令和4年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.76は、高圧ケーブルの地絡事故を検出するケーブルシールドの接地方法を示す図として、不適当なものを選ぶ問題です。4つの図はいずれもZCT・CB・シールド接地の位置関係を示しています。
この問題は、ZCTを通る電流が打ち消し合うかどうかを読めるかを問うものです。シールドを流れる地絡電流がZCTを通るなら、接地線は通してはいけません。
両方通すと、ZCTの中で往復して消えます。
正解:選択肢2(引込用で接地線をZCTに通した図)
> この論点をやさしく解説:計器用変流器の二次側を開放してよいか?VT・CT・ZCTで分かれる扱い
| 選択肢 | 図の内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 引込用。ZCTの負荷側で接地。接地線はZCTを通さない | 適当 |
| 2 | 引込用。ZCTの負荷側で接地。接地線をZCTに通す | 不適当。打ち消し合って検出できない |
| 3 | 引出用。ZCTの電源側で接地。接地線をZCTに通す | 適当 |
| 4 | 引出用。ケーブルの負荷側の端で接地 | 適当 |
不適当なのは選択肢2です。
引っかけの核心は、接地線をZCTに通す図が3番にもあり、そちらは正しいところです。通す・通さないのどちらかが常に正しいわけではありません。
ZCTは貫通している導体の電流をすべて足した値を測ります。行きと帰りが両方通れば、合計はゼロです。
高圧ケーブルの導体とシールドの間で地絡が起きたとき、電流は次のように流れます。
| 順 | 経路 |
|---|---|
| 1 | 電源から導体を通って地絡点へ |
| 2 | 地絡点でシールドへ移る |
| 3 | シールドを通って接地点へ |
| 4 | 接地線から大地へ |
引込用は、電源側からケーブルが来てZCTを貫通し、その先の端末でシールドが接地されます。ケーブルのうちZCTより電源側の部分で地絡すると、シールドを流れる電流がZCTを通ります。これが検出の信号です。
ここで接地線までZCTに通すと、シールドの電流と接地線の電流が同じ大きさで逆向きにZCTを貫通します。合計がゼロになり、地絡があっても動きません。選択肢2はこの形です。
引出用は向きが逆で、CBのすぐ先にZCTがあり、その先にケーブルが伸びます。選択肢3はシールドの接地点がZCTの電源側にあるので、そのままだと導体の電流を打ち消してしまいます。だから接地線をZCTに通して、打ち消しを打ち消します。
選択肢4はシールドの接地点がケーブルの負荷側の端にあり、シールドの電流はZCTを通りません。通す必要がないので、そのまま接地します。
引込用ケーブルで、シールドの接地線をZCTに通すとどうなるか。
シールドを流れる地絡電流と接地線の電流が逆向きにZCTを貫通し、合計がゼロになります。地絡があっても検出できません。
引出用ケーブルで、シールドの接地点がZCTの電源側にある場合はどうするか。
接地線をZCTに通します。そのままだとシールドの電流が導体の電流を打ち消してしまうためです。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月