令和4年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.75は、動力設備に関する記述として、「内線規程」上、不適当なものを選ぶ問題です。低圧電動機の使用電圧は200Vという条件が付いています。
この問題は、手元開閉器を省略できる大きさを分かっているかを問うものです。コンセントに接続する電動機で省略できるのは0.2kW以下です。
0.4kWでは省略できません。
正解:選択肢2(0.4kWで手元開閉器を省略した記述)
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 電動機への配管に二種金属製可とう電線管 | 適当。振動を伝えない |
| 2 | 0.4kWなので手元開閉器を省略 | 不適当。0.2kW以下まで |
| 3 | 分岐開閉器の定格電流は分岐過電流遮断器の定格電流以上 | 適当 |
| 4 | スターデルタ始動器と電動機間の配線は60%の許容電流 | 適当 |
不適当なのは選択肢2です。
引っかけの核心は、0.4kWが「小さい電動機」の感覚に収まるので、省略の範囲に見えてしまうところです。実際の線引きはもう一段小さいところにあります。
手元開閉器は、電動機のそばで電源を切るためのものです。点検や修理のときに、分電盤まで戻らなくても止められるようにします。
コンセントに接続して使う電動機は、プラグを抜けば切れるので、小さいものに限って手元開閉器を省略できます。その限度が0.2kW以下です。
令和7年度 No.27の選択肢3は「定格出力0.2kWの電動機の電源を、コンセントから供給したので手元開閉器を省略した」で、これが正しい肢でした。令和4年度は同じ文の数字を0.4kWに変えて誤り肢にしています。
選択肢4のスターデルタ始動は、始動時に巻線をスター結線にして電圧を下げ、回り出してからデルタ結線に切り替える方式です。デルタ運転では各相の巻線に流れる電流が線電流の1/√3になります。
1 ÷ √3 = 0.577… → 約58%
始動器と電動機の間の配線は、この分だけ細くできる
選択肢4の60%はこの58%を上回っているので、条件を満たしています。数字が小さいほど細い電線になるので、58%を下回ると不足します。
選択肢1の二種金属製可とう電線管は、曲げやすく振動を吸収します。電動機は運転中に振れるので、硬い管で直結すると配管や端子に力がかかります。
コンセントに接続する電動機で、手元開閉器を省略できるのはどこまでか。
定格出力0.2kW以下です。0.4kWでは省略できません。
スターデルタ始動器と電動機の間の配線を細くできるのはなぜか。
デルタ運転では各相の巻線に流れる電流が線電流の1/√3、およそ58%になるからです。その分の許容電流があれば足ります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月