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接地工事はA種からD種まであるけど、どれがどこなの?
年度によって書いてある種別が違うのは、なんで?
この記事の要点
屋外変電所の雷害対策とは、変電所の機器を雷から守るために、避雷器・架空地線・接地を組み合わせて施す対策のことです。
避雷器の接地はA種接地工事です。電気設備の技術基準の解釈 第37条第3項が定めています。
3年度とも同じ論点が並び、接地の種別だけがC種・A種・B種と入れ替わって出ています。
避雷器については、設ける箇所と接地の種別の2つが電気設備の技術基準の解釈 第37条に定められています。
このうち差し替えられるのは、接地の種別のほうです。
第3項が、そのまま3年度の論点になっています。
電気設備の技術基準の解釈 第37条(避雷器等の施設)
高圧及び特別高圧の電路中、次の各号に掲げる箇所又はこれに近接する箇所には、避雷器を施設すること。
一 発電所、蓄電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所の架空電線の引込口(需要場所の引込口を除く。)及び引出口
二 架空電線路に接続する、第26条に規定する配電用変圧器の高圧側及び特別高圧側
三 高圧架空電線路から電気の供給を受ける受電電力が500kW以上の需要場所の引込口
四 特別高圧架空電線路から電気の供給を受ける需要場所の引込口
2 次の各号のいずれかに該当する場合は、前項の規定によらないことができる。
一 前項各号に掲げる箇所に直接接続する電線が短い場合(以下略)
3 高圧及び特別高圧の電路に施設する避雷器には、A種接地工事を施すこと。ただし、高圧架空電線路に施設する避雷器(第1項の規定により施設するものを除く。)のA種接地工事を日本電気技術規格委員会規格JESC E2018(2015)「高圧架空電線路に施設する避雷器の接地工事」の「2.技術的規定」により施設する場合の接地抵抗値は、第17条第1項第一号の規定によらないことができる。
言い換えると、「避雷器の接地はA種で、ただし書きが緩めているのは接地抵抗値だけ」ということです。
例えば、令和6年度1級No.34では「高圧の電路に施設する避雷器」がA種接地工事を施す箇所として正しい側に置かれました。誤りにされたのは高圧計器用変成器の二次側電路のほうです。
同じ肢の書き方で、種別の一語だけが年度ごとに変わります。
C種もB種も誤りにされました。条文がA種と定めているので、種別を読むだけで片が付きます。
雷から守る手立ては、避雷器だけではありません。
設置箇所の肢は、3年度とも同じ文で正しい側に置かれています。
「避雷器を架空電線の電路の引込口及び引出口に設ける」という書き方で、第1項第一号がそのまま根拠です。条文は変電所に加えて発電所と蓄電所も挙げており、需要場所の引込口だけを除いています。
500kW以上という数値は、高圧架空電線路から電気の供給を受ける需要場所についての条件です。屋外変電所そのものの条件ではありません。
残る2つの論点も、3年度を通して正しい側のままです。
書き方が少し変わるだけです。平成28年度は「メッシュ方式を採用する」、令和7年度(前期)は「主にメッシュ方式が採用される」でした。
令和4年度(前期)だけはメッシュ方式の肢が無く、代わりに「過電圧継電器を設置する」が置かれて答えになりました。過電圧継電器は電圧の異常を検出して回路を切る継電器で、雷から機器を守る施設ではありません。継電器が何を測って動くかは保護継電方式で扱っています。
屋外変電所については、雷害対策のほかに据付けの順序や機器の確認を問う形も出ています。そちらは屋外変電所の施工にまとめました。避雷器の接地がA種であることの根拠は接地工事の種別でも扱っています。
混同しやすい語
A種接地工事とC種接地工事:避雷器はA種です。C種は300Vを超える低圧の機械器具の外箱などに施すもので、避雷器の肢に置かれると誤りになります。
A種接地工事とB種接地工事:B種は高圧電路と低圧電路を結合する変圧器の低圧側の中性点に施すものです。避雷器の肢に置かれると誤りになります。
避雷器と架空地線:避雷器は電路に侵入する雷から機器を守り、架空地線は屋外鉄構の上部に設けます。どちらも雷害対策ですが、条文で定めがあるのは避雷器のほうです。
引込口と引出口:条文はこの2か所を並べて挙げています。ただし需要場所の引込口は第一号から除かれています。
過電圧継電器と避雷器:令和4年度2級(前期)では、過電圧継電器を設置するという肢が誤りにされました。3年度のうちこの年度だけに出た語です。
避雷器と一緒に並ぶ機器の役割は、変電所の構成機器と機器の役割にまとめました。
屋外変電所の雷害対策は、2級で3年度に出ています。並ぶ論点は次の4つだけです。
| 論点 | 正しい形 | 答えにされた形 |
|---|---|---|
| 避雷器の接地の種別 | A種接地工事(解釈 第37条第3項) | C種(平成28年度)/B種(令和7年度・前期) |
| 避雷器を設ける箇所 | 架空電線の引込口及び引出口(同 第1項第一号) | (無い。3年度とも正しい側) |
| 架空地線 | 屋外鉄構の上部に設ける | (無い。3年度とも正しい側) |
| 変電所の接地 | メッシュ方式を採用する | (無い。出た2年度とも正しい側) |
| 別系統の語 | — | 過電圧継電器を設置する(令和4年度・前期) |
答えになるのは、接地の種別か、紛れ込んだ別系統の語のどちらかです。読む順番を接地の種別から始めると、2年度はそこで終わります。
肢は次の順に見ます。
高圧及び特別高圧の電路に施設する避雷器の接地工事は?
A種接地工事です(電技解釈第37条第3項)。ただし書きが緩めているのは、高圧架空電線路に施設する一部の避雷器の接地抵抗値だけです。
変電所で避雷器を施設する箇所は?
架空電線の引込口及び引出口です。条文は発電所と蓄電所も並べて挙げ、需要場所の引込口だけを除いています(同第1項第一号)。
条文が500kW以上と定めているのは何についてか?
高圧架空電線路から電気の供給を受ける需要場所の引込口です(同第1項第三号)。屋外変電所そのものの条件ではありません。
屋外鉄構の上部に設けるものは?
架空地線です。3年度とも正しい肢として置かれました。
この用語が問われた過去問
参考資料
※ この記事の法令・出題の確認日:2026年8月
まちがえやすいポイント
肢は4つのうち3つが固定です。
架空地線・メッシュ方式・避雷器の設置箇所は3年度とも正しい側で、動くのは避雷器の接地の種別だけです。ここがA種でなければ、そこが答えになります。
令和4年度(前期)だけは種別がA種で正しく、代わりに過電圧継電器という別系統の語が紛れ込みました。雷害対策の肢に継電器の名前が出てきたら、そこを疑います。