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接続工法と通線の器具が、毎回入れ替わるんだけど。
どっちも「それらしい名前」で、見ただけじゃ決められない…。
この記事の要点
光ファイバケーブルの施工とは、管路への通線とマンホールでの心線接続を中心とした作業のことです。
接続の方法は融着接続と光コネクタの2つだけです。
敷設で引くのはテンションメンバで、シースではありません。
光ファイバケーブルの施工は、公共建築工事標準仕様書の第8節に定められています。
決まっているのは、心線をどう接続するか、ケーブルをどこで引くか、種類ごとにどう扱うかの3点です。光ファイバはガラスなので、電線と同じ感覚で引くと壊れます。
| 論点 | 条文(標準仕様書 第8節) | 差し替えられた語 |
|---|---|---|
| 心線の接続 | 融着接続又は光コネクタによる接続(2.8.4(1)) | 圧着接続工法(2年度で答え) |
| 敷設で引く場所 | テンションメンバに延線用より戻し金物を取付ける(2.8.2(5)) | ケーブルシースに張力をかけて引っ張った(1年度で答え) |
| 接続部の収め方 | 接続箱に収めて保護する(2.8.4(4)) | 固定金物へ固定する(1年度で答え) |
| ケーブルの種類 | ノンメタリックは電力ケーブルと並行/メタリックは接地 | (無い) |
構内情報通信網では、LANの機器どうしを結ぶ幹線に光ファイバを使います。距離が伸びる区間ほど、接続の良し悪しがそのまま伝送に効きます。
公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)令和7年版 2.8.4 光ファイバケーブル相互の接続
(1) 光ファイバケーブル相互の接続は、アーク放電による融着接続又は光コネクタによる接続とする。融着接続による1箇所の最大挿入損失は0.3dB以下、コネクタ接続による1箇所の最大挿入損失は0.75dB以下とする。
なお、光ファイバケーブルの接続を融着接続とする場合は、JIS C 6841「光ファイバ心線融着接続方法」による。
(4) 接続部は、接続箱に収めて保護する。
条文が挙げているのは2つだけで、圧着接続工法はありません。出題は、この2つのうち融着接続を「圧着接続」に差し替える形で作られます。
クロージャに収容するところまでは3年度とも同じです。工法名だけが融着から圧着へ差し替えられます。圧着は電線の端子や接続に使う方法で、ガラスの心線には使いません。
管路に引き入れる作業そのものは地中電線路の施工と共通で、屈曲部に近い側のマンホールから引き入れる、引入側の管路口にケーブルガイドを付けるといった手当ては同じです。違うのは、張力を受ける場所です。
同 2.8.2 光ファイバケーブルの敷設
(2) 支持又は固定する場合には、光ファイバケーブルに外圧又は張力が加わらないようにする。
(4) 光ファイバケーブルに加わる張力及び側圧は、許容張力及び許容側圧以下とする。
(5) 光ファイバケーブルの敷設時には、テンションメンバに延線用より戻し金物を取付け、一定の速度で敷設し、張力の変動や衝撃を与えないようにする。
テンションメンバは、ケーブルの中心にある張力を受け持つ部材です。引くときの力はここで受けます。外側のシースを引っ張ると、中の心線に力がかかります。
プーリングアイは通線では正しい側です。ただし地中電線路の施工では、傾斜地の滑落を止める器具として書かれて答えになりました。引くための金具であって、止めるための金具ではありません。
平成28年度 1級 No.48 選択肢1(答え)
光ファイバケーブル心線のメカニカル接続は、融着接続に比べて接続作業に要する時間が短く、接続損失も少ない。
時間が短いのは合っていますが、接続損失はメカニカル接続のほうが大きいのが正しい向きです。融着はガラスどうしを溶かして繋ぐので、境目が残りません。接続の損失は方法ごとに値が決まっています。
例えば、肢に「圧着接続工法でクロージャに収容した」とあれば、そこで切れます。光ファイバに圧着接続という方法はなく、令和3年度と令和7年度はこの語を入れて答えにしました。
