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スポットネットワーク受電方式とは?機器の並び順と動作特性の違いを整理

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ネットワーク変圧器にプロテクタ遮断器にプロテクタヒューズ。名前は覚えたよ。

でも、どれがどの位置にあるの?

この記事の要点

スポットネットワーク受電方式とは、複数回線の配電線から受電し、ネットワーク変圧器を通してひとつのネットワーク母線につなぐ受電方式のことです。

プロテクタヒューズは受電変圧器の二次側に置かれます。

一次側に設置すると書いた肢が、令和5年度の答えでした。

スポットネットワーク受電方式は、複数回線の配電線で受けて、回線ごとの変圧器を通して1つの母線にまとめる受電方式です。

この方式の名前は、条文にそのまま定義があります。

機器は配電線から母線まで、この順に並ぶ

電気設備の技術基準の解釈 第220条第十二号(分散型電源の系統連系設備に係る用語の定義)

スポットネットワーク受電方式 2以上の特別高圧配電線(スポットネットワーク配電線)で受電し、各回線に設置した受電変圧器を介して2次側電路をネットワーク母線で並列接続した受電方式

言い換えると、「回線ごとに変圧器を置き、その二次側を1つの母線でつなぐ」ということです。並び順が決まれば、どの機器がどちら側にあるかも決まります。

配電線から母線までの並び順 配電線 2回線 以上 変圧器 変圧器 回線ごと プロテクタヒューズ プロテクタ遮断器 プロテクタヒューズ プロテクタ遮断器 変圧器の二次側 ネットワーク母線 テイクオフ 入れ替えられるのは、変圧器の一次側と二次側
並び順をイメージでつかむための模式図です。回線数や機器の配置は実物どおりではありません。正しいのは、回線ごとの変圧器を通り、その二次側にプロテクタヒューズとプロテクタ遮断器が入り、母線で並列につながるという順序だけです。
位置 機器 そう言える根拠
回線ごと ネットワーク変圧器 解釈 第220条第十二号「各回線に設置した受電変圧器」
変圧器の二次側 プロテクタヒューズ 令和2年度 選択肢2(正しい側)「プロテクタヒューズは、受電変圧器の二次側に設置される」/平成29年度 選択肢3(正しい側)「ネットワーク母線の短絡保護は、プロテクタヒューズで行われる」
回線と母線の間 プロテクタ遮断器 令和2年度・令和5年度(正しい側)「ネットワーク母線からの逆潮流により遮断動作する」/解釈 第231条第2項「事故回線のプロテクタ遮断器を開放し、健全回線との連系は原則として保持」
各回線をまとめる ネットワーク母線 解釈 第220条第十二号「2次側電路をネットワーク母線で並列接続」
母線から分岐 テイクオフ装置 平成26年度 選択肢4(正しい側)「ネットワーク母線から分岐する各低圧幹線には、テイクオフ装置を施設する」

出題は、この並びを1か所だけ入れ替えて作られます。入れ替えられるのは、変圧器の一次側と二次側です。

例えば、平成26年度の選択肢1は「ネットワーク変圧器は、配電線より各回線ごとにネットワークプロテクタを介して接続される」でした。ネットワークプロテクタは変圧器の二次側にあるので、配電線と変圧器の間には入りません。

プロテクタヒューズはネットワーク変圧器の二次側

設置位置は、2年度で対になっています。

  • 令和2年度 1級 学科試験 No.34 選択肢2(正しい側):プロテクタヒューズは、受電変圧器の二次側に設置される
  • 令和5年度 1級 第一次 No.34 選択肢3答え):プロテクタヒューズは、ネットワーク変圧器の一次側に設置される

正しい二次側の書き方が、令和2年度に正しい肢として実在します。変圧器の呼び名だけを変えて、位置を一次側にすり替えた形です。

平成29年度にはネットワーク母線の短絡保護は、プロテクタヒューズで行われるという肢が正しい側に置かれました。

言い換えると、「プロテクタヒューズは変圧器の二次側にあって、ネットワーク母線側を守る」ということです。

ネットワークプロテクタの3つの動作特性

平成29年度1級No.10では、動作特性の組合せそのものが問われました。

平成29年度 1級 学科 No.10 で正解になった組合せ

逆電力遮断特性 / 差電圧投入特性 / 無電圧投入特性

遮断が1つで、投入が2つです。この問いは適当なものを選ぶ形なので、答えの組合せが正しい記述にあたります。

例えば、逆電力を投入特性と書いたり、無電圧を遮断特性と書いたりした組合せが、同じ問題の誤りの肢として並んでいました。

この3特性を知っていると、令和2年度の答えが決まります。同じ問題の選択肢4は「受電用断路器は、ネットワークリレーの無電圧投入特性により自動的に投入される」で、これが答えでした。

