令和4年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.74は、屋内配線をケーブル工事により施設する場合の記述として、「電気設備の技術基準とその解釈」上、不適当なものを選ぶ問題です。設問には「簡易接触防護措置を施すとき又は乾燥した場所に施設するときを除く」という条件が付いています。
この問題は、但し書きが緩和を打ち消していることに気づけるかを問うものです。8mまで省略できるのは、乾燥した場所か簡易接触防護措置がある場合だけです。
その2つを除くと書いてあるので、使えるのは4m以下だけになります。
正解:選択肢3(防護装置の金属製部分6mで接地工事を省略した記述)
> この論点をやさしく解説:D種接地工事はどこまで省略できるのか?4mと8mの線引きは工事ごとに違う
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 弱電流電線と交差するので高圧ケーブルを鋼管に収めた | 適当 |
| 2 | 高圧ケーブルとガス管の離隔距離30cm | 適当 |
| 3 | 対地電圧200V・防護装置6mで接地工事を省略 | 不適当。省略できない |
| 4 | 点検できる隠ぺい場所・200Vに2種キャブタイヤケーブル | 適当 |
不適当なのは選択肢3です。
引っかけの核心は、8mという数字を覚えている人ほど「6mなら足りている」と読んでしまうところです。但し書きを読み飛ばすと、そう見えます。
防護装置の金属製部分にはD種接地工事を施しますが、省略できる場合があります。
| 長さ | 省略できる条件 |
|---|---|
| 4m以下 | 条件なしで省略できる |
| 8m以下 | 対地電圧150V以下で、かつ簡易接触防護措置を施すか乾燥した場所 |
この問題は対地電圧が200Vで150Vを超えており、しかも但し書きで2つの条件が外されています。8mの行はどちらの面でも使えません。残るのは4m以下だけなので、6mでは省略できません。
令和元年度 No.62が同じ規定を別の角度から出しています。そちらは「乾燥した場所での交流の使用電圧100V」という条件で、ケーブル工事の防護装置8mでの省略が正しい肢でした。条件がそろえば8mでよいことが、この年度で確かめられます。
同じ問題で誤りだったのは金属可とう電線管工事の8mです。工事の種類ごとに緩和の有無が違うので、数字だけを覚えると取り違えます。
選択肢2の30cmは、高圧屋内配線と他の配線・弱電流電線・水管・ガス管などとの離隔距離です。近づけるならケーブルを堅ろうな管に収めます。選択肢1の鋼管がその形です。
選択肢4は、ケーブル工事に使える電線として2種以上のキャブタイヤケーブルが認められています。点検できる隠ぺい場所での200Vは、この範囲に入ります。
ケーブル工事で防護装置の金属製部分の接地工事を無条件に省略できるのは何m以下か。
4m以下です。8m以下まで延びるのは、対地電圧150V以下で、かつ簡易接触防護措置を施すか乾燥した場所に施設する場合です。
高圧ケーブルとガス管を近づけて施設するにはどうするか。
離隔距離30cmを取れないときは、ケーブルを鋼管などの堅ろうな管に収めて施設します。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月