令和4年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.79は、地中電線路に関する記述として、不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、磁性体の管に何条入れるかを分かっているかを問うものです。単心1条だけだと、電流が作る磁束が打ち消されません。
鋼の管が磁束を受けて熱を持ちます。
正解:選択肢2(単心ケーブル1条を鋼管に入れた記述)
> この論点をやさしく解説:地中電線路の施工とは?引入れの向き・滑落防止・管路の材料を整理
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 防食処理した厚鋼電線管を管路に使用 | 適当 |
| 2 | 単心ケーブル1条を引き入れる管路にSGP | 不適当。渦電流で発熱する |
| 3 | 熱伸縮対策としてマンホール内にオフセット | 適当 |
| 4 | マンホールの管口部分に防水処理 | 適当 |
不適当なのは選択肢2です。
引っかけの核心は、選択肢1でも鋼の管を使っていて、そちらは正しいところです。材料が同じでも、中に通すケーブルの数で可否が変わります。
電流が流れると、その周りに磁束ができます。三相の3条をまとめて1本の管に入れると、3つの磁束が打ち消し合って外へ出ません。
単心ケーブルを1条だけ入れると、打ち消す相手がいません。磁束が管の鋼を通り、渦電流損とヒステリシス損が生じます。管が発熱し、ケーブルの許容電流も下がります。
| 入れ方 | 磁性体の管を使えるか |
|---|---|
| 三相3条を1本の管にまとめる | 磁束が打ち消し合うので使える |
| 単心1条だけを入れる | 打ち消されないので使えない。非磁性体の管にする |
SGPは配管用炭素鋼鋼管で、鉄なので磁性体です。単心1条を通すなら、硬質ポリ塩化ビニル管のような非磁性体の管を選びます。
選択肢1の厚鋼電線管も鉄ですが、こちらは条数の話が出ていません。地中では水にさらされるので、ライニングなどの防食処理が要ります。
選択肢3のオフセットは、マンホール内でケーブルをわざと蛇行させておくものです。通電すると温まって伸び、止めると縮みます。まっすぐ張ったままだと、伸縮の力が接続部にかかります。曲げて余裕を持たせておけば、その分を吸収できます。
選択肢4の管口の防水は、管路を伝ってマンホールへ水が入るのを防ぎます。マンホール内には接続部があり、水に浸かると劣化します。
単心ケーブル1条を鋼管に入れるとなぜいけないのか。
磁束を打ち消す相手がいないため、管の鋼に渦電流損とヒステリシス損が生じて発熱するからです。非磁性体の管を使います。
マンホール内にオフセットを設けるのはなぜか。
ケーブルが通電で温まって伸び、止めると縮むためです。曲げて余裕を持たせ、伸縮の力が接続部にかからないようにします。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月