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差動式スポット型の下端は0.3mか0.6mか?はりの0.6mと混ざる

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下端の数値って、煙感知器と同じでいいの?

0.3mと0.6mが出てくるけど、どっちがどっち?

この記事の要点

差動式スポット型感知器とは、周囲の温度の上昇率が一定の率以上になったときに火災信号を発信する感知器のことです。

下端は取付け面の下方0.3メートル以内です。

0.6メートルは別の規定に出てきます。

熱を見る感知器と煙を見る感知器では、下端の数値が違います。

条文が号ごとに分かれているので、どの号の話かで数値が変わります。

下端は取付け面の下方0.3メートル以内

熱のスポット型は3種類まとめて1つの号に書かれています。

消防法施行規則 第23条第4項第三号

差動式スポット型、定温式スポット型又は補償式スポット型その他の熱複合式スポット型の感知器は、次に定めるところによること。

イ 感知器の下端は、取付け面の下方〇・三メートル以内の位置に設けること。

ロ 感知器は、感知区域(それぞれ壁又は取付け面から〇・四メートル(差動式分布型感知器又は煙感知器を設ける場合にあっては〇・六メートル)以上突出したはり等によって区画された部分をいう。)ごとに…

同じ号の中に0.3と0.4と0.6が並んでいます

同じ0.6mでも、掛かる相手が違う 数値 何に掛かるか 条文 0.3m以内 差動式スポット型などの熱感知器の下端 第三号イ 0.6m以内 煙感知器の下端 第七号ハ 0.4m以上 はりの突出(一般) 第三号ロ 0.6m以上 はりの突出(差動式分布型・煙感知器) 第三号ロ 下端の話か、はりの話か。まず「何に掛かるか」を読む
出典=消防法施行規則 第23条第4項 第三号イ・ロ/第七号ハ

0.6メートルははりの突出に出てくる

3つの数値は、掛かる相手が違います。

数値 何に掛かるか
0.3メートル以内 感知器の下端と取付け面の距離(熱のスポット型)
0.4メートル以上 感知区域を区画するはり等の突出(熱のスポット型)
0.6メートル以上 同じはりの突出だが、差動式分布型か煙感知器を設ける場合

0.6メートルは、はりの突出のうち分布型と煙感知器の場合の値です。言い換えると、「熱のスポット型で0.6メートルが出たら疑う」ということです。

令和2年度で誤りにされた記述

誤りの肢は、この0.3と0.6を入れ替えています。

令和2年度 1級 学科試験No.40 選択肢3(公表正答3)

感知器の下端は、取付け面の下方0.6メートルの位置に設けることができる。

熱のスポット型の下端は0.3メートル以内なので、0.6メートルでは離れすぎです

取付け面の高さは8メートル未満まで

同じ年度の残る3肢は、どれも条文どおりでした。

同 第23条第4項第二号(取付け面の高さと種別)

4メートル未満 差動式スポット型、差動式分布型、補償式スポット型、定温式、イオン化式スポット型又は光電式スポット型

4メートル以上8メートル未満 差動式スポット型、差動式分布型、補償式スポット型、定温式特種若しくは一種…

8メートル以上15メートル未満 差動式分布型、イオン化式スポット型一種若しくは二種又は光電式スポット型一種若しくは二種

差動式スポット型が使えるのは8メートル未満までです。例えば、8メートル以上になると分布型か煙感知器に替わります。

この線引きは、裏返しの形でも問われました。

令和元年度 1級 学科試験No.88 選択肢4(公表正答は選択肢4)

差動式スポット型(取付け面の高さが8m以上15m未満に設けるものとして定められていない)

条文の第二号に照らすと、8m以上15m未満の欄に差動式スポット型はありません。公表正答も選択肢4です。

定義そのものを選ばせる形もある

2級では、定義文を示して感知器の名前を選ばせました。

平成27年度 2級 学科試験No.28 選択肢3(公表正答は選択肢3)

差動式スポット型(「周囲の温度の上昇率が一定の率以上になったときに火災信号を発信するもの」に該当する感知器)

