令和4年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.80は、建設工事の請負契約書に記載しなければならない事項として、「建設業法」上、定められていないものを選ぶ問題です。
この問題は、契約書に書く事項と、あとから通知する事項が別だと分かっているかを問うものです。現場代理人は工事が始まってから置くので、契約時には決まりません。
だから通知の制度になっています。
正解:選択肢1(現場代理人の権限に関する事項)
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 現場代理人の権限に関する事項 | 定められていない。第19条の2の通知事項 |
| 2 | 価格等の変動に基づく請負代金の額又は工事内容の変更 | 定められている(第8号) |
| 3 | 第三者が損害を受けた場合の賠償金の負担 | 定められている(第9号) |
| 4 | 債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金 | 定められている(第14号) |
定められていないのは選択肢1です。
引っかけの核心は、現場代理人の権限を書面にする義務が本当にあるところです。制度そのものは存在するので、「そんな決まりは無い」と切ることができません。書く場所が違うだけです。
| 条 | 何をするか | 内容 |
|---|---|---|
| 第19条 | 契約書に記載 | 工事内容、請負代金の額、工期など16項目 |
| 第19条の2 | 書面で通知 | 現場代理人の権限に関する事項と、意見の申出の方法 |
第19条の2は「請負人は、請負契約の履行に関し工事現場に現場代理人を置く場合においては」と始まります。置く場合に、置く側が相手へ知らせるという形です。
同じ条の第2項は、注文者が監督員を置く場合の通知を定めています。現場代理人は請負人の側、監督員は注文者の側で、互いに知らせ合う仕組みです。
令和8年度 No.79の選択肢1は「請負人は、現場代理人の権限に関する事項及び現場代理人の行為についての注文者の請負人に対する意見の申出の方法を、注文者に通知しなければならない」で、これが正しい肢でした。同じ制度が、年度によって正しい肢にも誤り肢にもなります。
第19条第1項の16項目には、工事内容、請負代金の額、工期のほか、設計変更や不可抗力があったときの取り決め、支払の時期と方法、紛争の解決方法などが並びます。契約の時点で決めておける事柄ばかりです。
現場代理人が誰になるかは、工事が始まる段になって決まります。契約書に書けないので、別の条で通知させています。
現場代理人の権限に関する事項は、どこに書くものか。
請負契約書ではなく、建設業法第19条の2による書面での通知です。請負人が注文者へ通知します。
注文者が工事現場に監督員を置く場合はどうするか。
監督員の権限に関する事項と、請負人からの意見の申出の方法を、書面により請負人へ通知します。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月