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「支持点」と「支持点間」って、一字しか違わないよね。
それで正誤が逆になるって、どこで見分けるの?
この記事の要点
高圧架空配電線路の施工とは、電柱に架けた電線を接続し、分岐させ、引き留める作業のことです。
引留支持に使うのは高圧耐張がいしで、玉がいしは支線に使います。
張力が加わる分岐は、電線の支持点で行います。
高圧架空配電線路の施工は、2級で6年度に出ています。
並ぶ肢はほぼ同じで、答えになるのは引留支持のがいしと分岐の位置の2つだけです。まず答えになる側から見ます。
6年度のうち4年度で、引留支持のがいしが答えになりました。
正しい側に置かれるのは高圧耐張がいしだけです。では玉がいしは何に使うのか。条文に書かれています。
公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)令和7年版 2.11.5 支線及び支柱
(7) 支線には、支線が切断した場合であっても地表上2.5m以上となる位置に玉がいしを取付ける。
玉がいしは支線に使うものです。支線が切れて垂れ下がったとき、電線に触れても地上へ電気が流れないように途中を絶縁します。電線そのものを引き留める役目ではありません。
この正しい形も、出題の中に置かれています。令和2年度2級(後期)No.41の選択肢2「支線の玉がいしは、支線が断線したときに地表上2.5m以上となる位置に取付けた」が正しい側で、条文の値そのままでした。同じ電柱に取り付ける変圧器の側は柱上変圧器の施工で扱っています。
例えば、肢に「引留支持に玉がいしを使用した」とあれば、そこで切れます。玉がいしは支線に入れるもので、電線を引き留める側には高圧耐張がいしを使います。
言い換えると、「がいしは名前ではなく、どこに付くかで決まる」ということです。引留なら電線側、玉がいしなら支線側です。
電柱そのものの建て方は高圧架空配電線路の電柱で、柱に載せる機器は柱上変圧器で扱っています。がいしと電線の話は、その上に乗る部分です。
もう1つの答えは分岐の位置です。根拠は電気設備の技術基準の解釈 第54条です。
電気設備の技術基準の解釈 第54条【架空電線の分岐】(省令第7条)
架空電線の分岐は、電線の支持点ですること。ただし、次の各号のいずれかにより施設する場合はこの限りでない。
一 電線にケーブルを使用する場合
二 分岐点において電線に張力が加わらないように施設する場合
覚えるのは「支持点で」の5文字です。同じ論点が2年度に置かれ、片方が誤り、もう片方が正しい側でした。
「支持点」と「支持点間」の一字違いです。支持点間と書いてあれば、条文の言葉から外れています。
第54条にはただし書きが2つありますが、どちらもこの肢では使えません。一号の「電線にケーブルを使用する場合」は、肢が絶縁電線なので外れます。二号の「分岐点において電線に張力が加わらないように施設する場合」は、肢が張力が加わると前置きしているので外れます。問題文の前置きが、逃げ道を先に塞いでいます。
電線をつなぐ側の肢は、一度も誤りにされていません。
接続と架線については、条文も同じことを言っています。
同 2.11.4 架線
(1) 架線は、原則として径間の途中で接続を行ってはならない。
(3) 絶縁電線相互の接続箇所は、カバー又はテープ巻きにより絶縁処理を施す。
(3)が絶縁カバーの肢の根拠です。(1)は、分岐を支持点で行うという第54条と同じ向きの規定になります。
この3つは書き換えられたことがありません。読み飛ばして構いません。
| 論点 | 正しい形 | 答えにされた形 |
|---|---|---|
| 引留支持のがいし | 高圧耐張がいし(令和2年度 選択肢4・令和4年度 選択肢4) | 玉がいし(3年度)/多溝がいし(1年度) |
| 分岐の位置 | 電線の支持点で分岐する(解釈 第54条) | 電線の支持点間で行った(1年度) |
| 玉がいしの用途 | 支線に取り付ける。断線しても地表上2.5m以上(仕様書 2.11.5(7)) | (無い。電線側に持ち込むと誤り) |
| 接続 | 圧縮スリーブを使用する | (無い。6年度とも正しい側) |
| 接続部の絶縁 | 絶縁電線と同等以上の絶縁効果を有するカバー(仕様書 2.11.4(3)) | (無い) |
混同しやすい語
支持点と支持点間:分岐は支持点で行います。支持点間は電線が張られている途中の区間で、条文の言葉ではありません。
ただし書き一号と二号:一号はケーブルを使う場合、二号は分岐点に張力が加わらない場合です。肢が「絶縁電線」で「張力が加わる」と書いていれば、どちらも外れます。
玉がいしと高圧耐張がいし:玉がいしは支線、高圧耐張がいしは電線の引留めに使います。入れ替えた肢が答えになりました。
多溝がいしと高圧耐張がいし:引留め支持に多溝がいしとした肢は、令和6年度前期と、電柱の施工で出た平成27年度の2年度で誤りにされています。
圧縮スリーブと圧縮型分岐スリーブ:どちらも接続に使い、正しい側に置かれます。
答えになった肢を年度ごとに並べます。
6年度のうち4年度は引留支持のがいしが答えです。令和7年度前期は分岐の肢を正しい形で置き、答えを引留めに移しました。同じ論点が年度をまたいで表と裏で使われています。令和2年度だけは電柱の根入れが答えで、これは電柱の施工で扱っています。
肢は次の順に見ます。まず引留支持のがいしを確認し、高圧耐張がいし以外ならそこが答えです。次に分岐の位置を読み、支持点間なら誤りです。圧縮スリーブ・絶縁カバー・張線器は、出た年度すべてで正しい側でした。「張力が加わる」という前置きがあれば、第54条のただし書きは使えません。
架空電線の分岐はどこで行うか?
電線の支持点です(第54条本則)。支持点間で行ったと書いた肢は誤りにされました。
第54条のただし書きが使えるのはどんな場合か?
電線にケーブルを使用する場合と、分岐点において電線に張力が加わらないように施設する場合です。肢が「張力が加わる絶縁電線」であれば、どちらにもあてはまりません。
電線の引留め支持に使うと正しい側になるのは?
高圧耐張がいしです。多溝がいしと玉がいしを使ったと書いた肢は、それぞれ別の年度で答えになりました。
電線の接続に使う部材で正しい側だったものは?
圧縮スリーブです。接続部を覆う絶縁カバー、たるみを調整する張線器も正しい側でした。
参考資料
※ この記事の出題の確認日:2026年8月
まちがえやすいポイント
がいしは名前ではなく行き先で覚えます。
電線を引き留めるのは高圧耐張がいし、支線に付けるのは玉がいしです。この2つを入れ替えた肢が3年度で答えになりました。
多溝がいしを引留支持に置いた年度も1年度あります。電柱の施工でも平成27年度に多溝がいしが答えになっており、同じ論点が繰り返されています。