令和5年度(前期)2級電気工事施工管理技士 第一次検定 No.49は、市街地に施設する高圧架空配電線路の柱上変圧器の施工に関する記述として、電気設備の技術基準とその解釈上 誤っているものを選ぶ問題です。
この問題は、接地線を保護する範囲を覚えているかを問うものです。引っかけの核心は、地上2 mまでのところを1.8 mにしている点にあります。
「のみ」と書いてあるのも見落とせません。
正解:選択肢4
> この論点をやさしく解説:柱上変圧器の施工とは?接地線を覆う範囲・高さ・接地線の太さを整理
> この論点をやさしく解説:接地工事の種別とは?A種・B種・C種・D種を施す箇所を整理
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | 正しい | 地表上5 mの位置。市街地の高さの基準を満たす |
| 2 | 正しい | A種接地工事の接地抵抗値は10 Ω以下。10 Ωは条件内 |
| 3 | 正しい | 接地極は地下75 cm以上の深さに埋設する |
| 4 | 誤り | 覆うのは地下75 cmから地表上2 mまで。1.8 mでは足りない |
誤っているのは選択肢4です。
A種接地工事の接地線は、人が触れるおそれのある高さまで覆うことになっています。
接地線を合成樹脂管等で覆う範囲
下端 = 地下75 cm
上端 = 地表上2 m
選択肢4は上端を1.8 mにしているので、2 mに届いていません。手を伸ばせば届く高さが残ります。
さらに「地面から地上1.8 mまでの部分のみ」と書いています。地下の側が抜けています。
選択肢4が外している2点
① 上端が2 mでなく1.8 m
② 「のみ」としているので地下75 cmまでが抜けている
地下側を覆うのは、地面を掘ったときにスコップで傷つけるのを防ぐためです。上端は人が触れないようにするためで、目的が違います。
この問題に出てくる数字を並べておきます。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| A種接地工事の接地抵抗値 | 10 Ω以下 |
| 接地極の埋設深さ | 地下75 cm以上 |
| 接地線を覆う範囲 | 地下75 cm 〜 地表上2 m |
接地極を75 cm以上の深さに埋めるのにも理由があります。
深く埋める理由
浅いと乾燥や凍結で接地抵抗が上がる
地表近くは人が掘り返すおそれがある
地中は深いほど湿り気が一定で、抵抗が安定します。季節による変動も小さくなります。
柱上変圧器の外箱にA種接地工事を施すのは、高圧機器の外箱だからです。低圧機器ならD種になります。
接地線を合成樹脂管等で覆う範囲はどこからどこまでか。
地下75 cmから地表上2 mまでです。地下側は掘削で傷つけないため、地上側は人が触れないためです。
接地極を地下75 cm以上に埋めるのはなぜか。
浅いと乾燥や凍結で接地抵抗が上がるからです。深いほど湿り気が一定で、抵抗が安定します。掘り返されるおそれも減ります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年9月