構造設計に関すること

EV棟の設計マニュアル その2

前回に引き続き、EV棟の設計について紹介します。前回のおさらいポイントは下記の通り。確認してください。

スポンサーリンク

 

前回のおさらいポイント

  • 既存基礎の工法、基礎底と今回基礎は合わせよう。
  • 既存基礎を避けた基礎形状にしよう。
  • 4本柱なので地震力を1.25倍しよう。

 

塔状比について

EV棟は幅狭くて高い建物が多いです。EVの必要な寸法でフレームを造りEVが必要な高さで造ると『そんな形』になります。

建築基準法では、ひょろ長い建物を塔状比が4以上という表現をします。塔状比とは下式、

H/B

H 建物高さ

B 建物の幅

です。EVのほとんどがH/B>4の建物です。

 

H/B>4のとき転倒の検討を行う。

塔状比H/B>4のとき転倒の検討をします。『転倒の検討』とは建物が倒れないことを確認すること。長期時の支点反力―地震時の支点反力を計算したとき、地震時の反力が大きい場合は転倒します。長期時の反力が大きくなれば転倒しません。

 

建築基準法の検討方法

基準法に明記されているのは、地震力の設定です。保有水平耐力時の1階のDs値に対して転倒しないことと明記あります。ルート3の検討ではCo=0.20です。一方、Dsの最低値は0.25なので、最低でも1.25倍した地震力で検討します。

 

基礎底まで応力を割増した反力を使う。

上部構造の計算は梁芯でモデル化します。今回は基礎の検討です。基礎底まで応力を割増した反力を使います。

追加曲げM‘=せん断力Q×(構造芯―基礎底までの距離)

追加支点反力=2×M‘/L

で、追加する支点反力を算定。地震時の反力が増えます。

 

杭を使う場合、引き抜き抵抗力で持たせる

以上、支点反力を検討します。反力を求めたら、引き抜きが発生しているか否か確認です。大抵、引き抜き力Nが発生しています。杭基礎の場合、

引き抜き抵抗力Na>引き抜き力N

の関係であれば転倒しないのでOKです。

 

次回は直接基礎の場合を紹介します。

と、言うわけで今回はここまで。杭を使う場合、引き抜き抵抗力が引き抜き力を上回っていれば問題ないです。計算も簡単にチェックできます。

直接基礎は底盤の計算なので少し面倒。次回の記事で説明しましょう。

スポンサーリンク
 

こちらも人気の記事です

ピックアップ記事

  1. 本当は教えたくない、鉄骨構造をマスターしたいなら手元に置きたい参考書3選。 
  2. 2年間総合資格に通った結果、100万円無駄にした話
  3. 社畜の僕が、毎日でもブログを更新できた4つの秘訣
  4. クレーンの衝撃力を設定する基礎項目について
  5. 失敗した部下の叱り方と、叱った後安心させるたった1つの方法

関連記事

  1. 構造設計に関すること

    剛域とは?その意味と設定方法について説明します。

    ども、tyazukeです。僕は大学院で鉄骨造に関する研究室にい…

  2. 構造設計に関すること

    保有水平耐力時の耐力が上がらないとき 層間変形角1/200の規定

    ども、tyazukeです。RC造で公共物件を設計するとき、2次…

  3. 構造設計に関すること

    【初心者必見】構造設計でミスした前後ですべき3つのこと

    ども、tyazukeです。どんな仕事でもミスは付き物です。10…

  4. 構造設計に関すること

    RC造の使用性と損傷制御性と安全性について

    ども、tyazukeです。RC規準書の1章ってあまり読んだこと…

  5. 構造設計に関すること

    効率的な部材と断面性能、重量との関係について

    ども、tyazukeです。何十年も前にやりつくされた議論ですが…

  6. 構造設計に関すること

    斜め加力が作用したときの、基礎スラブの検討

    直接基礎を検討するとき、斜め加力に対して接地圧を算定したことはあります…

スポンサーリンク

最近の記事

Tazukeのおすすめ書籍

  1. 労働のこと

    一級建築士の年収とは?本当に分かる30歳の年収、独立後の年収
  2. 一級建築の試験勉強

    一級建築士の合格率とは?本当に分かる合格率の推移、過去の合格率
  3. 構造設計に関すること

    剛域とは?その意味と設定方法について説明します。
  4. 労働のこと

    仕事一筋の人がヤバい理由と、構造設計者の7割が削減された将来
  5. 構造設計に関すること

    構造目線で考えよう。3本の矢を折るために必要な力とは。
PAGE TOP