構造設計も設計手順があります。設計者1人毎にやり方は違います。でも大まかな流れは一緒。今回はその一例を紹介します。
・仮定荷重の設定、荷重拾い
部材を決めるには荷重が必要。これ構造計算の矛盾の1つ。荷重を決めないと部材が決まらない。一方で部材断面が決まらないと荷重が決まらない。
仮定荷重
だから初めは適当に荷重を設定します。これを『仮定荷重』といいます。適当にとは、過去の似た物件を参考に荷重を設定する。
仮定荷重とは床荷重の設定を意味します。
荷重拾い
床荷重を設定しました。でも増打ち重量や一貫計算プログラムで入力できない荷重があります。この荷重は手計算で拾います。これを荷重拾いと言います。
例えばパラペットや地中梁の増し打ちが代表例です。
・仮定断面の算定
荷重が決まりました。次は概算で柱と梁の断面を決定します。意匠が知りたいのは梁せいと柱断面です。梁せいを知りたいのは階高を決めたいから。柱断面を知りたいのは、内部空間の関係です。
手計算で厳しいフレームを当たります。が、今は電算入力もスピード化されました。ここで電算入力しても良いと思います。
・電算に荷重、部材の入力
荷重と部材がざっくり決まったところで電算へ入力します。入力作業は、手計算の時代なかった手順かも。現代の構造計算では必須項目。確認申請の指摘の大半は図面と計算の不整合ですからね。
・二次部材の設計
次に二次部材の設計です。特にRC造は小梁重量も建物重量に大きく影響します。小梁の断面を決めないと本当の重量が分かりません。
・一連計算
二次部材まで部材を決めました。荷重が決まったので電算入力を修正します。正しい重量が分かって初めて断面算定が可能です。
鉄筋本数まで細かく決めます。
・基礎の検討
一連計算で反力が分かりました。反力が分かれば基礎工法、基礎断面を決めます。
・計算手順は同じ。
計算手順は同じです。でも、1つの手順に細かい手順があります。次回は、さらに細かい手順を紹介しましょう。