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直接接地の問題って、毎年ほぼ同じ4肢だよね。
なのに年によって大きいと書いたり小さいと書いたり。どっちが正しいの?
この記事の要点
中性点接地方式とは、変圧器の中性点を大地とどう接続するかの方式で、直接接地・抵抗接地・消弧リアクトル接地・非接地の4つがあります。
出題は11年度あり、3つの形に分かれます。
直接接地は誘導障害が大きく、健全相の電圧上昇は小さい側です。
中性点接地方式は、1級に4年度・2級に7年度出ています。
1級は直接接地の特徴、2級は方式そのものを選ばせる形が中心です。
中性点接地装置は変電所の構成機器の1つとして問われることもあります。無効電力の調整をする機器と並べて、どれが違うかを選ばせる形です。
変圧器の中性点を大地とどう繋ぐか。直接つなぐか、抵抗を挟むか、リアクトルを挟むか、繋がないか。この4通りが中性点接地方式です。
直接つなぐほど、地絡が起きたときに大地へ流れる電流が大きくなります。電流が大きければ故障を見つけやすく、健全相の電圧も上がりにくい。ただし通信線への誘導障害は大きくなります。この裏表が出題の全部です。
方式ごとに、どう書かれるかを並べます。
| 方式 | 正しい肢での書かれ方 |
|---|---|
| 直接接地方式 | 1線地絡時の地絡電流が大きく、故障の選択遮断が確実となる/保護継電器の動作が確実である/誘導障害が大きい/変圧器の巻線の絶縁を軽減することができる(段絶縁)/健全相の電圧上昇が最も小さい |
| 抵抗接地方式 | 中性点の抵抗で1線地絡時の地絡電流を抑制する |
| 消弧リアクトル接地方式 | 1線地絡時の対地充電電流を自動的に消弧でき、停電及び異常電圧の発生を防止する |
| 非接地方式 | 距離が長くなると、1線地絡時に異常電圧を発生することがある/高圧配電線路で最も多く採用されている |
直接接地の「健全相の電圧上昇が最も小さい」は、令和6年度2級No.6が確定させています。「1線地絡が発生したときの健全相の電圧上昇が最も小さい接地方式」を選ばせ、答えは直接接地方式でした。
だから1級で「1線地絡時の健全相の電圧上昇が大きい」と書いた肢は、平成28年度・令和元年度の2年度とも答えになります。別の級の問が、1級の肢の向きを決めています。
消弧リアクトル接地の正しい説明は、平成25年度1級No.18の選択肢2にあります。誘導障害が大きいのは直接接地の側で、平成27年度1級No.25では「消弧リアクトル接地方式は、1線地絡時に通信線への誘導障害の影響が大きい」が答えになりました。誘導障害の向きは電磁誘導障害でも扱っています。
令和4年度1級No.10は、平成28年度から2か所を書き換えました。
2つとも向きを変えたのに、誤りになったのは誘導障害の側だけです。電圧上昇のほうは、正しい向きへ直されたことになります。この4肢を見たときは、2か所の向きを別々に判断します。片方が正しくても、もう片方が誤りなら答えはそちらです。
残る2肢は3年度とも正しい側でした。「1線地絡時の保護継電器の動作が確実である」(3年度とも選択肢1)と「変圧器の巻線の絶縁を軽減することができる」(3年度とも選択肢4)。絶縁を軽減できる理由は段絶縁で、令和3年度1級No.10の選択肢4が「直接接地では変圧器に段絶縁を施すことが可能となり、経済的である」を正しい側に置いています。変電所に関する記述の側の論点です。
例えば、肢に「消弧リアクトル接地方式は、1線地絡時の誘導障害が大きい」とあれば、そこで切れます。誘導障害が大きいのは中性点を直接つないだ側で、消弧リアクトルは地絡電流を打ち消す向きの方式だからです。