上昇率で動くのが差動式、一定の温度で動くのが定温式です。この定義文がそのまま設問になります。

45度と1.5メートルも正しい側

傾斜と吹出し口の規定は、別の号にあります。

同 第23条第4項第八号・第九号

第八号 感知器は、差動式分布型及び光電式分離型のもの並びに炎感知器を除き、換気口等の空気吹出し口から一・五メートル以上離れた位置に設けること。

第九号 スポット型の感知器(炎感知器を除く。)は、四十五度以上傾斜させないように設けること。

30度なら45度未満なので設けられます。吹出し口の1.5メートルも条文どおりです。

設置場所ではボイラー室が答え

場所を問う形も2年度あります。どちらも答えは同じ場所でした。

年度・級・問 並んだ場所 誤りの場所
平成29年度 2級 学科 No.28 休憩室/会議室/ボイラー室/自家発電室 ボイラー室
令和6年度 2級 第一次検定(後期)No.25 自家発電室/ボイラー室/食堂/駐車場 ボイラー室

2年度とも同じ場所が答えです。自家発電室と駐車場は両方の年度で正しい側に置かれています。

まちがえやすいポイント

消防法施行規則には感知器を設けられない場所の規定がありますが、そこに列挙されているのは煙感知器と熱煙複合式スポット型の場合です。差動式スポット型のボイラー室は、この規定には出てきません。

また、下端の0.3メートルは熱のスポット型の値です。煙感知器は下方0.6メートル以内で、こちらとは別の号に書かれています。

混同しやすい数値

0.3と0.6:熱のスポット型の下端は0.3メートル以内、煙感知器は0.6メートル以内です。

0.4と0.6:感知区域を区画するはりの突出は0.4メートル、分布型と煙感知器では0.6メートルです。

8メートルと15メートル:差動式スポット型は8メートル未満まで、分布型は15メートル未満までです。

45度と30度:スポット型は45度以上傾斜させません。30度なら設けられます。

感知器は、自動火災報知設備の一部です。同じ設備の他の部品にも別の決まりがあります。

過去問でどう問われたか

差動式スポット型を問う形は5年度分です。設置の規定が1年度、設置場所が2年度、種別の高さが1年度、定義そのものが1年度です。

この論点は、次の順に確かめます。

  • 1つ目 下端の数値を見る。熱のスポット型なら0.3メートル以内です。
  • 2つ目 取付け面の高さを見る。8メートル以上なら使えません。
  • 3つ目 場所が並んでいたらボイラー室を探します。

数値の問と場所の問で、見る場所がまったく違います。

どこを確認すれば読み分けられるか

この系統の肢は、次の順に見ます。

  • 感知器の種別を先に読む:熱か煙かで下端の値が変わります。
  • 0.6メートルの掛かる相手を見る:下端なら煙、はりなら分布型か煙です。
  • 高さの範囲を見る:8メートルが差動式スポット型の境目です。
  • 傾斜は45度が境目:それ未満なら設けられます。
  • 場所は消去法で:ボイラー室が並んでいれば、まずそこを疑います。

理解度チェック

Q.

差動式スポット型感知器の下端は、取付け面からどれだけの位置に設けるか?

下方0.3メートル以内です。煙感知器の0.6メートル以内とは別の号の規定です。

Q.

感知区域を区画するはり等の突出は何メートル以上か?

0.4メートル以上です。差動式分布型か煙感知器を設ける場合は0.6メートル以上になります。

Q.

差動式スポット型感知器を設けられる取付け面の高さはどこまでか?

8メートル未満までです。8メートル以上15メートル未満では差動式分布型などになります。

Q.

設置場所を問う出題で、2年度とも誤りにされた場所はどこか?

ボイラー室です。自家発電室は両方の年度で正しい側に置かれています。

まとめ

  • 熱のスポット型の下端は取付け面の下方0.3メートル以内
  • 0.6メートルははりの突出(分布型と煙感知器の場合)に出てくる別の数値。
  • 差動式スポット型が使えるのは取付け面の高さ8メートル未満まで。
  • 場所を問う2年度は、どちらもボイラー室が誤り。

参考資料

  • 消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)第23条第4項第二号・第三号イ及びロ・第八号・第九号(e-Gov法令検索
  • 一般財団法人 建設業振興基金 試験研修本部「1級電気工事施工管理技術検定 問題・正答肢」(公式サイト)令和元年度・令和2年度
  • 同「2級電気工事施工管理技術検定 問題・正答肢」平成27年度・平成29年度・令和6年度(後期)
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