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RC屋外階段の設計方法について

構造設計

例えばRC造のマンション、学校等には屋外階段が設けられています。避難の目的であったり、通常使う目的でも設置されます。近くのマンションを見渡せば、ごく一般的に屋外階段を目にするでしょう。

今回は、そんな屋外階段の設計法について考えていきます。

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段部の設計

屋外階段のタイプも様々ありますが、今回は、200か230のRC壁が1枚ドンッ!と建っていて、段部が跳ね出しているタイプとします。RC造の屋外階段の多くは、真ん中のRC壁で持たせるタイプがほとんどです。要するに、段部はRC壁からの片持ち梁として設計してやれば良いです。

階段床の平米重量に対して段部幅を掛けて長さ当たりの荷重を算定します。注意したいのは、RC手すりが取り付いていないか、ということ。結構な重さになるので、拾い漏れが無いようにします。その単位長さ荷重及び先端集中荷重に対して片持ち梁を算定、後は、主筋量を決めます。ほとんどの場合、1-D13とか、2-D13くらいに納まるかと。

 

踊り場床の設計

踊り場床の受け方ですが、これは壁先端から延ばされた片持ち梁を支点と考えます。つまり、踊り場床は片持ち床として鉄筋量を算定すれば良いです。RC手すりが回っているので、思っているより応力が大きくなるので注意します。

 

踊り場受け片持ち梁の設計

踊り場床は壁先端からの片持ち梁で受けます。ですから、片持ち梁は踊り場床や手すり重量を全て受けます。梁幅は壁厚より大きくできませんから、4-D16とか、4-D19程度に納まるように梁せいを決めます。

 

階段壁の設計

階段壁は、せん断力と曲げモーメントに対して設計します。屋外階段は一般的に、本体建物に重量を預けて設計します。つまり、独立した構造物として設計しないのです。しかし地震力に対して何も検討しない訳にもいきません。一般的に行われる方法が、本体建物に作用する変形量を、屋外階段壁に強制変位として作用させることです。僕は、MIDASを使って検討しますが、SS3でも検討できそうです(外注さんはSS3で検討していました)。

強制変位を作用させると、せん断力と曲げモーメントが発生しますから、この応力に対して断面算定します。せん断力に対しては、許容せん断耐力Qaを求めて比較します。Qaはこんな式です。

Qa=fs×t×L

fsはRCの短期せん断強度、tは壁厚、Lは壁長さです。注意する点は、両側にRC柱が無いので、耐力を低減する必要があることです。壁単体だと7掛けくらいだったかな(各々確認願います)?

 

曲げに対して

曲げモーメントは端部補強筋によって処理します。算定された曲げモーメントMに対して、壁のせい(壁長さL)のjを算定し、引張鉄筋atを求めましょう。僕は、いつも梁として端部筋を算定しています(軸力無視)。大抵、4-D16とか、4-D19といった配筋になるでしょう。

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