本書はエクスナレッジが出版している「ゼロから始める建築知識シリーズ」の1つ。
エクスナレッジは、初心者向けに分かりやすい本を出版しています。表紙もデザインされていて、手に取ってみたくなる。そんな工夫がされています。
本の中身を読むと、初めに構造に関すること、意匠上の防火や耐火、次は仕上げの納まり、工事に関すること等、まんべんなく。
学生さんや新入社員、意匠の方におススメかもしれませんね。
で、ここからが書評です。
僕は構造設計者という立場で読みましたが、黄色本の中身を何十倍にも希釈したような内容で退屈でした。
構造、鉄骨に関する納まりの情報だけみても、よく言えば幅広く押さえることができるけど、逆に言えば中途半端かなと感じています。
例えば、わかりやすい構造本なら他にも沢山あるし、鉄骨部材の納まりも「納まり事例集」とか、エクスナレッジさんで特集している納まり本の方が分かりやすい。
あえて、この本を買う理由が正直言って見つかりにくいところ。
それでも冒頭に述べたように、浅く広く情報を押さえることはできると思います。
あと気になった点は、文章や図がやや硬いかなと。
本のカバーデザインを分かりやすい感じにしているのに、肝心の文章や図がありきたりのものを使っていて、そんなに驚く内容でもありません。
もっと分かりやすく伝えるために中身を工夫できるハズでは?と思いました。値段は2000円。
正直、高い。
建築を専門でやっていく人なら、この本を買うよりも、納まり本、構造本、仕上げ本、工事本など専門に特化した本をそれぞれ用意した方が良い。
何となく建築の知識をつけたい人には丁度良いかもしれない。例えば、建築雑誌の関係者とかね。
そんな本でした。