無電圧投入特性はネットワークプロテクタの特性です。その特性で投入されるのはプロテクタ遮断器で、断路器ではありません。

まちがえやすいポイント

投入と遮断で、担当する機器が違います。

ネットワークプロテクタの特性は逆電力遮断・差電圧投入・無電圧投入です。この特性で動くのはプロテクタ遮断器で、受電用断路器と書いた肢が令和2年度の答えでした。

接続順序を問う肢が答えになった年度では、正しい並び順を書いた肢が同じ問題に置かれていません。並び順は解釈 第220条第十二号の定義から追います。回線ごとの変圧器を通して、その二次側を1つの母線で並列につなぐ形です。

混同しやすい語

プロテクタヒューズとプロテクタ遮断器:ヒューズはネットワーク母線の短絡保護、遮断器は逆潮流での遮断が役割です。

受電用断路器と受電用遮断器:令和2年度の答えは受電用断路器を主語にした肢、平成29年度の答えは受電用遮断器を主語にした肢でした。

テイクオフ装置:ネットワーク母線から分岐する各低圧幹線に施設するものとして、平成26年度の正しい肢に置かれています。

ネットワーク母線と受電設備の母線:単母線や二重母線との違いは母線結線方式の記事にまとめました。

過去問でどう問われたか

記述を選ぶ形は5年度分あります。

  • 平成26年度 1級 学科 No.34:受電方式の記述/答えの論点=変圧器の接続順序
  • 平成29年度 1級 学科 No.10:継電器の動作特性の組合せ/遮断1つ・投入2つ
  • 平成29年度 1級 学科 No.34:受電方式の記述/引込線の接続先
  • 令和2年度 1級 学科試験 No.34:22kV・33kVの記述/断路器と無電圧投入特性
  • 令和5年度 1級 第一次 No.34:低圧方式の記述/プロテクタヒューズの位置

このほかに、図を見て機器の名前を選ぶ形が4年度あります。平成25年度No.34は図から受電方式の名称そのものを選ばせ、答えはスポットネットワーク受電方式でした。平成28年度No.34・平成30年度No.34・令和7年度No.31は、図のア〜ウに入る機器名の組合せを選ばせます。肢に並ぶのはネットワーク変圧器・プロテクタヒューズ・プロテクタ遮断器・断路器・テイクオフ装置です。名前を覚えるだけでなく、どこに入るかを押さえておけば答えられます。

読み飛ばせる肢もあります。

  • 変圧器の容量:平成26年度 選択肢2・平成29年度 選択肢4・令和5年度 選択肢2で正しい側。「1台または1回線が停止しても、残りの変圧器で最大需要電力を供給できるように選定する」で、停止するのが変圧器か回線かの違いだけです
  • プロテクタ遮断器の逆潮流:令和2年度と令和5年度で、一字一句同じ文が正しい側に置かれました

令和2年度 1級 学科試験/令和5年度 1級 第一次検定 No.34 の正しい選択肢

プロテクタ遮断器は、ネットワーク母線からの逆潮流により遮断動作する。

すべて1級での出題です。

この系統の肢は、次の順に見ます。

  • プロテクタヒューズに一次側と書いてあれば答え:正しくは二次側です。
  • 投入特性の主語を見る:断路器が主語なら答えです。
  • 変圧器容量の肢は飛ばす:3年度とも正しい側でした。
  • プロテクタ遮断器の逆潮流の肢も飛ばす:2年度とも同じ文で正しい側です。
  • 接続順序が出たら残りを先に確認する:他の3つが正しければ、それが答えです。

理解度チェック

Q.

プロテクタヒューズはどこに設置されるか?

受電変圧器の二次側です。一次側と書いた肢が令和5年度の答えでした。

Q.

ネットワークプロテクタの動作特性の組合せは?

逆電力遮断特性、差電圧投入特性、無電圧投入特性です。

Q.

プロテクタ遮断器はどういうときに遮断動作するか?

ネットワーク母線からの逆潮流によって遮断動作します。2年度とも正しい肢に置かれました。

Q.

ネットワーク変圧器の容量はどう選ぶか?

1台または1回線が停止しても、残りの変圧器で最大需要電力を供給できるように選定します。

まとめ

  • プロテクタヒューズは受電変圧器の二次側。一次側と書いた令和5年度の選択肢3が答え。正しい二次側の書き方は令和2年度に実在する。
  • ネットワークプロテクタは逆電力遮断・差電圧投入・無電圧投入。遮断が1つで投入が2つ。
  • 無電圧投入特性で投入されるのはプロテクタ遮断器。受電用断路器と書いた令和2年度の選択肢4が答え
  • 変圧器容量の肢は3年度とも、プロテクタ遮断器の逆潮流の肢は2年度とも正しい側。

参考資料

  • 一般財団法人 建設業振興基金 試験研修本部「電気工事施工管理技術検定 問題・正答肢」(公式サイト)平成25年度1級・平成26年度1級・平成28年度1級・平成29年度1級・平成30年度1級・令和2年度1級・令和5年度1級・令和7年度1級
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