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光ファイバって、曲がってるのになんで光が外に漏れないの?
シングルモードとマルチモードの使い分けも分からない…。
この記事の要点
光ファイバとは、光信号を伝達できる繊維状の導波路からなる伝送媒体のことです。
中心のコアは屈折率が高く、その外側のクラッドは屈折率が低くなっています。この差があるから、光は境界で全反射してコアの中に閉じ込められます。
コア径が小さく長距離に強いのがシングルモード、コア径が大きく伝送帯域の狭いのがマルチモードです。
光ファイバが光を運べるのは、コアとクラッドの屈折率に差をつけてあるからです。
この向きさえ押さえれば、モードの違いも同じ理屈で説明がつきます。
光ファイバは、髪の毛ほどの細さのガラス繊維です。
断面は二重になっていて、中心部をコア、その外側を覆う層をクラッドと呼びます。光が通るのはコアだけです。
光は、屈折率の異なる物質の境界に浅い角度で入ると、境界を突き抜けずにはね返ります。これが全反射です。
屈折率の高いコアから低いクラッドへ向かう光は、境界で全反射してコアの中へ戻されます。
この反射を繰り返しながら、光はコアの中を進んでいきます。ファイバが多少曲がっても光が漏れないのは、この仕組みのためです。
この向きは、出題で最もよく反転されます。
正しいのはコアが高く、クラッドが低いほうです。逆にすると、光はコアの中に留まれません。
言い換えると、「中心のほうが屈折率が高い」ということです。
例えば令和3年度1級No.47では「光ファイバは、光の屈折率の高いコア(中心部)とその外側の屈折率の低いクラッドから構成されている」が正しい肢として置かれていました。
逆向きに書いた「屈折率の低いコアと、その外側の屈折率の高いクラッド」は、令和7年度1級No.44で最も不適当な肢とされています。
コアの太さを変えると、光の通り方が変わります。
コア径が小さいと、光は1本の道すじ(モード)でしか進めません。これがシングルモードです。
コア径が大きいと、光は角度の違う何本もの道すじに分かれて進みます。これがマルチモードです。
道すじが分かれると、遠回りした光と最短で進んだ光とで到着時刻がずれます。距離が長いほどこのずれが積もり、信号の波形がなまります。
だから長距離伝送に適しているのはシングルモードです。
出題で正しい肢として置かれた記述を並べると、次のようになります。
| 項目 | シングルモード | マルチモード |
|---|---|---|
| コア径 | 小さい | 大きい |
| 長距離伝送 | 適している | 向かない |
| 伝送帯域 | 広い | 狭い |
マルチモードには、屈折率分布によってステップインデックス型とグレーデッドインデックス型がある、という肢も正しい側に置かれています。
損失の測り方と接続は光ファイバの損失に、通線や曲げ半径は光ファイバの施工にまとめました。
光ファイバが選ばれるのは、金属の電線では届かない条件があるからです。
最後の点が施工では効きます。光ファイバは電磁誘導を受けないので、高圧電線や誘導雷サージの影響を避けたい経路に向きます。
ただし、ケーブルの中に金属の補強材(テンションメンバ)が入っていると、そこが誘導を拾います。そのため金属部材を使わないノンメタリック型の光ファイバケーブルが、電磁誘導対策として正しい肢に置かれています。
この4つの特徴は、2級でもそのまま問われました。令和4年度 2級(前期)No.29は「光ファイバ通信の特徴」を問う形で、選択肢1が伝送損失が少ない、選択肢2が伝送帯域が広い、選択肢4が細く軽量。選択肢3の「光ファイバは電磁誘導の影響を受けやすい」だけが最も不適当な肢とされました。
比べる相手のメタルケーブルの側は、UTPケーブルの施工で扱っています。
1級で5年度、ほぼ同じ論点で出ています。引っかけは大きく2つです。
| 年度・級・問 | 誤りとされた記述 |
|---|---|
| 平成27年度 1級 学科 No.43 | マルチモードは、シングルモードと比べて長距離伝送に適している ←② |
| 令和元年度 1級 学科 No.43 | クラッドは、コアより屈折率が高い ←① |
| 令和3年度 1級 第一次 No.47 | シングルモードは、伝送損失が大きく長距離伝送に適さない ←② |
| 令和6年度 1級 第一次 No.38 | マルチモードは、シングルモードと比べて長距離伝送に適している ←② |
| 令和7年度 1級 第一次 No.44 | 屈折率の低いコアと、その外側の屈折率の高いクラッド ←① |
5問のうち3問が②、2問が①でした。この2つを押さえれば5年度分が読めることになります。
「光が全反射しながらコアの中を伝搬する」は令和元年度と令和6年度の2年度、「テンションメンバ等への電磁誘導対策にはノンメタリック型の光ファイバケーブルが有効である」は平成28年度 1級 No.48、平成30年度 1級 No.48、令和6年度 1級 No.38の3年度で、いずれも正しい肢として置かれています。平成28年度と平成30年度は屈折率やモードではなく、接続方法や損失測定が主題の問でした。
屈折率が高いのはコア。長距離はシングルモードです。
混同しやすい語
コアとクラッド:中心がコアで屈折率が高く、外側がクラッドで屈折率が低いという向きです。
シングルモードとマルチモード:コア径が小さく長距離に強いのがシングルモード、コア径が大きく帯域が狭いのがマルチモードとして出題されています。
メタリック型とノンメタリック型:ケーブル内の補強材や外装に金属を使うのがメタリック型、使わないのがノンメタリック型です。電磁誘導を避けたい経路にはノンメタリック型を選びます。
コアとクラッドでは、どちらの屈折率が高いか?
コアです。外側のクラッドのほうが低くなります。
長距離伝送に適しているのはどちらのモードか?
シングルモードです。マルチモードではありません。
コア径が大きいのはどちらのモードか?
マルチモードです。シングルモードはコア径が小さく、単一のモードで伝搬します。
この用語が問われた過去問
参考資料
※ この記事の出題の確認日:2026年8月
まちがえやすいポイント
「シングル」という言葉から、単純で性能が低いほうだと思い込むと逆に覚えます。
単一のモードだけを通すから、ぼやけずに遠くまで届くという向きです。コア径が小さいほうが長距離に強くなります。