令和4年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.30は、三相誘導電動機に用いる低圧進相用コンデンサに関する記述として、「内線規程」上、不適当なものを選ぶ問題です。コンデンサは個々の電動機の回路ごとに取り付けるものとされています。
この問題は、コンデンサ容量の上限がどこにあるかを分かっているかを問うものです。電動機の無効分を超えないように選びます。
入れすぎると別の問題が起きます。
正解:選択肢3(容量を電動機の無効分より大きくするとした記述)
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 手元開閉器よりも電動機側に接続 | 適当。電動機と一緒に入り切りする |
| 2 | 40℃を超える場所を避けて堅固に取り付け | 適当 |
| 3 | 容量は電動機の無効分より大きくする | 不適当。大きくしない |
| 4 | 開路後3分以内に残留電荷を75V以下 | 適当。放電装置の能力 |
不適当なのは選択肢3です。
引っかけの核心は、力率を改善したいのだから大きいほうが効きそうだと感じるところです。無効分を超えて入れると進み過ぎになり、かえって不都合が出ます。
電動機を止めたとき、コンデンサが大きすぎると回転を続ける電動機がコンデンサから励磁を受けて発電機のようにふるまいます。これが自己励磁で、端子に高い電圧が現れます。
| コンデンサ容量 | 力率 | 起きること |
|---|---|---|
| 無効分以下 | 遅れのまま改善 | 問題ない |
| 無効分を超える | 進みになる | 電圧上昇、自己励磁、損失の増加 |
同じ問題が令和7年度 2級 No.20(公表正答1)に出ています。問題文も但し書きも同じで、選択肢4に「コンデンサの容量は、電動機の無効分より大きくないものを選定する」が正しい肢として置かれていました。
そちらで誤りとされたのは選択肢1で、「コンデンサは、手元開閉器よりも電源側に接続する」という書き方でした。令和4年度はこれを「電動機側」の正しい形に直しています。
| 出題 | 接続位置の書かれ方 | 容量の書かれ方 |
|---|---|---|
| 令和7年度 2級 No.20 (公表正答1) |
電源側(誤りの肢) | 大きくないもの(正しい肢) |
| 令和4年度 1級 No.30 (公表正答3) |
電動機側(正しい肢) | 大きくする(誤りの肢) |
2年度を並べると、動かない事実は接続は電動機側・容量は無効分より大きくしないの2つで、どちらを壊すかが入れ替わっているだけだと分かります。
選択肢1の接続位置は、電動機と同時に入り切りされる位置が正しい形です。手元開閉器より電源側に付けると、電動機を止めてもコンデンサだけが系統につながったままになります。
選択肢4の放電装置は、電源を切ったあとコンデンサに残る電荷を逃がすものです。残ったままだと感電の危険があるので、3分以内に75V以下まで下げる能力が求められます。
低圧進相コンデンサの容量を電動機の無効分より大きくすると何が起きるか。
力率が進みになり、電圧上昇や自己励磁が起きます。電動機を止めても回転が続くあいだ発電機のようにふるまい、端子に高い電圧が出ます。
低圧進相コンデンサを手元開閉器より電動機側に接続するのはなぜか。
電動機と同時に入り切りされるようにするためです。電源側だと電動機を止めてもコンデンサだけが系統につながったままになります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月