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A種とD種で同じ機器が肢に出てくると、混乱するんだよね。
避雷器の接地って、結局どっちなの?
この記事の要点
接地工事の種別とは、電圧や機器の種類ごとに定められた接地の区分のことです。
種別は、施す箇所ごとに条文で決められています。
答えになるのは、別の種別に属する箇所を1つ混ぜた肢です。
接地工事の種別は、電気設備の技術基準の解釈が箇所ごとに定めています。
どの機器にどの種別を施すかは、電圧の高さと、その機器が人の触れる側にあるかで決まります。
4つの種別は、守る対象と電圧で分かれます。
上限の値と緩和は接地抵抗値の判定で分かれ、実際に測る方法は接地抵抗の測定で扱っています。
誤りにされたのは、いずれも種別が違う箇所でした。
問が指す種別と、条文が定める種別が食い違う箇所が答えです。4年度で使われたのが「変圧器の低圧側の中性点」で、これはB種です。
もう一つ繰り返されているのが、使用電圧400Vの電動機の鉄台です。300Vを超える低圧なのでC種で、D種の側に置くと答えになります。平成26年度と平成29年度の2年度で使われました。
電気設備の技術基準の解釈 第24条【高圧又は特別高圧と低圧との混触による危険防止施設】
高圧電路又は特別高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器には、次の各号によりB種接地工事を施すこと。
一 次のいずれかの箇所に接地工事を施すこと。
イ 低圧側の中性点
ロ 低圧電路の使用電圧が300V以下の場合において、接地工事を低圧側の中性点に施し難いときは、低圧側の1端子
ハ 低圧電路が非接地である場合においては、高圧巻線又は特別高圧巻線と低圧巻線との間に設けた金属製の混触防止板
条文はB種と名指ししています。高圧でも特別高圧でも、結合する相手が低圧電路ならB種です。だからA種を問う年度でもD種を問う年度でも、同じ箇所が答えになります。B種の接地抵抗値の求め方はB種接地工事の接地抵抗値で扱っています。
例えば、肢に「高圧計器用変成器の鉄心にD種接地工事を施した」とあれば、そこで切れます。高圧の計器用変成器はA種です。D種になるのは低圧側の機器です。
言い換えると、「高圧・特別高圧に触れる側がA種、低圧側がC種かD種」ということです。B種だけは変圧器の混触を防ぐためのもので、置き場所ではなく役割で決まります。
避雷器の種別は、条文にそのまま書かれています。
電気設備の技術基準の解釈 第37条第3項(避雷器等の施設)
高圧及び特別高圧の電路に施設する避雷器には、A種接地工事を施すこと。
令和6年度2級ではD種の箇所として挙げられて答えになり、同じ令和6年度の1級ではA種の箇所として正しい側に置かれています。避雷器はA種で、D種の問に混ざっていたらそれが答えです。
水中照明灯の容器も、条文で種別が決まります。
電気設備の技術基準の解釈 第187条第1項第四号(水中照明灯の施設)
次に掲げるものは、相互に電気的に完全に接続し、これにC種接地工事を施すこと。
イ 第一号に規定する容器の金属製部分
容器の金属製部分はC種です。D種を問う平成28年度に混ざっていたので答えになりました。
計器用変成器は、高圧か特別高圧かで種別が変わります。
| 箇所 | 出題での扱い |
|---|---|
| 高圧計器用変成器の二次側電路 | D種の問では正しい側(平成28年度・令和3年度2級・令和6年度2級)。A種の問では答え(令和6年度1級) |
| 特別高圧計器用変成器の二次側電路 | A種の問で正しい側(平成25年度) |
高圧か特別高圧かを読み落とすと逆になります。
条文で種別が決まる箇所
避雷器:第37条第3項でA種と定められています。
水中照明灯の容器の金属製部分:第187条第1項第四号でC種と定められています。
高圧と特別高圧の計器用変成器:出題では扱いが分かれ、高圧はD種、特別高圧はA種の側に置かれます。
接地工事の省略:施す箇所とは別の問で、管や線ぴの長さが論点になります。
接地工事の種別を問う形は、1級と2級を合わせて10年度に出ています。うち9年度は「◯種を施す箇所」を並べる形、平成26年度1級No.37だけが接地線の太さ・埋設深さ・抵抗値を混ぜた形です。
箇所ではなく接地線そのものを狂わせた年度もあります。令和3年度1級No.37は「A種接地工事の接地線は、直径2.0mm以上の軟銅線を使用する」を誤りとしました。A種は直径2.6mm以上で、2.0mmでは足りません。同じ問の「人が触れるおそれがある高圧電路に施設する機械器具の金属製の台及び外箱」「特別高圧計器用変成器の二次側電路」「人が触れるおそれがある場所に施設する接地極は地下75cm以上」は、いずれも正しい側です。
電線接続箱は、接触防護措置の有無で分かれます。屋内の接触防護措置を施していない高圧ケーブルを収める金属製の電線接続箱はA種の側(平成25年度・令和6年度1級)、施してあるものはD種の側(令和8年度2級前期)に置かれています。同じ電線接続箱でも、防護措置の有無で種別が変わります。
正しい側に置かれた主な箇所
A種:人が触れるおそれがある高圧電路に施設する機械器具の金属製の台及び外箱/屋内の接触防護措置を施していない高圧ケーブルを収める金属製の電線接続箱/高圧の電路に施設する避雷器/特別高圧計器用変成器の二次側電路
D種:高圧計器用変成器の二次側電路/防食措置を施していない地中電線路の金属製の電線接続箱/電熱ボードの金属製外箱/使用電圧200Vの電動機の金属製外箱/使用電圧100Vで長さ10mの金属管
高圧ケーブルを収める電線接続箱はA種、地中電線路の電線接続箱はD種で、同じ名前でも分かれます。
肢は次の順に見ます。まず問がどの種別かを読みます。次に中性点の語を探し、あればそれが答えです(B種なので、A種の問でもD種の問でも外れます)。避雷器はA種、水中照明灯の容器はC種なので、D種の問に混ざっていればそこが答えです。計器用変成器は電圧を見て、高圧ならD種、特別高圧ならA種です。管の長さが出てきたら接地工事の省略を問う別の問、抵抗値が出てきたら接地抵抗値の判定です。
高圧の電路に施設する避雷器はどの接地工事か?
A種接地工事です。第37条第3項に定められています。
水中照明灯を収める容器の金属製部分はどの接地工事か?
C種接地工事です。第187条第1項第四号に定められています。
高圧計器用変成器の二次側電路はどちらの側に置かれるか?
D種の問では正しい側、A種の問では答えです。特別高圧のほうはA種の側に置かれます。
変圧器の低圧側の中性点はどう扱われているか?
A種の問でもD種の問でも答えになっています。どちらの種別からも外れます。
この用語が問われた過去問
参考資料
※ この記事の出題の確認日:2026年8月
まちがえやすいポイント
同じ機器が両方の問に出ます。
高圧計器用変成器の二次側電路は、D種の問では正しい側、A種の問では答えです。問がどの種別を聞いているかを先に確かめてください。
変圧器の低圧側の中性点はB種です(第24条第一号イ)。A種の問にもD種の問にも属さないので、どちらの問に混ざっていても答えになります。4年度で使われた形です。