令和5年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.34は、3回線で受電する低圧スポットネットワーク方式に関する記述として、不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、プロテクタヒューズがどちら側にあるかを分かっているかを問うものです。ネットワーク変圧器の二次側です。
プロテクタ遮断器と直列に並んでいます。
正解:選択肢3(ネットワーク変圧器の一次側に設置される)
> この論点をやさしく解説:スポットネットワーク受電方式とは?機器の並び順と動作特性の違いを整理
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 二次側電圧が低圧の方式をいう | 名前のとおり。適当 |
| 2 | 1回線停止でも残りで最大需要電力を供給 | 変圧器容量の選定の考え方。適当 |
| 3 | プロテクタヒューズは一次側 | 二次側。不適当 |
| 4 | プロテクタ遮断器は逆潮流で遮断動作 | ネットワークリレーの働き。適当 |
不適当なのは選択肢3です。
引っかけの核心は、選択肢4でプロテクタ遮断器が正しく説明されているので、対になるプロテクタヒューズの位置も正しく見えてしまうところです。この2つはどちらも二次側で、直列に並んでいます。
スポットネットワーク方式の並び順は次のようになります。
| 順番 | 機器 | 役目 |
|---|---|---|
| 1 | 断路器 | 回線ごとに切り離す |
| 2 | ネットワーク変圧器 | 受電電圧を落とす |
| 3 | プロテクタヒューズ | ネットワーク母線の短絡保護。二次側 |
| 4 | プロテクタ遮断器 | 逆潮流を検出して開く。二次側 |
| 5 | ネットワーク母線 | 3回線分がここで1つにまとまる |
この位置は令和2年度 1級 No.34で確定しています。そちらの選択肢2は「プロテクタヒューズは、受電変圧器の二次側に設置される」で、公表正答は4(別の肢)でした。つまり二次側が正しいと確定しています。
平成29年度 1級 No.34では「ネットワーク母線の短絡保護は、プロテクタヒューズで行われる」が正しい肢として置かれ、公表正答は2でした。母線を守るのだから母線の側、つまり二次側にあるという筋が通ります。
選択肢4のプロテクタ遮断器は、電気の流れる向きを見ています。
| 状態 | 電力の向き | 動作 |
|---|---|---|
| 正常 | 変圧器から母線へ | 閉じたまま |
| 一次側で事故 | 母線から変圧器へ(逆潮流) | 開いてその回線を切り離す |
1回線の一次側で事故が起きると、残りの2回線から電気がその変圧器へ逆に流れ込みます。この向きを検出して切り離すので、事故の回線だけが自動で外れます。
選択肢2は、その仕組みを前提にした容量の決め方です。3回線のうち1回線が抜けても、残り2回線で全部の需要をまかなえるように変圧器容量を選びます。
選択肢1は方式の名前の由来です。ネットワーク変圧器の二次側が低圧なら低圧スポットネットワーク方式、高圧なら高圧スポットネットワーク方式です。
プロテクタヒューズはどこに設置されるか。
ネットワーク変圧器の二次側です。プロテクタ遮断器と直列に並び、ネットワーク母線の短絡保護を担当します。
プロテクタ遮断器が逆潮流で開くのはなぜか。
一次側で事故が起きた回線には、残りの回線から電気が逆向きに流れ込むためです。その向きを検出すれば事故の回線だけを切り離せます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月