構造設計に関すること

EV棟の設計マニュアル その3

EV棟は細長くて高い建物です。このような形だと地震時の反力が大きくなります。そのため、転倒しないように杭又は大きな基礎を造ります。

前回、杭の引き抜き抵抗力の話をしました。今回は大きな基礎で抵抗する場合を説明します。

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直接基礎の場合 長期時の反力を増すことが目的

直接基礎は引き抜き力に抵抗できません。そのため、引き抜き力が起こらないくらい大きな基礎を造ります。今回は、底盤の計算に習って基礎断面の決め方を紹介しましょう。

 

地耐力の算定

地耐力とは地盤のN値から算定される地盤の耐力です。建築基準法や建築基礎指針で示されている長い式を使います。式の説明は省略します。

 

長期時の反力分布を算定する。

底盤基礎(べた基礎)の場合、支点はなく『支面』という言葉が合います。なぜなら、荷重を点で受けないからです。底盤を使った基礎は面全体で荷重を支えます。1本の柱の支点反力がNとすれば反力分布は、

σc=ΣN/A

ΣN 柱の反力Nの合計値

A 底盤の平面積(縦×横)

σc 長期時の反力分布

です。

下向きの荷重に対して、上向きの反力分布です。

 

地震時の反力分布を算定する。

地震時には、押し引きの反力が作用します。『押し引きとは、片方の柱が上向き、もう片方が下向きの反力』です。押し引きの反力N‘は必ず±反転した値です。また柱脚に曲げモーメントが作用します。底盤に作用する曲げMdは、

Md=N‘×L + ΣM

N‘ 押し引きの反力

L 柱芯間距離

M 柱脚に作用する曲げの合計値

です。

さらに曲げモーメントに対する反力分布は次式で算定できます。

σ=±Md/Z

Md 底盤に作用する設計用曲げモーメント

Z 底盤の断面係数(bd^2/6)

です。底盤の断面係数とは加力方向に対する『せい』と『幅』の関係から上式より算定可能。

 

2つの反力分布を組み合わせる。

長期と地震時の反力分布を組み合わせます。すると、圧縮側、引き抜き側2つの反力分布が出ました。このとき、圧縮側の反力分布が重心位置を超えていれば転倒しません。

但し、引き抜き側の反力を圧縮側で支える必要があります。一方、引き抜き側の反力分布が重心位置を超えると転倒します。底盤をもっと大きくしましょう。

 

まとめ

いかがでしたか?EV棟の設計は転倒の計算さえやれば終わります。初めは難しいですが慣れたらルーティーンです。1週間もあれば計算、図面が終わるでしょう。

資料が参考になればと思います。

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