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管路式・暗きょ式・直接埋設式で、条件が混ざるんだけど。
どれがどの方式の話なの?
この記事の要点
地中電線路とは、電線にケーブルを使用し、管路式・暗きょ式・直接埋設式のいずれかで施設する電線路のことです。解釈の条文が、この3つを名指しで並べています。
方式ごとに求められることが違い、直接埋設式だけ埋設深さの数値が出てきます。
表示の規定は管路式と直接埋設式に掛かり、需要場所では電圧を表示します。
3方式は、電線をどうやって地中に納めるかの違いです。
納め方が違うので、求められる守り方も1つずつ変わります。
条文が最初に3つを並べています。
電気設備の技術基準の解釈 第120条第1項(地中電線路の施設)
地中電線路は、電線にケーブルを使用し、かつ、管路式、暗きょ式又は直接埋設式により施設すること。
なお、管路式には電線共同溝(C.C.BOX)方式を、暗きょ式にはキャブ(電力、通信等のケーブルを収納するために道路下に設けるふた掛け式のU字構造物)によるものを、それぞれ含むものとする。
言い換えると、「管に通すか、人が入れる空間に納めるか、土に直接埋めるか」ということです。
まず押さえたいのは、3方式に共通する前提です。
C.C.BOXとキャブは、どちらの方式に入るかが決まっています。名前が独立した第4の方式ではありません。
条文を方式ごとに並べ替えます。
| 方式 | 求められること | 条項 |
|---|---|---|
| 管路式 | 電線を収める管が、車両その他の重量物の圧力に耐えること/高圧・特別高圧では表示を施すこと | 2項 |
| 暗きょ式 | 暗きょが重量物の圧力に耐えること/防火措置(地中電線に耐燃措置を施すか、暗きょ内に自動消火設備を施設する) | 3項 |
| 直接埋設式 | 埋設深さ/衝撃からの防護(堅ろうなトラフその他の防護物に収めるなど)/表示は2項第二号に準じる | 4項 |
防火措置が出てくるのは暗きょ式だけです。人が入れる空間だからこそ、火の回りを止める規定が付きます。
深さは直接埋設式の規定です。
電気設備の技術基準の解釈 第120条第4項第一号
地中電線の埋設深さは、車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所においては1.2m以上、その他の場所においては0.6m以上であること。ただし、使用するケーブルの種類、施設条件等を考慮し、これに加わる圧力に耐えるよう施設する場合はこの限りでない。
例えば、車道の下に直接埋設するなら1.2m以上、車が入らない敷地内なら0.6m以上が目安になります。
表示のほうは、書く中身が場所で変わります。
電気設備の技術基準の解釈 第120条第2項第二号
高圧又は特別高圧の地中電線路には、次により表示を施すこと。ただし、需要場所に施設する高圧地中電線路であって、その長さが15m以下のものにあってはこの限りでない。
イ 物件の名称、管理者名及び電圧(需要場所に施設する場合にあっては、物件の名称及び管理者名を除く。)を表示すること。
ロ おおむね2mの間隔で表示すること。ただし、他人が立ち入らない場所又は当該電線路の位置が十分に認知できる場合は、この限りでない。
読み方を分けます。
需要場所で除かれるのは名称と管理者名であって、電圧ではありません。ここが入れ替えられます。
第1項の「電線にケーブルを使用し」の部分が、繰り返し狙われています。
管路式で耐熱ビニル電線(HIV)を使ったとする肢が、3年度で答えになりました。
令和元年度2級(前期)No.27にも「管路式では、電線に絶縁電線(IV)を使用することができる」という同じ型の肢が並んでいます。
逆に、令和4年度2級第一次検定(前期)No.26では「地中電線路を管路式で施設する場合、電線にCVケーブルを使用した」が正しい側に置かれました(公表正答4は別の肢)。
管路に入れるからといって、電線の種類が自由になるわけではありません。3方式のどれでもケーブルです。
