 規程の値を満たす。正しい |
| 2 | 高圧母線に14mm²のKIP | 短絡電流12.5kAには耐えられない。誤り |
| 3 | 50kvarの高圧進相コンデンサにVMC | 開閉頻度に耐える。正しい |
| 4 | 300kV·Aの変圧器一次側にPC | 300kV·A以下なので使える。正しい |
誤っているのは選択肢2です。
引っかけの核心は、問題文の「ただし、高圧母線の短絡電流は12.5kAであるものとする」を読み飛ばすところです。この一文が選択肢2を判定するために置かれています。
短絡が起きると、母線には定格の何十倍もの電流が一瞬流れます。その間に電線は発熱し、細ければ溶けたり被覆が焼けたりします。だから母線の太さは、想定される短絡電流に耐えられる断面積で決めます。
| 決める対象 | 何から決まるか |
|---|---|
| 常時の電流容量 | 受電設備の容量から出る負荷電流 |
| 短絡に対する強さ | 短絡電流の大きさと、遮断器が切るまでの時間 |
この2つのうち厳しいほうで太さが決まります。常時の電流だけなら細くて足りても、短絡電流が大きければそちらに合わせて太くします。12.5kAという値は高圧受電設備では大きめで、14mm²では耐えられません。
KIPは高圧機器内配線用電線のことで、キュービクルの中の配線に使います。太さの選定は、短絡電流の条件とセットで見るのがこの問題の要点です。
選択肢1の照度は、計器を読み間違えないための明るさです。高圧受電設備規程では計器面で300lx以上とされていて、300ルクスはこれを満たします。
選択肢3の高圧進相コンデンサは、開閉のたびに大きな突入電流が流れます。開閉の回数が多く、突入電流に耐える必要があるので、高圧真空電磁接触器(VMC)や真空遮断器(VCB)を使います。VMCは開閉の耐久回数が多く、コンデンサ回路に向きます。
選択肢4の高圧カットアウト(PC)は、変圧器の一次側に使う簡単な開閉器です。ヒューズを入れて過電流の保護も兼ねます。300kV·A以下の変圧器に使えるので、300kV·Aちょうどは範囲に入ります。それを超える容量では、遮断器や負荷開閉器を使います。
高圧母線の太さは何から決めるか。
常時流れる負荷電流と、短絡したときの電流の両方から決め、厳しいほうを採ります。短絡電流が大きければそちらに合わせて太くします。
高圧カットアウトは何kV·A以下の変圧器に使えるか。
300kV·A以下です。それを超える容量では遮断器や高圧交流負荷開閉器を使います。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月