令和6年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.70は、架空送電線路の施工に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、電線が浮き上がる場所で使う金車の名前を分かっているかを問うものです。垂直輪金車を使います。
立金車ではありません。
正解:選択肢3(立金車を浮き上がるおそれのある場所に使用した)
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 割ワイヤロープは延線用より強度が大きい | つなぎ替えに使う。適当 |
| 2 | 緊線用は細径・高強度で自転トルクが小さい | ねじれを防ぐ。適当 |
| 3 | 立金車を浮き上がる場所に使用 | 垂直輪金車を使う。不適当 |
| 4 | 延線車は必要な張力を与える | 用途のとおり。適当 |
不適当なのは選択肢3です。
引っかけの核心は、立金車も垂直輪金車も名前に「立」「垂直」が入っていて、似た印象を受けるところです。浮き上がりに使うのは垂直輪金車です。
延線では、鉄塔のアームに金車を吊るし、その上を電線が滑って進みます。送電線が谷から尾根へ上っていくような区間では、電線が張力で上向きに引かれます。そのままだと金車から外れてしまいます。
そこで、輪が垂直に付いていて電線を上からも下からも押さえられる形の金車を使います。これが垂直輪金車です。引上げ箇所の鉄塔で電線が浮き上がるおそれのある場所に取り付けます。
平成27年度 No.61には「垂直輪金車は、引上げ箇所の鉄塔で電線が浮き上がるおそれのある場所に用いる。」という選択肢があり、誤りとされませんでした(公表正答は3で、そちらは緊線ウインチの説明が誤りでした)。今回の選択肢3は、この説明の主語を立金車に付け替えたものです。
選択肢4の延線車も、同じ平成27年度 No.61に「延線車は、電線やワイヤロープに必要な張力を与えて安定した延線を行うために用いる。」という同じ文があり、正しい選択肢として置かれていました。
延線車が張力を与える理由は、電線をたるませずに送るためです。たるむと地上の建物や道路に近づいてしまいます。張力をかけたまま送ることを架線工法では張線工法といい、下に物がある場所では欠かせません。
選択肢1の割ワイヤロープは、延線用のワイヤロープと電線をつなぐ部分などに使うものです。力が集中する箇所なので、延線用より強いものを選びます。
選択肢2の緊線用ワイヤロープは、電線を所定のたるみに引き込む作業で使います。自転トルクが小さいとは、張力をかけたときにロープ自身がねじれにくいという意味です。ねじれると電線にもねじれが伝わり、素線が傷みます。
引上げ箇所で電線が浮き上がるおそれがある場所には何を使うか。
垂直輪金車です。輪が垂直に付いていて、電線が上へ外れないように押さえられます。
延線車の役目は何か。
電線やワイヤロープに必要な張力を与えて、安定した延線を行うことです。たるませずに送るために使います。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月