令和5年度 1級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.79は、地中電線路の施工に関する記述として、最も不適当なものを選ぶ問題です。
この問題は、プーリングアイが何をする金具かを分かっているかを問うものです。ケーブルを管路へ引き入れるとき、先端に付けて引く金具です。
据え付けた後の滑落を止める部品ではありません。
正解:選択肢4(滑落防止のためプーリングアイ)
> この論点をやさしく解説:地中電線路の施工とは?引入れの向き・滑落防止・管路の材料を整理
| 選択肢 | 内容 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 洞道内でスネーク布設の変曲点で拘束 | 伸縮を逃がす。適当 |
| 2 | 引入れ側の管路口にケーブルガイド | 管路口の角で傷めない。適当 |
| 3 | 屈曲部に近い方のマンホールから引入れ | 張力を小さくできる。適当 |
| 4 | 滑落防止のためプーリングアイ | 引入れ用の金具。不適当 |
不適当なのは選択肢4です。
引っかけの核心は、プーリングアイが管路口に付けるものだという点は合っているので、目的だけが入れ替わっていることに気づきにくいところです。
| 部品 | いつ使うか | 役目 |
|---|---|---|
| プーリングアイ | 引き入れるとき | ケーブルの先端に取り付け、ワイヤで引く |
| 滑落防止装置 | 布設した後 | 傾斜地でケーブルが下へずり落ちるのを止める |
プーリングアイは、ケーブルの導体そのものに取り付けて引っ張る金具です。外側の被覆だけを引くと剥けてしまうので、中の導体に力をかけます。
引き終われば役目は終わりで、先端を切り落として接続します。据え付けた後に残るものではありません。
傾斜地で問題になるのは、ケーブル自身の重さです。
| 起きること | 内容 |
|---|---|
| 熱で伸び縮みする | 電流が流れると温まって伸び、止まると縮む |
| 傾斜があると | 伸びた分が下へ寄り、縮むときに戻りきらない |
| 繰り返すと | 少しずつ下がっていく(滑落) |
これを止めるには、上端側でケーブルを管路や支持物へ固定します。専用の滑落防止装置やクリートを使います。
選択肢1のスネーク布設は、洞道の中でわざと蛇行させて置く方法です。
まっすぐ置くと、熱で伸びたときに逃げ場がなく、どこかで曲がって被覆を傷めます。あらかじめ蛇行させておけば、伸縮を横の動きで吸収できます。
拘束するのは曲がりの向きが変わる点(変曲点)です。ここを押さえておけば、蛇行の形が崩れずに保たれます。
選択肢2のケーブルガイドは、管路口に付ける案内具です。管の縁は角になっているので、そのままこすれると被覆が削れます。滑らかな面に沿わせて入れます。
選択肢3は、引入れの向きの選び方です。
| 引入れの向き | 張力 |
|---|---|
| 屈曲部に近い方から入れる | 屈曲を通る前の長さが短く、張力が小さい |
| 遠い方から入れる | 長い直線を引きずってから曲がるので張力が大きい |
屈曲部では摩擦が急に増えます。そこへ到達する前の摩擦が少ないほど、全体の張力を抑えられます。
プーリングアイは何をする金具か。
ケーブルを管路へ引き入れるとき、先端の導体に取り付けてワイヤで引くための金具です。引き終われば切り落とします。
スネーク布設をするのはなぜか。
ケーブルの熱伸縮を横の動きで吸収するためです。まっすぐ置くと伸びたときに逃げ場がなく、被覆を傷めます。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月