言い換えると、「接続の方法は融着とコネクタの2つしかない」ということです。3つ目の名前が出てきたら、その時点で外れます。
ノンメタリック形は金属の補強材を持たないので、電磁誘導を拾いません。電力ケーブルと並べて敷けるのはこのためです。メタリック形はテンションメンバとアルミテープを接地します。
ノンメタリックとメタリックの扱いは動きません。ノンメタリックが正しい側に置かれたのは、光ファイバの性質を問う出題まで数えると平成25年度・平成27年度・平成28年度・平成30年度・令和3年度・令和6年度・令和7年度の7年度で、いずれも1級です。
金属を含まないから並行敷設でき、含むから接地するという向きで固定されています。ノンメタリックという語を見たら、並行敷設の肢は飛ばせます。
塩害区域の橋梁区間に繊維強化プラスチック管(FRP管)を使う肢も、令和3年度 選択肢1で正しい側でした。光ファイバそのものの構造は別の記事で扱っています。
2級は令和7年度後期の1問だけで、地中配線の敷設を問う形でした。
令和7年度 2級 第一次(後期)No.29 選択肢3(答え)
ハンドホール内では、接続部及び引き通し部ともに光ケーブルに必要長を確保し、固定金物へ固定する。
条文は、接続部の扱いをこう定めています。
同 2.8.4 (4)/2.8.2 (2)
(4) 接続部は、接続箱に収めて保護する。なお、融着後心線を収める場合の曲げ半径は30mm以上とし、心線は突起物等に接しないように収める。
(2) 支持又は固定する場合には、光ファイバケーブルに外圧又は張力が加わらないようにする。
接続部を収めるのは接続箱で、固定金物ではありません。同じ問題の他の3つは正しい側でした。敷設前に管路径に合ったマンドリルまたはテストケーブルで通過試験を行うこと、ハンドホールごとに人を配置して許容張力と許容曲率を確認すること、クロージャ内の気密を確認する試験を行うことが並びました。
挿入損失も一緒に定められています。融着接続は1箇所0.3dB以下、コネクタ接続は1箇所0.75dB以下で、融着のほうが小さくなります。数値まで問う出題は光ファイバの損失測定で扱っています。
混同しやすい語
融着接続と圧着接続:光ファイバの心線接続で正しいのは融着接続です。圧着と書いたら答えになります。
ケーブルグリップとプーリングアイ:通線ではプーリングアイが正しい側でした。ケーブルシースに張力をかける書き方は答えになります。
ノンメタリックとメタリック:前者は電力ケーブルと並行布設でき、後者はテンションメンバとアルミテープを接地します。
クロージャ:接続部を収容する容器です。正しい側にも答えの肢にも出てきます。誤りにされるのは中に書かれた工法名のほうです。
光ファイバケーブルの施工は、平成27年度・令和3年度・令和7年度の3年度に4問です。令和7年度だけ1級と2級の両方に出ました。答えになった肢は次のとおりです。
4問とも、条文の語を1つだけ別の語に差し替えた形です。ケーブルの種類を書いた肢は一度も誤りにされていません。
肢は次の順に見ます。まず接続工法を探し、圧着と書いてあればそこが答えです。次に通線の書き方を読み、シースに張力をかけるなら答え、先端にプーリングアイなら正しい側です。ノンメタリックの並行敷設とテンションメンバの接地は飛ばして構いません。コアやモードの話が出てきたら、光ファイバの性質を問う別の問です。
マンホールでの心線接続はどの工法か?
融着接続工法です。圧着接続と書いた肢が2年度とも答えになりました。
管路への通線には何を使うか?
ケーブルの先端にプーリングアイを用います。シースに張力をかける書き方は答えになりました。
ノンメタリックケーブルはどう扱われたか?
電力ケーブルと並行して布設できる側です。3年度とも正しい肢に置かれました。
メタリック形ケーブルでは何を接地するか?
テンションメンバとアルミテープです。2年度とも正しい側でした。
この用語が問われた過去問
参考資料
※ この記事の出題の確認日:2026年8月
まちがえやすいポイント
接続の方法は2つだけです。
条文が挙げているのは融着接続と光コネクタによる接続で、圧着接続はありません。ケーブル相互は融着、機器との接続はコネクタ、という使い分けです。