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屋外変電所って機器がたくさんあるけど、どれが何のためのものなの?
据付けの順番も、どうしてその順なの?
この記事の要点
屋外変電所とは、送られてきた電気の電圧を変えて送り出すための、屋根のない設備一式のことです。
置かれる機器は、雷から守るもの(避雷器・架空地線)、安全に作業するためのもの(接地開閉器)、電気を切り替えるもの(遮断器・断路器)に分かれます。
変電機器の据付けは、架線工事などの上部作業が終わってから行います。上に人と物がある間は、据えた機器を守れないためです。
屋外変電所の機器は、何から守るものなのかで整理すると混ざりません。
施工の順序も、この整理から導けます。
屋根のない敷地に、鉄構(鉄骨の架台)を組み、その上下に機器を並べたものが屋外変電所です。
役割ごとに分けると、次のようになります。
| 機器 | 何のためか | 取り付ける場所 |
|---|---|---|
| 避雷器 | 雷サージから機器を守る | 架空電線の引込口及び引出口に近接する箇所 |
| 架空地線 | 直撃雷から機器と母線を守る | 鉄構の頂部(近傍鉄塔の頂部にも) |
| 接地開閉器 | 点検する人を残留電荷から守る | 遮断器の電源側及び負荷側の電路 |
| 遮断器 | 故障時に回路を自動遮断する | 主回路。平常時は開閉操作にも使う |
| 断路器 | 無負荷時に回路を切り離す | 遮断器の前後。電流が流れている状態では操作しない |
| ガス絶縁開閉装置 | 開閉機器を一括して収める | 金属容器の中。六フッ化硫黄ガスで絶縁する |
雷を受け止めるのが避雷器と架空地線、人を守るのが接地開閉器、という分け方です。
据付けは、架線工事などの上部作業が終わってから行います。
理由は、上と下で作業が重なるからです。
鉄構の上で架線を張っている間は、工具や部材が下へ落ちる可能性があります。その下に変圧器や開閉装置を据えてしまうと、機器を養生しながら上の作業を進めることになります。
言い換えると、「上部作業が全部終わるまで機器を据えない」ということです。
例えば、架線工事を先に片づけておけば、据え付けた変圧器の上で人が作業する場面そのものが無くなります。
出題では「上部作業の開始前に行った」と「上部作業の終了前に行った」の2通りで書かれ、どちらも誤りとされています。開始前も終了前も、上部作業が終わっていない時点だからです。
引込口に取り付けるものとして、法令が定めているのは避雷器です。
電気設備の技術基準の解釈 第37条第1項第一号(避雷器等の施設)
高圧及び特別高圧の電路中、次の各号に掲げる箇所又はこれに近接する箇所には、避雷器を施設すること。
一 発電所、蓄電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所の架空電線の引込口(需要場所の引込口を除く。)及び引出口
同条第3項では、この避雷器にA種接地工事を施すことも定められています。
ここで狙われるのが、引込口に付けるものを地絡遮断装置に差し替える形です。
「二次側電路の地絡保護のため、変電所の引込口に地絡遮断装置を取り付けた」と書いた肢は、令和元年度と令和6年度の2年度とも誤りとされました。二次側を守りたいなら、装置は二次側に置くことになります。
引込口は、外から入ってくる雷サージを受け止める場所です。だから法令が求めているのは避雷器です。
ガス絶縁開閉装置(GIS)は、遮断器や断路器を金属容器に収め、六フッ化硫黄ガスで絶縁したものです。
容器の中は密閉されているので、感電のおそれがなく、気中絶縁に比べて設置面積が小さくて済みます。工場で組み立てて運べるため、現場の工事も簡素になります。
その代わり、連結するときに容器の中へじんあいが入ると、絶縁性能が落ちます。
だから連結部を外気から隔離して作業します。出題ではプレハブ式の防じん組立室を作る方法と、ビニルシートで仕切る方法の両方が正しい肢に置かれています。
そのほか、がいしの手ふき清掃と絶縁抵抗試験による破損確認、電線の端子挿入寸法や端子圧縮時の伸び寸法を考慮した切断、機器を据え付けたのちの制御用ケーブルの接続工事も、正しい側の記述です。
大型機器を基礎に固定する際のアンカも、2年度で表裏の形になって出ています。
令和5年度 2級 第一次(前期)No.48 選択肢4(正しい側)/令和4年度 2級 第一次(前期)No.48 選択肢1(答え)
令和5年度 大型機器を基礎に固定する際に、箱抜きアンカより強度が大きい埋込アンカを使用した。
令和4年度 大型機器を基礎に固定する際に、埋込アンカより強度が大きい箱抜きアンカを使用した。
2つのアンカの名前を入れ替えただけの文です。強度が大きいのは埋込アンカのほうで、令和4年度はこれを逆に書いて答えにしています。名前の順序だけが違うので、どちらが前に来ているかを読みます。
2級で7年度、ほぼ同じ4肢の組合せで出ています。引っかけは大きく3つです。
| 年度・級・問 | 誤りとされた記述 |
|---|---|
| 平成27年度 2級 学科 No.40 | 据付けは、上部作業の開始前に行った ←① |
| 平成30年度 2級 学科(後期)No.40 | 据付けは、上部作業の開始前に行った ←① |
| 令和元年度 2級 学科(後期)No.40 | 二次側電路の地絡保護のため、引込口に地絡遮断装置を取り付けた ←② |
| 令和3年度 2級 第一次(前期)No.48 | 据付けは、上部作業の終了前に行った ←① |
| 令和4年度 2級 第一次(前期)No.48 | 埋込アンカより強度が大きい箱抜きアンカを使用した ←③ |
| 令和5年度 2級 第一次(前期)No.48 | 据付けは、上部作業の終了前に行った ←① |
| 令和6年度 2級 第一次(前期)No.46 | 二次側電線路の地絡保護のため、引込口に地絡遮断装置を取り付けた ←② |
7問のうち4問が据付けの順序、2問が地絡遮断装置、1問がアンカの強度でした。
令和4年度は、据付けの順序のほうを正しい側に置いています。選択肢2の「遮断器の据付作業は、架線工事などの上部作業の終了後に行った」がそれで、この年度だけ正しい形が肢に出ています。
避雷器の取付け位置、接地開閉器の取付け位置、架空地線を鉄構の頂部に設けること、がいしの絶縁抵抗試験、GISの防じんは、7年度を通して一度も誤りにされていません。
据付けは上部作業の後。引込口に法令が求めるのは避雷器です。
混同しやすい語
開始前と終了前:どちらも上部作業が終わっていない時点を指します。据付けはその後です。
避雷器と地絡遮断装置:引込口及び引出口に近接する箇所に施設すると法令に定められているのは避雷器です。
接地開閉器と接地工事:接地開閉器は点検作業用に電路を接地する装置、接地工事は電技解釈が種別ごとに定めるものです。
変電機器の据付けは、架線工事などの上部作業といつ行うか?
上部作業が終わってからです。開始前も終了前も誤りとされています。
変電所の架空電線の引込口及び引出口に、法令が施設を求めているものは何か?
避雷器です。電技解釈第37条第1項第一号に定められています。
点検作業用の接地開閉器は、遮断器のどこに取り付けるか?
電源側及び負荷側の電路です。3年度とも正しい肢に置かれています。
参考資料
※ この記事の法令・出題の確認日:2026年8月
まちがえやすいポイント
ビニルシートという語を見ると簡易すぎる方法に見えますが、この肢は平成27年度と令和6年度の2回とも正しい側に置かれています。
防じんの方法は問われていません。問われているのは据付けの順序と設備の目的です。