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管の名前が並ぶと、覚えていないと手が止まる…。
異種管の接続って、どうするのが正しいの?
この記事の要点
管路工事とは、地中電線路でケーブルを通すための管を敷設する工事のことです。
異種管の接続に使うのは異物継手です。
管の材料は、軟弱地盤という語が付くかどうかで正誤が変わります。
需要場所の高圧地中電線路の管路工事は、1級で4年度出ています。
答えになったのは2つの論点だけです。どちらも公共建築工事標準仕様書と出題の正答肢で確かめられます。
3年度で答えになったのは、防水鋳鉄管と波付硬質合成樹脂管(FEP)をねじ切りの鋼管継手でつないだ肢です。
公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)令和7年版 2.12.4 管路等の敷設
(4) 管相互の接続は、管内に水が浸入し難いように接続する。
なお、異種管の接続には、異物継手を使用する。
防水鋳鉄管は鋳鉄、FEPは合成樹脂で、材質が違います。異種管なので異物継手を使うのが正しい形で、ねじを切ってつなぐ鋼管継手は使えません。
正しい形も、出題の中に置かれています。
令和3年度 1級 第一次 No.79 選択肢1(正しい側)
防水鋳鉄管と波付硬質合成樹脂管(FEP)の接続に、異物継手を使用した。
管の名前が変わっても同じです。平成28年度1級No.67の選択肢3では「亜鉛メッキ鋼管(GP)と強化プラスチック複合管(PFP)の接続は、異物継手で行った」が正しい側でした。鋼管と樹脂管という組合せで、こちらも異種管です。材質の違う管をつなぐときの継手だと覚えておけば、名前を覚え直さずに済みます。屋内の管どうしの接続については金属管配線で扱っています。
硬質塩化ビニル電線管(VE)は、3年度で正しい側に置かれています。
平成25年度 選択肢1/平成30年度 選択肢1/令和6年度 選択肢1(3年度とも正しい側)
管路に硬質塩化ビニル電線管(VE)を使用した。
ところが、令和3年度だけは同じVEが答えになりました。
令和3年度 1級 第一次 No.79 選択肢2(答え)
軟弱地盤の管路に、硬質塩化ビニル電線管(VE)を使用した。
付いた語は「軟弱地盤の」だけです。同じ語は平成30年度と令和6年度の選択肢2にも付いていて、そちらは「軟弱地盤なので、単位区間ごとに管路導通試験器を通して配管した」で正しい側でした。軟弱地盤という語は、付く相手で正誤が逆になります。VEに付いていれば誤り、管路導通試験器に付いていれば正しい側です。
例えば、「軟弱地盤なので硬質ビニル管(VE)を使用した」は誤りです。同じ「軟弱地盤なので」でも、「管路導通試験器を通して配管した」なら正しい側でした。
言い換えると、「語そのものに正誤があるのではなく、どの語に付いているかで決まる」ということです。
残る肢は、いずれも正しい側でした。
同 2.12.4 管路等の敷設(抜粋)
(8) 硬質ビニル管、波付硬質合成樹脂管等の敷設は、良質土又は砂を均一に5cm程度敷きならした後に管を敷設し、管の上部を同質の土又は砂を用いて締固める。
(9) 地中配線には、標識シート等を2倍長以上重ね合わせて管頂と地表面(舗装のある場合は、舗装下面)のほぼ中間に設け、おおむね2mの間隔で用途又は電圧種別等を、表示する。
平成30年度 選択肢4の「管路材周辺は、小石や砕石を含まない土砂を締固め、すき間がないように埋戻した」は、この(8)に沿った形です。ほかに正しい側で出たのは、平成25年度 選択肢2のボビン(管路通過試験器)、平成25年度 選択肢4の舗装面の埋設表示に金属製の鋲、令和3年度 選択肢3の金属製管路材の接地工事の省略、令和3年度 選択肢4と令和6年度 選択肢3の地中箱内で中間接続したケーブルの固定です。
