ども、Tです。
鉄骨造の授業は大学3年生ごろから始まり、その道で研究をするなら大学院まで続きます。構造系の研究室に入りたい人、構造設計に携わりたい人にとっては必須科目といえるでしょう。
とはいえ、鉄骨造は構造設計の実務的な内容も多いですし、これまでの構造力学を理解していないと難解な分野です。
そこで、なるべく分かりやすい参考書が必要となるわけです。今回は僕が学生の時、読んでためになった鉄骨造の参考書を3つ紹介します。
新人実務者は必見 「実務から見た鉄骨構造設計」
主に実務者がおすすめの対象者です。
本のサイズとしては、参考書の中では大きい方でA4版と同じくらいです。持ち運びには少し大きいですが、机の上で読んだり広げて使うには丁度良いサイズです。
本書は実務者向けの鉄骨構造の参考書です。鉄骨構造の仕組みなど極力省略されています。その代わり、この1冊で鉄骨造で設計できるように体系的に構成されています。
まず鉄骨造の許容応力度、荷重、構造計画や家庭断面、床、梁、梁、最後は基礎の設計まで説明あります。
実務者1年目の、初学者用としてはこれ1冊で十分でしょう。専門書の割に読みやすいのもポイントが高いです。「本当に実務で役に立つ」という声も多い本です。
学生の方も、将来構造設計をすることを見越して、買って損なしですよ。
鉄骨造が体系的に学べる「鋼構造の性能と設計」
大学生~大学院生がおすすめの対象者です。
アカデミックよりの参考書です。値段は多少高いですが鋼の歴史や生成過程、材質の特徴まで解説があります。もちろん、部材の断面算定(圧縮、引張、曲げ材等)や設計法も収録されています。
ただし、理論書なので演習をガンガン解きたい人にとっては向いていません。また、実務者にとっては少々内容が専門的過ぎます。手元に置くには良いですが、知りたい情報をすぐに引き出すには不向きです。
一方、大学院生や研究を始めた学生にとっては、これほど良い本はありません。授業で足りなかった知識は本書で十分補えるでしょう。また、鋼構造の研究を始める前に読めば大方の知識が身につきますし、論文を書く際にも役立ちそうです。
大学、実務の両方で使える「わかりやすい鉄骨の構造設計」
大学生、大学院生、実務者がおすすめの対象者です。
本書は、先に紹介した2つの中間的な立ち位置の本かと思います。日本鋼構造協会が編集した本で、実務と学術の両方に通じています。
文章と図解により、鉄骨造を体系的に学ぶことが可能。鉄骨の理論を学ぶながら、実務で行う構造設計を追っていくスタイル。例えば5章は「部材の変形と耐力」を説明し、6章で「部材の設計」を説明しています。
なお、演習問題は少なめです。大学の授業や、鉄骨造の実務で手元に置きたい1冊です。実際に僕は、この1冊を会社のデスクに置いています。