ども、Tです。
構造一級建築士って必要か?、と常々疑問に思ってきました。建前としては、「構造屋さんの待遇向上のため」らしいですが。
待遇何も変わってないだろうし。単に、構造屋になるためのハードルを高くしただけなんじゃ・・・。ということで今回は、構造一級建築士制度について考えていきます。下記も参考にご覧ください。
一級建築士を取得後、構造設計に関わる実務経験5年が必要
建築士法では一級建築士を取得後、構造設計に関わる実務経験5年経った後、構造一級建築士の講習受講資格があります。
おいおい。
それって構造屋を目指す若者のキャリアを積みにくくしてない?最近、ゼネコンや設計事務所への就職は、ほとんどが大学院(修士)修了が条件です。企業と学生側の暗黙の了解といってもいいでしょう。
修士を修了する年齢が24歳。一級建築士の受験資格は最短で1年なので25歳。ストレートで合格して、構造設計に関する実務を5年積むと、もう30歳。
最短でも30歳からが、構造屋さんとしてのキャリアスタートなんです。上記のように、全て順風満帆の人もいるにはいます。が、少ない。一級建築士にストレートで合格できるのは、全体の5%と言われていますからね。
ほとんどは30歳以上からキャリアを積めるのです。これって、構造屋の待遇を向上させるどころか、若者が構造屋を目指さなくなる理由の1つになってない?
僕が大学の先生だったら、構造屋になりたい学生にこんなアドバイスをする
「T先生。進路について相談があるんですけど」
「ん、何だい?」
「実は将来、構造設計者の道に進みたいと思っていまして。構造だけを突き詰めるのではなく、デザイン的にも素晴らしい建築との融合を目指しています」
「なるほどね。それは素晴らしい目標だ。君の成績や研究活動の成果であれば十分に可能だろう。あとはやる気と気合で何とかなるはずだ。ところで君に少し現在の建築業界について教えておくよ。
まず、雑誌に掲載されるような素晴らしい建築は業界全体の1%程度なんだ。そして、それが設計できる事務所やゼネコンは全体の10%くらいだろう。つまり大手だ。」
「・・・」
「だから君の目標を達成するためには、まず大手の企業に就職することだ。その後、1年又は2年の実務経験を積むこと。それで受験資格が得られる。出来る限り一発で一級建築士は合格すべきだろう」
「なぜですか?」
「構造設計者としてキャリアを積むには構造一級建築士に成る必要がある。構造一級建築士は一級建築士になってから5年のキャリアが必要なんだ。君は卒業時が24才だから、ストレートで一級⇒構造一級に合格しても、その頃には30才になっている。」
「30歳・・・。」
「そう。最短でね。そこでようやく構造屋としてスタート地点に立ったと思ってほしい。」
「何だか失敗は許されない、って感じがします」
「まさにそうだよ。まず一級建築士に初年度ストレートで合格できる人は5%に満たない。これをやってのける必要があるね。」
「5%・・・」
「それでいて給料は思っている以上に高くない。もちろん大手ゼネコン、大手組織はそれなりだけどね。でも建物の構造設計をやる、なんてとんでもない仕事の割にフィーは、他の営業マンやリーマンと変わらないよ」
「もう2つ言っておくことがある。1つは繰り返しになるが、一級建築士を早めにとること。構造一級建築士は一級建築士を取得してから実務経験が5年必要になる。30歳までに合格しないと厳しい。仮に30歳で合格すると、構造一級に合格できる年齢は35歳だからね。」
「何だか、凄く年を取った気分になります。」
「そうだね。もし30歳までに一級建築士が合格できなかったら、別のキャリアも良いかもしれない。構造一級は諦めることだ。私が言うのもアレだが、しがみつく様な資格じゃあない」
「2つめは何ですか?」
「2つ目は、もし君が、大手ゼネコンや一級建築士をストレートで合格できるなら、別の道もどうかなと思ってね。例えば国家公務員一種なんてどうかな。
合格率は5%。年齢に応じて給料はグングン増える。40歳になれば1000万円プレーヤーじゃないかな?」
「なるほど。」
「君みたいに優秀な人材は、構造設計者になるよりも国家的な政策を担うべきだよ。将来、国土交通省の官僚として活躍するのを楽しみにしているよ。」
「少し考えてみます」
まとめ
構造一級建築士になるためには長い下積みが必要です。今回は敢えて言いませんでしたが、何を好んで「責任重大、報酬少ない」な仕事をやるのでしょう。
昔は建築業界に未来がありました。だから建築学科は人気だったし、給料も期待できた。いまは斜陽業界。そんな落ち目の業界の、下積みが長くて給料少なくて、きっつい仕事をわざわざ若者がやるわけないでしょ。
とはいえ、やりたい人はやればいいし「構造一級建築士」目指せばいいんですけどね…。もし構造設計一級建築士の年収が気になる方は、下記をご覧ください。