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柱上変圧器の施工とは?接地線を覆う範囲・高さ・接地線の太さを整理

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接地の数字が多すぎて、どれがどこにかかるの?

1.8mも75cmも2mも出てきて、順番が分からない…。

この記事の要点

接地線とは、機器の金属製外箱などと接地極をつないで、地面へ電流を逃がすための電線のことです。

人が触れるおそれがある場所では、接地線の地下75cmから地表上2mまでの部分を合成樹脂管などで覆います。

だから「地面から地上1.8mまでの部分のみ」と書いた肢は誤りになります。

柱上変圧器の施工は、2級で2年度に出ています。

どちらも「電気設備の技術基準とその解釈」上の判定を求める問い方で、肢の並びもよく似ています。

接地線を覆う範囲は地下75cmから地表上2mまで

根拠は電気設備の技術基準の解釈 第17条第1項第三号です。

言い換えると、「覆う範囲は地下と地表上の2つの数字で決まる」ということです。

電気設備の技術基準の解釈 第17条第1項【接地工事の種類及び施設方法】(抜粋)

A種接地工事は、次の各号によること。

一 接地抵抗値は、10Ω以下であること。

三 接地極及び接地線を人が触れるおそれがある場所に施設する場合は、(中略)次により施設すること。

イ 接地極は、地下75cm以上の深さに埋設すること。

ニ 接地線の地下75cmから地表上2mまでの部分は、電気用品安全法の適用を受ける合成樹脂管(厚さ2mm未満の合成樹脂製電線管及びCD管を除く。)又はこれと同等以上の絶縁効力及び強さのあるもので覆うこと。

覆う範囲は地下から始まります。上端が2mというだけでなく、下端が地下75cmという点まで決められています。

上端も下端も足りない 地面 地表上2m 地下75cm 条文 17条1項 三号ニ 地上1.8m 地面まで 出題 「のみ」 0.2m 足りない 地下75cmが丸ごと抜ける 覆う範囲は地面から上だけではない
合成樹脂管などで覆う範囲を、条文の値と出題の書き方で並べたものです。管の太さや電柱の形は実物どおりではありません。

令和元年度2級(後期)No.41の選択肢4と、令和5年度2級(前期)No.49の選択肢4に、同じ文が置かれました。

令和元年度 2級(後期)No.41 選択肢4/令和5年度 2級(前期)No.49 選択肢4(2年度とも答え)

接地線は、地面から地上1.8mまでの部分のみを、合成樹脂管で保護した。

2年度とも、この肢が答えです(令和5年度2級前期No.49は公表正答4)。

足りない点が2つあります。上端が2mに0.2m届いておらず、下端の地下75cmぶんが「地面から」という書き方で外れています。「のみ」と限定している時点で、条文の範囲を切り落としています

残る肢は条文の値をそのまま使う

2年度とも、答え以外の3肢は条文どおりでした。取付け高さは第21条にあります。

電気設備の技術基準の解釈 第21条【高圧の機械器具の施設】(抜粋)

三 機械器具に附属する高圧電線にケーブル又は引下げ用高圧絶縁電線を使用し、機械器具を人が触れるおそれがないように地表上4.5m(市街地外においては4m)以上の高さに施設すること。

市街地なら4.5m以上、市街地外なら4m以上です。令和元年度の選択肢1は「市街地で地表上4.5m以上の位置に取り付けた」で、この値そのものでした。令和5年度は問題文に「市街地に施設する」とあり、選択肢1はこの条件を満たす高さで正しい側です。

接地の数値も同じです。A種接地工事の接地抵抗値は10Ω以下(第17条第1項第一号)、接地極の埋設深さは地下75cm以上(同項第三号イ)で、どちらも書き換えられたことがありません。接地工事の種別そのものは接地工事の種別、B種の接地抵抗値の求め方はB種接地工事の接地抵抗値で扱っています。

B種接地線に求められる太さ

令和元年度の選択肢3は、B種接地工事の接地線の太さを問いました。

電気設備の技術基準の解釈 第17条第2項第三号ロ・17-3表(抜粋)

区分接地線
接地工事を施す変圧器が高圧電路又は第108条に規定する特別高圧架空電線路の電路と低圧電路とを結合するものである場合引張強さ1.04kN以上の容易に腐食し難い金属線又は直径2.6mm以上の軟銅線
上記以外の場合引張強さ2.46kN以上の容易に腐食し難い金属線又は直径4mm以上の軟銅線