暗きょ式に付く防火措置にも、崩し方があります。
平成29年度 2級 学科試験No.27(公表正答4)
暗きょの長さが10mなので、地中電線の耐燃措置及び暗きょ内の自動消火設備を省略した。
これが誤りとされました。長さが短いことは、防火措置を省く理由になりません。
同じ問の「ケーブルを収める暗きょは、車両その他の重量物の圧力に耐えるものとした」は正しい側です。令和元年度2級(前期)No.27でも、耐燃措置と重量物の圧力の2つがどちらも正しい側に並んでいます。
要件ではなく、方式どうしの得手不得手を問う形です。
令和3年度 2級 第一次検定(前期)No.26(公表正答1)
直接埋設式は、管路式に比べて許容電流が小さい。
これが最も不適当とされました。直接埋設式のほうが許容電流は大きくなります。土に直接触れるので熱が逃げやすいためです。
同じ問で正しい側に置かれたのは次の3つです。
条文の要件を覚えるだけでは、この形には答えられません。
混同しやすい語
1.2mと0.6m:重量物の圧力を受けるおそれがある場所が1.2m以上、その他の場所が0.6m以上です。直接埋設式の規定で、管路式の条文には深さの数値がありません。
管路式とC.C.BOX:電線共同溝(C.C.BOX)方式は管路式に含まれます。別の方式ではありません。
暗きょ式とキャブ:キャブは道路下のふた掛け式U字構造物で、暗きょ式に含まれます。
この条は2級で8年度・9問、1級で1問出ています。表示の中身から必要な項目を落とす形は、そのうち2問です。
| 年度・級・問 | 問われ方 | 誤りとされた記述 |
|---|---|---|
| 令和7年度 2級 第一次検定(後期)No.24 | 需要場所に施設する高圧地中電線路について、解釈上、誤っているものはどれか | 管路式の場合、電圧の表示を省略した埋設表示シートを施設する |
正しくは、需要場所で長さが15mを超えるなら電圧を表示します。省略できるのは物件の名称と管理者名の側です。
同じ問に並んだ「暗きょ式の場合、地中電線に耐燃措置を施す」と「直接埋設式の場合、地中電線を堅ろうなトラフに収める」は、正しい肢に置かれていました。
同じ形は令和3年度にも出ています。令和3年度2級第一次検定(後期)No.26の「管路式で施設した高圧の地中電線路には、電圧の表示を省略できる」が公表正答4で、こちらも設問に「ただし、地中電線路の長さは15mを超えるものとする」と書かれていました。2年度とも、長さの条件を先に置いてから表示を省かせています。
ただし書きの側が正しく使われた年度もあります。令和2年度1級学科試験No.69の「構内の管路式の高圧地中電線路は、長さが15m以下なので電圧の表示を省略した」は、公表正答が1の別の肢だったので正しい側のまま残りました。
15m以下なら省略でき、15mを超えれば電圧を表示する。2つの年度が、この線引きを表と裏から示しています。
需要場所では電圧だけが残る。ここだけ覚えれば表示の問題は落としません。
地中電線路の肢は、次の順に見ます。
地中電線路の3つの方式は何か?
管路式・暗きょ式・直接埋設式です。いずれも電線にケーブルを使用します。電線共同溝は管路式、キャブは暗きょ式に含まれます。
直接埋設式の埋設深さは、場所によっていくつか?
車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所は1.2m以上、その他の場所は0.6m以上です。
需要場所に施設する高圧地中電線路では、表示に何を書くか?
電圧です。物件の名称と管理者名は除かれます。ただし長さが15m以下であれば、表示そのものが要りません。
参考資料
※ この記事の基準・出題の確認日:2026年8月
まちがえやすいポイント
埋設深さの1.2mを「地中電線路はすべて1.2m」と覚えてしまう間違いがあります。
この数値は直接埋設式で、重量物の圧力を受けるおそれがある場所の値です。管路式の条文に深さの数値は出てきません。