言い換えると、「中性点を大地に強く繋ぐほど地絡電流が増え、誘導障害も増える」ということです。健全相の電圧上昇はその逆で、強く繋ぐほど小さくなります。
2級で最も多い形は、方式の名前を1つ選ばせるものです。平成28年度No.19・平成30年度後期No.20・令和2年度後期No.19・令和5年度後期No.20・令和8年度前期No.17の5年度で、答えはすべて非接地方式でした。
並ぶ他の3つは年度で入れ替わり、補償リアクトル接地方式や高抵抗接地方式が混ざる年度もあります。顔ぶれが変わっても答えは動きません。
地絡が起きたときに配電線をどう守るかは配電線路の保護で扱っています。中性点の接地抵抗器そのものは、変電所の機器を問う形でも繰り返し出ており、地絡故障電流を抑制するために設けられるものとして平成25年度・令和5年度の1級で正しい側に置かれました。
非接地の系統で地絡を見つける機器も問われます。令和元年度2級前期No.19では、零相変流器・接地形計器用変圧器・地絡方向継電器が正しい側で、避雷器だけが答えでした。避雷器は雷から守るもので、地絡の検出には使いません。地絡方向継電器の側で詳しく扱っています。
中性点接地方式は11年度分あり、3つの形に分かれます。
| 問われた形 | 年度 | 答え |
|---|---|---|
| 直接接地の特徴(1級) | 平成28年度・令和元年度・令和4年度 | 電圧上昇か誘導障害 |
| 高圧配電線路の方式(2級) | 平成28年度・平成30年度後期・令和2年度・令和5年度・令和8年度2級前期 | 非接地方式 |
| 電圧上昇が最小の方式(2級) | 令和4年度・令和6年度 | 直接接地方式 |
| 4方式の記述(1級) | 平成27年度 | 消弧リアクトル接地 |
2級の2つの形は、答えが毎年固定されています。1級だけが年度で論点を入れ替えてきます。
この系統の肢は、次の順に見ます。
混同しやすい語
誘導障害と電圧上昇:直接接地では前者が大きく、後者が小さい側です。向きが逆になります。
直接接地と非接地:高圧配電線路で採用されているのは非接地方式です。5年度とも同じ答えでした。
消弧リアクトル接地と直接接地:誘導障害の影響が大きいのは直接接地の側です。
抵抗接地:中性点の抵抗で1線地絡時の地絡電流を抑制するものとして、平成27年度の正しい肢に置かれています。
非接地方式は地絡電流が小さいので、故障を見つける道具も変わります。
いずれも保護継電方式の一部です。直接接地方式なら地絡電流が大きいので過電流継電器でも捉えられますが、非接地方式ではこの組み合わせが要ります。
直接接地方式で健全相の電圧上昇はどうなるか?
小さくなります。2級で電圧上昇が最も小さい方式として2年度とも答えになりました。
高圧配電線路で採用されている接地方式は何か?
非接地方式です。5年度とも同じ答えで、選択肢の並び順だけが変わります。
誘導障害の影響が大きいのはどの方式か?
直接接地方式です。消弧リアクトル接地と結び付けた肢は答えになりました。
直接接地で変圧器の絶縁を軽減できる理由は何か?
段絶縁を施すことが可能になるからです。令和3年度1級の正しい肢に書かれています。
この用語が問われた過去問
参考資料
※ この記事の出題の確認日:2026年8月
まちがえやすいポイント
2つの向きを別々に覚えます。
直接接地は誘導障害が大きく、健全相の電圧上昇は小さい側です。同じ方式でも論点によって向きが逆になるので、まとめて覚えると外します。
覚え方は、地絡電流の大きさから辿るのが確実です。直接つなぐほど地絡電流は大きくなります。電流が大きいから故障を見つけやすく、電流が大きいから通信線への誘導障害も大きい。そして電流が逃げるぶん、健全相の電圧は上がりにくい。
この1本の筋から、4つの特徴が全部出てきます。ばらばらに暗記すると、必ずどれかが逆になります。