柱上変圧器は高圧電路と低圧電路を結合するものなので、求められるのは直径2.6mm以上です。

肢は「直径4mm以上の軟銅線を使用した」でした。2.6mmより太いので条文を満たし、正しい側になります。

まちがえやすいポイント

17-3表を見るときは、まず変圧器が何と何を結合しているかを読みます。

直径4mm以上が求められるのは「上記以外の場合」であって、高圧と低圧を結ぶ柱上変圧器には2.6mm以上が求められます。表の区分を飛ばして数字だけを拾うと、4mmが要求値だと思い込みます。

数字だけを見ると、1.8m・2m・75cm・4.5m・4m・2.6mm・4mmと似た値が並びます。かかる相手が違うので、値ではなく何にかかる規定かから読みます。

混同しやすい語

地下75cmと地表上2m:どちらも接地線を覆う範囲の端です。地下75cmは下端、地表上2mは上端になります。

接地極の75cmと接地線の75cm:接地極は「地下75cm以上に埋設する」深さ、接地線は「地下75cmから」覆い始める起点です。同じ数字で意味が違います。

2.6mmと4mm:高圧と低圧を結合する変圧器のB種接地線は2.6mm以上、それ以外は4mm以上です。

4.5mと4m:高圧の機械器具の高さは市街地で4.5m以上、市街地外で4m以上です。

足場金具の1.8m:支持物の足場金具は地表上1.8m以上に施設します(第53条)。接地線の1.8mとは別の規定で、電柱の施工の記事で扱っています。

過去問でどう問われたか

柱上変圧器の施工は、2級で2年度に出ています。並んだ論点は次のとおりです。

論点 条文の値 出題での扱い
接地線を覆う範囲 地下75cmから地表上2mまで(17条1項三号ニ) 2年度とも答え(地面から地上1.8mまでのみ)
機械器具の高さ 地表上4.5m以上(市街地外は4m以上)(21条三号) 2年度とも正しい側
A種接地の抵抗値 10Ω以下(17条1項一号) 2年度とも正しい側
接地極の埋設深さ 地下75cm以上(17条1項三号イ) 令和5年度で正しい側
B種接地線の太さ 直径2.6mm以上(17-3表・高圧と低圧を結合する場合) 令和元年度で正しい側(4mm以上)

答えの肢は2年度とも文も位置も同じで、選択肢4に置かれました。入れ替わるのはB種接地線と接地極の深さだけです。

肢は次の順に見ます。

  • 接地線の保護範囲を先に読む:2年度とも選択肢4で答えでした。「のみ」があれば疑います。
  • 高さは市街地かどうかで見る:市街地なら4.5m以上、市街地外なら4m以上です。
  • A種10Ωと接地極75cmは飛ばす:条文どおりで、正しい側でした。
  • B種接地線は表の区分から読む:高圧と低圧を結ぶなら2.6mm以上です。

理解度チェック

Q.

接地線を合成樹脂管などで覆う範囲は?

地下75cmから地表上2mまでの部分です(第17条第1項第三号ニ)。人が触れるおそれがある場所に施設する場合の規定になります。

Q.

高圧の機械器具を施設する高さは?

地表上4.5m以上です。市街地外では4m以上になります(第21条第三号)。

Q.

A種接地工事の接地抵抗値と接地極の深さは?

接地抵抗値は10Ω以下、接地極は地下75cm以上の深さに埋設します(第17条第1項)。

Q.

柱上変圧器のB種接地線に求められる太さは?

直径2.6mm以上の軟銅線です。高圧電路と低圧電路を結合する変圧器にあたるためで、4mm以上が求められるのはそれ以外の場合になります。

肢を読む順は次のとおりです。

  • 接地線を覆う範囲の数字(地下75cm・地表上2m)を先に確かめる
  • 合成樹脂管の適用除外(CD管)に触れているかを見る
  • B種接地線の太さは、変圧器が何と何を結合しているかで変わる

まとめ

  • 接地線を覆う範囲は地下75cmから地表上2mまで(第17条第1項第三号ニ)。
  • 「地面から地上1.8mまでの部分のみ」とした肢は2年度とも選択肢4で答え。上端も下端も足りない。
  • 高圧の機械器具の高さは市街地で4.5m以上、市街地外で4m以上(第21条第三号)。
  • A種接地工事の接地抵抗値は10Ω以下、接地極は地下75cm以上に埋設。どちらも正しい側。
  • 柱上変圧器のB種接地線は直径2.6mm以上。4mm以上は「それ以外の場合」の要求値。

参考資料

  • 経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」第17条第1項・第2項(接地工事の種類及び施設方法/17-3表)/第21条(高圧の機械器具の施設)
  • 一般財団法人 建設業振興基金 試験研修本部「2級電気工事施工管理技術検定 問題・正答肢」(公式サイト)令和元年度2級(後期)No.41・令和5年度2級(前期)No.49
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