この記事の要点
表示に関する登記の添付情報は、登記の種類ごとに不動産登記令の別表で決まります。
主な類型は、図面(土地は地積測量図/建物は建物図面と各階平面図)・所有権を証する情報・住所を証する情報・代理権限を証する情報です。
権利に関する登記と違い、表示に関する登記では登記原因証明情報は原則として不要です。
添付情報とは、申請情報と併せて登記所に提供する情報で、何を付けるかは登記の種類ごとに不動産登記令の別表で定められています。
表示に関する登記では、登記の種類によって必要な添付情報が変わります。個別の登記に入る前に、まず全体像を整理します。
権利に関する登記では、原則として登記原因証明情報を提供します(不動産登記法61条)。
これに対して、表示に関する登記では登記原因証明情報は原則として要りません。表示に関する登記は登記官の実地調査によって事実を確認するしくみだからです。その代わりに、登記ごとに必要な添付情報が令の別表で決められています。
表示に関する登記で出てくる添付情報は、次の4つが柱になります。
| 類型 | 中身 |
|---|---|
| ①図面 | 土地は地積測量図、建物は建物図面・各階平面図(要否は登記による) |
| ②所有権を証する情報 | 新たに表題部所有者を記録する登記で必要(要る登記・要らない登記) |
| ③住所を証する情報 | 表題部所有者となる者の住所(住民票など/法人は登記事項証明書) |
| ④代理権限を証する情報 | 代理人が申請するときの委任状など |
このうち①図面と②所有権を証する情報は、登記の種類によって要否がはっきり分かれます。ここが試験でよく問われます。
主な表示に関する登記について、図面と所有権を証する情報の要否をまとめます。
| 登記 | 図面 | 所有権を証する情報 |
|---|---|---|
| 土地の表題登記 | 地積測量図 | 要(住所証明も) |
| 建物の表題登記 | 建物図面・各階平面図 | 要(住所証明も) |
| 分筆の登記 | 地積測量図(分筆後の各筆) | 不要(所有者は記録済) |
| 合筆の登記 | 不要 | 不要(登記識別情報がいずれか一筆) |
| 地積更正の登記 | 地積測量図 | 不要 |
| 建物の表題部の変更(増築など) | 建物図面・各階平面図(床面積が変わる場合) | 不要 |
添付情報は、択一で要否を問う形で繰り返し出ます。
平成30年度(午後第4問)・令和元年度(午後第8問・第15問)・令和3年度(午後第5問)・令和5年度(午後第14問)・令和6年度(午後第4問)などで、表題登記や分筆・合筆の添付情報の要否が問われました。「図面と所有権を証する情報が、その登記で要るか要らないか」を押さえておくと対応できます。
Q. 表示に関する登記でも、権利に関する登記と同じく、登記原因証明情報を必ず提供する。○か×か。
×。表示に関する登記では登記原因証明情報は原則として不要です。登記官の実地調査で事実を確認し、必要な添付情報は令の別表で登記ごとに定められます。
Q. 合筆の登記には、地積測量図を添付する必要がある。○か×か。
×。合筆は新たに区画を作らず測量をしないため、地積測量図は不要です。代わりに登記識別情報(いずれか一筆)を提供します。
Q. 建物の表題登記では、所有権を証する情報と住所を証する情報を提供する。○か×か。
○。新たに表題部所有者を記録するため、所有権を証する情報と住所を証する情報が必要です。建物図面・各階平面図もあわせて提供します。
表示に関する登記の添付情報は令の別表で登記ごとに決まり、図面・所有権を証する情報・住所を証する情報・代理権限を証する情報が柱です。権利登記と違い、登記原因証明情報は原則として要りません。
「その登記で図面が要るか」「所有権を証する情報が要るか」を、登記の種類ごとに押さえましょう。
この論点が問われた過去問です。正答は法務省公表の正解によります。各問の解説は年度・問番号から確認できます。
| 年度・No. | 正答 | 問われた論点 |
|---|---|---|
| 令和6 No.4 | 2 | 表題登記の添付情報 |
| 令和5 No.14 | 2 | 建物の表示に関する登記の添付情報 |
| 令和3 No.5 | 5 | 登記の申請の添付情報 |
| 令和元 No.8 | 3 | 土地の表示に関する登記の申請情報・添付情報 |
| 令和元 No.15 | 2 | 建物の表示に関する登記の添付情報 |
| 平成30 No.4 | 4 | 表示に関する登記の申請情報・添付情報 |
| 平成28 No.6 | 1 | 土地の表示に関する登記の申請情報・添付情報 |
| 平成26 No.8 | 3 | 表示に関する登記の添付情報 |
| 平成26 No.12 | 3 | 建物の登記の申請情報 |
| 平成25 No.5 | 1 | 添付書面の原本の還付 |
| 平成25 No.14 | 1 | 表示に関する登記の添付情報 |
| 平成25 No.15 | 4 | 相続があった場合の表示登記 |
| 平成24 No.12 | 3 | 建物の表示登記の添付情報 |
| 平成23 No.12 | 1 | 表題部の更正の登記 |
| 平成22 No.9 | 3 | 登記申請手続の委任 |
| 平成22 No.14 | 2 | 建物の表示登記の添付情報 |
| 平成22 No.16 | 3 | 電子申請の添付情報 |
※正答は法務省公表の正解(標準解答)によります。
参考にした資料
・不動産登記法61条(登記原因証明情報)・不動産登記令別表(表示に関する登記の添付情報)/地積測量図・建物図面・各階平面図・所有権を証する情報・住所を証する情報・代理権限を証する情報/法務省・e-Gov法令検索で確認
・平成30年度 午後第4問/令和元年度 午後第8問・第15問/令和3年度 午後第5問/令和5年度 午後第14問/令和6年度 午後第4問/法務省 公式問題・正解
※法令は改正されることがあります。最新の不動産登記法・令・規則は法務省・e-Govでご確認ください。内容確認日:2026年7月17日。
添付情報の個別記事
まちがえやすいポイント
合筆の登記には、地積測量図を付けません。合筆は新たに区画を作らず測量をしないためです。一方、土地の表題登記・分筆・地積更正には地積測量図が要ります。「新たに区画や面積を確定する登記か」で図面の要否を判断しましょう。