| 論点 | 正しい形 | 答えにされた形 |
|---|---|---|
| 異種管の接続 | 異物継手を使用する(仕様書 2.12.4(4)) | ねじ切りの鋼管継手を使用した |
| 管の材料 | 管路に硬質塩化ビニル電線管(VE)を使用した | 軟弱地盤の管路にVEを使用した |
| 軟弱地盤での確認 | 単位区間ごとに管路導通試験器を通して配管した | (無い) |
| 埋戻し | 小石や砕石を含まない土砂で締固める(仕様書 2.12.4(8)) | (無い) |
| 地中箱内の接続 | ケーブルを地中箱の壁に固定した | (無い) |
地中電線路の施工は、出題の場面で分かれます。
場面で分かれる4つの出題
管路をつくる場面(この記事):管の材料、管どうしの接続、埋戻し、地中箱への固定が論点です。
ケーブルを引き入れる場面:屈曲部からの向き、傾斜地の滑落防止の器具、マンホール内のオフセットが論点です。
方式を選ぶ場面:直接埋設式、管路式、暗きょ式の使い分けと埋設深さが論点です。
埋設工法を選ぶ場面:開削工法、刃口推進工法、小口径推進工法、セミシールド工法、シールド工法という工法の名前が並びます。地中送電線路の問で、1級に3問、2級に4問あります。
管の名前が並んでいれば、この記事の場面です。引入れの側では、令和4年度に管路の材料が答えになった年度もあります。
需要場所の高圧地中電線路の管路工事は、1級で4年度分です。
| 年度・級・問 | 答えになった肢 | 肢の位置 |
|---|---|---|
| 平成25年度 1級 学科 No.67 | 防水鋳鉄管とFEPの接続にねじ切りの鋼管継手 | 選択肢3 |
| 平成30年度 1級 学科 No.67 | 防水鋳鉄管とFEPの接続にねじ切りの鋼管継手 | 選択肢3 |
| 令和3年度 1級 第一次 No.79 | 軟弱地盤の管路に硬質塩化ビニル電線管(VE) | 選択肢2 |
| 令和6年度 1級 第一次 No.76 | 防水鋳鉄管とFEPの接続にねじきりの鋼管継手 | 選択肢4 |
令和3年度だけが管の材料、残る3年度は接続が答えです。令和3年度は、その代わりに接続の肢が「異物継手」で正しい側に置かれています。
肢は次の順に見ます。まず防水鋳鉄管を探し、ねじ切りの鋼管継手と書いてあればそこが答えです。異物継手ならその肢は正しい側なので、次に軟弱地盤の語を探します。VEに付いていれば誤り、管路導通試験器に付いていれば正しい側です。埋戻し・地中箱・接地の肢は飛ばして構いません。
屈曲部や傾斜地が出てきたらケーブルの引入れを問う別の問、埋設深さが出てきたら地中電線路の方式を問う別の問です。
防水鋳鉄管とFEPの接続には何を使うか?
異物継手です。公共建築工事標準仕様書 2.12.4(4)が「異種管の接続には、異物継手を使用する」と定めています。ねじ切りの鋼管継手を使ったとする肢が3年度で答えになりました。
硬質塩化ビニル電線管(VE)が誤りにされたのはどんな書き方のときか?
「軟弱地盤の管路に使用した」と書かれたときです。ただ「管路に使用した」だけなら3年度とも正しい側でした。
軟弱地盤で正しい側に置かれた肢は何か?
単位区間ごとに管路導通試験器を通して配管した、という肢です。同じ「軟弱地盤」の語が、付く相手で逆の働きをします。
管路材周辺の埋戻しはどうすると書かれているか?
小石や砕石を含まない土砂を締固め、すき間がないように埋戻すと書かれています。
この用語が問われた過去問
参考資料
※ この記事の出題の確認日:2026年8月
まちがえやすいポイント
「軟弱地盤」の語がどこに付いているかを見ます。
軟弱地盤は、管路導通試験器の肢に付けば正しい側、VEの肢に付けば誤りになります。同じ語が、付く相手で逆の働きをします。
接続のほうは覚えやすい形です。材質が違う管をつなぐなら異物継手で、ねじを切ってつなぐ鋼管継手は樹脂管には使えません。