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三相再閉路と多相再閉路って、名前が似てるよね。
どっちが一括で、どっちが相ごとなの?
この記事の要点
再閉路方式とは、事故で遮断器がいったん開放されたあと、設定時間が経過してから自動的に投入する方式のことです。
名前は何相を開くかで決まります。三相再閉路方式は三相一括、多相再閉路方式は事故相に応じて開く相を変えます。
この2つの中身を入れ替えた肢が、2年度で答えになりました。
送電線の再閉路方式は、1級に4年度分あります。肢は毎年ほぼ同じ部品で作られていて、誤りは中身を隣の名前に貼り替えて作られます。
まず、再閉路が何をする方式なのかを押さえます。
送電線の事故は、雷などで一瞬つながって終わることがあります。その一瞬のために線路を止めたままにするのは惜しい。そこで遮断器をいったん開き、少し待ってから自動で入れ直します。これが再閉路です。
この動きを書いた肢は、平成27年度1級No.19・令和元年度1級No.19・令和4年度1級No.25・令和7年度1級No.16の4年度すべてで正しい側でした。
4年度とも正しい側に置かれた肢(表現は年度で少し変わる)
遮断器はいったん開放されたのち、設定時間が経過してから自動的に投入される。
待っている間を無電圧時間といい、その長さで区分します。
3年度で正しい側に置かれ、誤りにされたことはありません。高速度再閉路の時間は、令和元年度が「1秒程度」、令和7年度が「1秒以下」と書かれました。
何のために入れ直すのかも、肢に書かれています。停電時間を短くすることと、系統間の連系維持能力を高めることです。令和7年度1級No.16の選択肢2は「再閉路の目的の一つは、系統間の連系維持能力向上である」を正しい側に置きました。
再閉路方式は、事故のときに三相のうち何相を開くかで呼び分けます。
| 方式 | 開く相 | 出題での扱い |
|---|---|---|
| 三相再閉路方式 | 事故が起きた回線を三相一括で遮断し、再閉路する | この書き方が正しい側 |
| 単相再閉路方式 | 1線地絡に限って事故相を選択遮断し、所定時間後に再送電する | 4年度の肢には出ていない |
| 多相再閉路方式 | 事故相に応じて開く相を変える | 「事故相に関わらず三相一括」と書いた肢が答え |
名前がそのまま中身です。三相と付いていれば三相まとめて、多相と付いていれば相ごとに扱います。
多相再閉路には条件があります。平行2回線の送電線で、2回線のうち2相以上が健全で連系が保たれていることです。この条件を満たすので、両回線が同時に事故になっても事故相だけを選んで戻せます。
例えば、雷で1相だけが地絡したとき、多相再閉路なら事故相だけを開いて、残りの相で送り続けられます。三相再閉路は、その回線を三相まとめて開きます。
言い換えると、「名前は開く相の数を指していて、待つ長さはそれとは別の軸で決まる」ということです。
この2つの中身を入れ替えると、そのまま誤りの肢になります。
| 年度・級・問 | 答えになった肢 |
|---|---|
| 平成27年度 1級 学科 No.19 (公表正答は選択肢2) |
故障の除去時には、必ず故障相以外の相も含めた三相すべてをいったん開放する |
| 令和元年度 1級 学科 No.19 (選択肢3) |
三相再閉路方式では、故障相のみを遮断・再閉路する |
| 令和4年度 1級 第一次 No.25 (公表正答は選択肢4) |
再閉路方式は、停電時間を短くするものであり、主に地中送電系統で使用される |
| 令和7年度 1級 第一次 No.16 (公表正答は選択肢3) |
多相再閉路方式では、事故相に関わらず三相一括で遮断・再閉路する |
令和元年度1級No.19と令和7年度1級No.16は、同じ「三相一括」という中身を巡って向きが逆になっています。どちらも選択肢3の位置です。三相再閉路から取り上げ、多相再閉路に貼り付ける。1つの中身を押さえるだけで、2年度分が決まります。
平成27年度は限定の言葉で作られました。「必ず」と書いてありますが、令和元年度には「故障相のみを遮断・再閉路する」という書き方も肢として並んでいます。相ごとに開く方式がある以上、必ず三相すべてとは言えません。
令和4年度の「主に地中送電系統」は、平成29年度1級No.19と一字一句同じ文です。数年おいて再登場しました。再閉路は開いている間に事故が消えていることを当てにする方式なので、系統の書き方には注意が要ります。平成29年度の問題は保護継電方式の出題なので、送電系統の保護継電方式で扱っています。
再閉路が効くのは、開いている間に事故が消える種類のものです。
再閉路は速いほうが望ましいとされます。理由は別の出題に書かれています。
速く戻せば系統は保てますが、入れ直す瞬間にサージが出ます。だから遮断器の性能や保護方式との兼ね合いで、待つ時間を決めることになります。サージから機器を守る避雷器は変電所の構成機器、1つ止まっても続けるという考え方は電力系統の供給信頼度で扱っています。
戻したあとに系統がもつかどうかは、短絡容量や線路定数の側の話になります。
この系統の肢は、次の順に見ます。
混同しやすい語
三相再閉路と多相再閉路:三相再閉路は三相一括、多相再閉路は事故相に応じて開く相を変えます。名前がそのまま中身です。
無電圧時間と設定時間:どちらも遮断器の開放から再閉路までの間を指します。この長さで高速度・中速度・低速度に分かれます。
高速度再閉路と高速度遮断:どちらも安定度の向上対策として並びますが、遮断は切るほう、再閉路は戻すほうです。
停電時間の短縮と連系維持能力の向上:どちらも再閉路の目的として肢に書かれています。
三相再閉路方式と多相再閉路方式は、何が違うか?
開く相です。三相再閉路方式は三相一括で遮断し、多相再閉路方式は事故相に応じて開く相を変えます。名前がそのまま中身になっています。
再閉路は何のために行うのか?
停電時間を短くすることと、系統間の連系維持能力を高めることです。どちらも肢に書かれています。高速度再閉路は電力系統の安定度の向上対策としても正しい側に置かれました。
再閉路方式は何によって区分されるか?
遮断器の開放から再閉路までの無電圧時間です。高速度・中速度・低速度に分かれます。
高速度再閉路方式の時間はどう書かれたか?
令和元年度は1秒程度、令和7年度は1秒以下です。いずれも正しい肢に置かれました。
令和7年度で答えになった肢は何を入れ替えたか?
三相再閉路方式の中身である三相一括を、多相再閉路方式の説明として置いた点です。
この用語が問われた過去問
参考資料
※ この記事の出題の確認日:2026年8月
まちがえやすいポイント
覚えるのは三相再閉路の中身だけで足ります。
三相再閉路方式は三相一括です。これを「故障相のみ」と書けば令和元年度の答えになり、この中身を多相再閉路方式に付け替えれば令和7年度の答えになります。1つの中身が、2年度分の答えを作っています。