ども、Tです。
ササラのように、角度のついた部材はどのように計算すればよいか。水平にかかる梁と何が違うのか。
今回は階段のを支えるササラの設計について特集します。
ササラとは何か?
ササラとは踏み板をさせる梁です。階段は踏み板、蹴上げ、ササラの3つで構成されています。踏み板と蹴上げはササラに接合され一体化します。ササラの両端は、鉄骨梁か地中梁にとめて成立するのです。
このように、ササラは人が歩く荷重や階段自重を支える重要な構造部材の1つです。
概算としての鉄骨ササラの検討方法
実は検討方法は難しくありません。概算では下記のように検討してもいいでしょう。ササラは水平ではなく斜めにかかっています。つまり、梁の長さは斜めの長さL1と水平の長さL2を全長と考えましょう。
あとは、階段の幅/2がササラが荷重を受ける負担幅です。等分布荷重が作用する両端ピンの単純梁と考えればいですね。あとはMoに対して必要なZの板厚とすれば言い訳です。
ところで、ササラ梁で一般的なのがプレートです。プレートの断面係数Zは板せいと板厚で決まります。板のせいを大きく取れない場合は、板厚を上げて対応しましょう。
また、応力が大きい場合はプレートではなくてチャンネル材にすることもあります。鉄骨はフランジの刃をみせると、部材が細く見えます。
まじめにササラの検討をしたいとき。
概算でササラの大きさを決めるには十分だと思います。が、まじめに検討をしたいとき、これでは不十分です。なぜなら、斜めの梁であるササラには軸力が作用しているからです。つまり、その分曲げモーメントが小さくなります。
これも計算方法は難しくありません。まずは両端に作用する反力を求めましょう。反力Rを求めたら、反力に対してササラに作用する軸力を求めます。これは、ササラの角度が分かれば簡単です。つまり、ササラの縦/横の比率分が横力Hです(縦=高さ、横=斜め梁の水平投影長さですよ。
縦<横ならば、横力Hが大きく、縦>横なら鉛直反力の方が大きいですね)。鉛直反力Rは既にわかっていますから、RとHの二乗和の平方根で軸力となります。
一方、曲げモーメントは釣り合い条件から算定することができます。軸力が作用している分、曲げモーメントは小さくなることを確認しましょう。
まとめ
今回は、鉄骨階段のササラということで特集しました。今回は単純梁形式のササラのみを紹介しました。が、他にも片持ち形式であるとか、ササラの形状も沢山あります。
それに、RC造でも階段の受け方には別途ルールがあります。下記の記事は、RC屋外階段の設計方法を書いています。合わせて参考にしてください。
概算程度なら、斜めにかかっていることは考慮せずに全長に対してMoを算出、断面算定で十分です。もし断面を落としたいか、精算した結果をしりたいなら軸力のとして作用することを考慮しましょう。
手計算で解けない人は、任意フレームモデルを使うと簡単に答えが出てきますよー。手計算で理解することも大事ですが、理解が進むのであれば計算機を積極的に使ってもいいと思います。
では、今回はこの辺で。