ども、Tです。
変断面の断面係数を求めるとき、どう計算しますか。なんとなく四角形に置き換えて計算するか、手計算で頑張って積分ですか?
その無駄な時間止めましょう。
なぜならAutocadで変断面の断面係数を算定できるからです。今回は、Autocadで変断面の断面係数を算定する方法を紹介します。
他にもAutocadには、便利なコマンド機能が沢山あります。今回紹介しきれませんが、下記の本が参考になります。
AutoCADを200%使いこなす本[2017対応] (エクスナレッジムック)
例えば三角形の断面係数は?
まず断面係数はI/yで算定できます。Iは断面二次モーメントで、yは中立軸から圧縮又は引張端までの距離です。
これを踏まえた上で、三角形と四角形の断面二次モーメントを考えます。すると大きな違いに気が付きませんか?四角形は幅が一定なので、bや定数で表現できます。一方、三角形は定数でなく一次関数です。
元々、断面二次モーメントの式はy^2のように、変数の二乗に対して積分をしました。しかし、三角形ではさらに一次関数を掛けるので三乗に対して積分したり、項が1つ増えます。
三角形なら、まだ解けます。でも変断面の台形になると、式が複雑になってきて実務で解けるレベルじゃなくなってきます。
Autocadなら、どんな形でも解ける。
どんな変断面でもAutocadなら解けます。使う機能は、region(リージョン)とMussprop(マウスプロパティ)です。この機能の使い方と、図芯位置の求め方は下記事で紹介していますので、こちらもどうぞ。
断面係数を求めるなら、図芯位置の算定は必須ですからね。下記の記事で詳細に説明しています。あわせて参考にしてください。
さて、断面係数を求めたい変断面の形を作ります。このとき注意したいのが、AutocadのX,Y軸です。
Autocadは画面を見たまま右がXの正方向、上がYの正方向です。ですから、加力方向に対して抵抗する形を描きます。
次に、コマンドの『region』を入力し、変断面の線分をクリックして選択します。で、エンターキーを押すと、変断面の図形が1つの線分になりました。要は、regionを使うことで、『図形が認識された』ということです。
次に、MASSPROPのコマンドを入力します。先ほどつくった変断面図形をクリックしてエンターキー。すると、面積、図面、主慣性モーメントという値がでてきます。
まずは図心のX,Yを入力して、図形のどこに図心があるか確認しましょう。この図芯位置から、圧縮・引張までの先端距離を測ります。後は、主慣性モーメント/yを計算することで断面係数が算定されました。
どんな形でも算定できるが、軸に注意しよう。
Autocadを使えばどんな形でも断面係数が算定できます。注意したいのは、Autocadの軸を求めたい形の軸回りを一致させることです。
例えば、菱型の断面係数を算定したいのに、Autocad上に長方形のまま断面を描いては意味がありません。
必ず、Autocadの軸に対して変断面の形を合わせるようにしましょう。
まとめ
積分計算のように、簡単ですが面倒な計算は続ければ終わります。でも時間がもったいないですよね。そういった計算は、ぜひAutocadに頼って計算しましょう。
コマンドで、region⇒MASSPROP。これが鉄則ですよ。
僕は普段Autocadを使っていて、コマンドをそれなりに覚えているのですが・・・。この本を読んで驚きました。まだまだまだ、使っていない便利なコマンドがあるのだな、と。
文字通りAutocadを使いこなしてスキルアップしたい人、就職先や転職先でAutocadを使うなら参考になる本ですよ。
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